人気者
「それではまずは、Aグループから発表します!」
「Aグループの一人目はぁ、参加者クロメの召喚獣、スズネです! 召喚獣でありながら、かなりの色塗り技術を持ちます。この大会の優勝候補になります」
「おおおおおおおおおおおお!」
「コ~ン」
観客たちが大騒ぎ。そりゃ狐さんだもんね。ってか優勝候補? スズネ凄いな。
「Aグループの二人目は、剣士のシーさんです。彼女は長い間、行方不明となっていましたが、つい最近発見されたようです」
「え~っと、色塗りは今回が初めてですけど、頑張りたいです!」
「がんばってねぇ~」
「シ~ちゃ~ん!」
観客から温かい声援を受けている。どうやら大人気のようだ。可愛いもんね。
「そして3人目と4人目はAさんとカオリンさんです。Aさんは漫画を描くのが得意らしいので、細かな色塗りに期待できますね」
「一方カオリンさんは、大人気バンドのリーダをしていた経験を持ちます。この経験をどのように色塗りに生かすのか楽しみですね」
「やっほ~カオリンだよ!」
「Aと申します」
「「カオリンちゃ~ん! 頑張って!」」
何と、ほとんどの観客がカオリンに声援を届ける。カオリンの人気ぶりはすごいな。空気に耐えられなかったのか、Aさんの表情がどんどん険しくなってくる。可哀そうに。
「残りの4名がBグループとなります。皆様、ぜひ頑張ってください」
何か最後適当だね。まあ気にしないようにしよう。
「クロメ」
「シリカ」
私はシリカと対面する
「私がこのグループの一番になるわ。残念だけどあなたに優勝は無理だわ」
「やって見なきゃわかんないよ」
「そう。まあそういうことにしてあげるわ。けど……負けないわ」
「私だって!」
この勝負、勝たなきゃ。
「クロメさん。僕だって、負けませんよ!」
「望むところだよ!」
Bさんと話をした後、青髪少女にも声をかけられた。
「クロメさんに~ゴンドラ国マスコットの座は~渡さないんだから♪」
「いや別に狙ってないから」
そんなの欲しくないよ、私。
「それではまずは、Aグループの一番を決めます!」
はぁ、はぁ。ダメだ。集中力が持たない。すぐに気がそれちゃう。それに、集中力があったとしてもむらなくきれいにお皿を塗るのは難しい。やっぱり簡単にはいかないな。
私はまだ始まらないBグループの戦いに備え、練習を繰り返し行っている。
「おう! クロメ。まだまだ荒いけれど魂がこもってるな」
青くて長いサラサラの髪をゆらゆらさせながら、無邪気な笑顔で私の作品をほめてくれる少女がそこにいた。
「デイさん……」




