クロメ達の合体奥義
流行の力が、ハワイアンを倒すカギになるかも。よし! こうなったら。
「カオリン、最近流行の曲を歌って!」
カオリンは元人気バンドのボーカル。彼女の歌なら期待できる。
「ごめん私……流行の歌を知らないよ」
申し訳なさそうに誤ってくるカオリン。意外なことに流行の歌を知らないみたい。それなら……
「それじゃあ、カオリナイトの最新曲お願い!」
人気バンドの曲なら流行に違いない! そう思いカオリンにリクエストしてみるが……
「ごめん。私たちの曲は、一般向けじゃなくてね……玄人向けなの。だから流行とは程遠いの」
そんなぁ。 じゃあ…………
「カオリン、流行の物について何か知ってる?」
「知らない♪」
笑顔でカオリンが即答する。どうしよう、私も流行なんて全然知らないよ。
「ふっふっふ。若い女性だというのに流行を知らぬのか。そういう生き方も悪くはないが、それでは私を倒せない」
水蒸気から立ち直ったハワイアンが、堂々とした様子でオーラを放っている。
こうなったら、また水蒸気を使うしかないのか……
「カオリン、ハワイアンを中心とした広範囲に強力な風をお願い!」
「おっけ♪」
カオリンの魔法が、ハワイアンに襲い掛かる。
「マジ卍だわい! そんな魔法、私には効かぬ」
彼は余裕そう。
「スズネ、できるだけ多くの水を風に向かって放出してみて」
「コン!」
スズネが大量の水を口から放出する。
ハワイアンを中心として、多くの水を含む暴風が大暴れ。耳を裂くような激しい音が鳴り響き、ゴミが舞い散る。だが彼は平然としている。
「びしょ濡れになってしまったわい。草生えるわw」
よし! ここで決める。
「荒れ狂う蒸気よ、肌の奥まで潤いを届かせろ!」
私は、暴風に向かい炎魔法を暴発させる。
そして技名を大声で叫ぶ。
「「合体奥義、美顔ストリーム!」」
炎が暴風と合わさる。すると、すさまじい勢いで炎が蒸発する。そして、遠くからでも熱さを感じるほどの強力な蒸気の嵐が、ハワイアンを中心として荒れ狂う。これで、ハワイアンを倒せるはず。
「やったねクロメ! これでハワイアンはおしまいだね♪」
「コ~ン♪」
みんな勝利を確信している様子。この後、どうなるか……
しばらくの間蒸気が大暴れしていたが、やがてその勢いを落としていく。
私たちの目に映ったのは、あちこちに散らばった倉庫の荷物たち。非常食のセット、演劇に使えそうな様々な小道具、エロ本など、様々なものが辺りに散らばっている。
そして…………お肌つやつやの、まだ余力を残しているハワイアンだった。
「嘘、あれを食らってまだ戦えるの?」
「コ~ン……」
「なかなか良い魔法だった。大ダメージを食らってしまったよ。だが、同じネタを何度も繰り返すようでは、うまく流行に乗ってるとは言えないな。」
どうしよう、水蒸気が効かないとなると……
確か、以前ピンチになったとき、カオリンが地形を利用して危機を回避していたな。私も、地形を利用してみよう。
ここは倉庫、広いスペースがあり障害物がない。そして、さっきの水蒸気であちこちに荷物が散らばって……もしかしたら荷物の中に流行のものがあるかも!
私は演劇の小道具を見てみる。かつらに招き猫、クマのぬいぐるみに派手なドレス。ダメだ、どれも流行のものではない。
次に、非常食を見てみる。缶入りのカンパン、2Lの水、様々な種類のドライフード、スキムミルク。これらも流行のものではない。
流行の物がどこにもない! 流行語も全然知らないし、もう勝ち目はないの?
「クロメ、諦めないで! 流行を知らないなら、流行を作り出せばいいんだよ」
カオリンが励ましてくれる。でも私に新しい流行なんて作り出せないよ。
私は、再び非常食の方を見る。小腹が空いたな、カンパン食べて水飲みたい。
あれ、カンパンに水、流行を作り出す……そうだ! 作っちゃえばいいんだ、最近よく見るものを。
カンパンには、アルファ化されたでんぷんが含まれてるはず。これを利用すれば。
「カオリンとスズネ、時間稼ぎをお願い」
クロメの能力アップ
魔力 3up 20→23
クロメ(召喚士) HP2/8 240コイン
筋力:12
魔力:23
対話:23
知能:23
器用:29
機敏:17




