クロメともふもふ召喚獣 前編
サブタイトルを、親しみやすいものに変更しました。
「ミ、ミイラだあああああ!」
力強いミイラの手が、私の足を掴んで離さない。
足を激しく動かしたものの、ミイラの手が私の足から離れる気配はない。足をバタバタさせてるうちに、ミイラの手がもう一方の足を掴んできて、私は地面に倒れこむ。このままではヤバイ。
「電気により作られし膜よ、私を守れ」
「シールドルーム!」
魔法を唱えると、電気の膜が私の周りに展開される。電気に驚いたミイラの手が緩む。その隙に私は立ち上がり、即座に私たちは逃げ出した。
細い通路を進んで行くと、やがて大きな部屋へとたどり着く。
大きな部屋には、一匹のモンスターが存在していた。
かわいい猫のようなモンスターが気持ちよさそうに眠っていたのだ。
「あの猫ちゃん可愛いね、クロメ」
「それどころじゃないよ、ミイラが追っかけて来てるよ」
カサカサと包帯のこすれる音をたてながら、ミイラが部屋にやってくる。
「ここで迎え撃とうよ、この広い部屋なら戦いやすいだろうし」
カオリンがここで戦うことを提案してくる。二対一なら何とかなるかもしれない。私たちはここで戦うことにした。
「風の谷!」
カオリンから魔法が放たれる。風の魔法は目には見えず、音を立てながらミイラの身体を切り刻む。攻撃を受け、ミイラは倒れこむ。
「やったー倒したよ」
カオリンが呑気に両手をあげ、その場で回転し始める。あのミイラ、まだ動いてるような気がするけど。
「カオリン! 危ない!」
後ろを向いているカオリンめがけて包帯が襲い掛かってくる。
包帯の緩んだミイラから放たれたものだ。
逃げてるときはこの技を使ってこなかった。おそらくさっきの魔法による斬撃で包帯が緩んだことによって、包帯を飛ばすこの技が使えるようになったのだろう。
「た、助けて~」
カオリンの体に包帯が巻き付けられていく。両足が包帯に包まれ、お腹が包帯に引き締められる。
このままじゃヤバイ。ここはアイスソードで。
私はミイラに近づき、伸びている包帯に向かって剣を振りかざす。
ぽよん。
剣がはじかれた。この包帯には剣が効かないの?
「た、た、助けてえぇぇぇぇ」
包帯はカオリンの喉を制圧した後、顔へと向かってくる。
「カオリン!」
カオリンは完全に包帯に包まれてしまった。
「むごぉぉぉ、むごぉおおお」
包帯のせいでカオリンの叫びは声にならない。ヤバい!早く助けないと。
カオリンに包帯を巻いているミイラが、すこしづつ小さくなっていき、やがてなくなってしまった。おそらくカオリンに乗り移ったのだ。
カオリンの入っているミイラは壁をタッチして、現れた魔法陣に向かって進んでいく。魔法陣に乗ったミイラはどこかへワープしてしまい、魔法陣も消えてしまった。
「むごぉぉぉ、むごぉおおお」
カオリンの声にならない叫びが部屋の中に響く。
待っててね、カオリン。必ず助け出すから




