頑張れ! クロメさん
「なんて下手くそなのかしら」
突然私の後ろから声をかけられた。あの長い金髪に赤いワンピースは……あの時の少女だ。
「あんた、何しに来たの」
カオリンが憎しみを込めつつ彼女をにらみつける。
「何って、大会に向けて練習するからに決まってるじゃない。」
「大会に、出場するの?」
「何よ、私が出場しちゃいけないっていうの?」
私の質問に対して彼女は不満そうな様子を見せる。
「いや、そんなことは言ってないけれど」
「私の名前はシリカ。陶磁器職人を目指す召喚士。私の実力を見せつけるため、大会に出場するんだわ」
「ポン、ポ~ン」
彼女が自己紹介をすると、赤ワンピースの中からまん丸の狸が顔を出した。
「か、かわいい! シリカも召喚士だったんだね。」
「召喚士で悪かったわね。あなたはなぜ大会に出るのかしら?」
「色塗りの技術を学ぶためだよ。私は漆職人を目指してるんだ」
「そう。なれるといいわね」
シリカも職人を目指してるんだ。これは負けられないな。
「シリカ、私はあなたを越えてみせるよ!」
「やれるモノならやって見るといいわ」
私とシリカの間に緊張感が生まれる。
「それじゃあせいぜい頑張ってね」
そう残し、シリカは私たちから遠ざかる。
「クロメ、大会で優勝してあの子を驚かせてやろうよ♪」
「うん!」
「コン♪」
「私もやって見る♪」
どうやらカオリンが色塗りに挑戦するみたい。ワクワク笑顔で右手に筆を構える。
「えいっ!」
「ぺシャッ」
カオリンは青色の絵の具を豪快にお皿に塗り付ける。
おお! いい感じ。精密さはないものの、勢いが素晴らしい。カオリンには才能があるかもしれない。
「これ、楽しいね。どんどん塗っちゃえ。せいや~♪」
カオリンが赤い絵の具を上から塗り始めた。青と赤が混じりだし、次第に紫色へとお皿が変わっていく。
「おお~色が変わった。じゃあこれも混ぜてみよう!」
カオリンが黄色の絵の具を筆につけ始めた。
「それはダメ!」
「ええ~なんで? 塗りたい!」
お皿は汚い色に変色してしまう。
「あ~変な色になっちゃった~♪」
やっぱりカオリンには才能はないみたい。
あ、スズネが色塗りしようとしている。狐さんって色塗りできるのかな?
「コ~ン♪」
口に筆を加え、赤い絵の具に毛先を付けて、パレットのふちでそれを整える。スズネ、すっごく器用だ。
「コン♪」
すごい! スズネの塗った赤色は、均一に塗られている。ムラが全くない。スズネが優勝しちゃうかも。私も負けてられないな。
こうして私たちはひたすら練習を行ったのだ。
「皆様、本日はお皿色塗り大会に参加して頂ききありがとうございます。この大会には8名の参加者が出場しています。AグループとBグループ、それぞれ4人ずつに分かれてもらい、その中から一番を決めます」
「そして最後に勝ち残った二人で対決して、勝った方が優勝となります。優勝者には特別な賞品があるので、ぜひ頑張ってください」
まずは4人で対決か。どんな人が相手だろう。
「おお! あの時の嬢ちゃんじゃないかい。あんたもこの大会に参加するのかい」
あのおじさんは……やばい本売ってた人だ!
「ま、まあ。おじさんも参加するんですね。意外です」
「私の名前はAって言うんだよ。同人誌で鍛えられた私の画力を、みんなに知ってもらいたくてね。それで、優勝した暁には犯罪のすばらしさをみんなに語るんだ」
それだけは絶対に避けなければ。
「絶対にあなたを優勝させませんからね」
「お~いったな嬢ちゃん。手は抜かないからね」
「望むところです」
おじさんと別れた後、ある男性に話しかけられる。
「やあ君。また出会ったね」
「ええっとあなたは……」
どこかで見たことある気がするが、なかなか思い出せない。う~ん、あの落ち着いた表情は……あっ。
「白い宝石を買ってくれた人だ!」
「当たりだよ。覚えていてくれてうれしいよ。僕の名前はBって言うんだ」
ああ、やっぱりあの人だったんだ。
「あの時はありがとう! B君」
「いや~お礼を言いたいのはこちらの方だよ。あんないい宝石を売ってくれて」
「適正価格で売れていたかな?」
「私はその辺あまり詳しくないので。でもちょうどいい価格だったと思いますよ」
「そっか。それならよかった」
「あなたも出場するんですね」
「うん!負けないからね」
軽く話しをした後、男性と別れる。
「あ! 召喚士クロメ~ あのときはありがとうございます~」
「あなたはあの時の!」
パワーストーン争奪戦の時の、侍風の少女だ。赤と緑の着物をカッコよく着こなしているけれど、顔がほんわかとしてて可愛い!
「あなたはどうしてこの大会に?」
「あの時負けて、思ったのですよ。私が本当に目指すべきものは何かって。剣の道以外にも私の生きる道があるかもしれないって。だからいろんなことを体験しようと思ったのですよ」
「そっか。生きる道が見つかるといいね」
「はい! それと、私の名前はシーって言います。覚えておいてくださいね」
「うん! わかったよ」
「それじゃあさよならです」
「さよなら」
私のもとから立ち去るシーちゃん。あ、こけた。
「う~! 私、カッコ悪いよ……」
はあ。ほかの参加者の7人のうち6人が知り合いなんて。すごい偶然もあるんだね。けど、一人は知らない子だ。水色のドレスに長い青髪の、私よりも小さな可愛らしい少女が参加するみたい。
あの子とだけ会話しないってのもなぜか罪悪感を感じるな。けどまあいいか。
「おお! クロメじゃないか。この大会に参加するなんて、さすが私の見込んだ子だ」
誰なの、この少女!
「あ。今の言葉は忘れてくださいね! 私はゴンドラ国のみんなに愛されているマスコット、デイちゃんだよ♪ 町で見かけたら、気軽に声をかけてくれると私、とっても嬉しいな~♬」
低めだった彼女の声が、いきなり高くなる。
「見かけたら声をかけるよ~それじゃあね」
「クロメさん! ゴンドラ国マスコット、デイちゃんをよろしくね♪」
なぜだかとても嫌な予感がしたが、なぜだろうな。
本日の成果
器用 12→14 2up
魔力 15→17 2up
対話 15→17 2up
クロメ(召喚士) HP8/8 40コイン
筋力:9
魔力:15→17
対話:15→17
知能:10
器用:12→14
機敏:10
装備:アイスソード(与ダメージ+5 氷属性攻撃 命中率+30%)
暖かいコート(被ダメージ-3 氷耐性30%)
スキル
召喚術 LV4 :モンスターを召喚でき、モンスターの秘めたる力を開放することができる。1度に2体までなら同時に召喚することが出来る。
気配察知LV1 :視線の範囲内で、人やモノの動きを読み取れるようになる。
所持アイテム
ランクG
石50 砂37 土34 赤い岩13 黄色い岩48 木の棒、木の弓、汚い液体×2、万能蛇口
ランクF
遠心分離機
ランクE
万能鍋
ランクD
ミニマム爆弾×8
ランクG 腐った岩 :とっても臭い
ランクD 白い宝石×2:とてもきれいな宝石。高く売れる。




