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狗神  作者: 夢カモメ
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狗神4

三匹の犬の中でも特に僕へ、すりよってきた雄犬のリキにリードを繋ぎ散歩へと連れ出した。


初めての散歩だから、先ずはリキに自由に散歩させてみる。

リキの尻尾はクルンと左に巻き込むように、軽く揺れている。


明らかに雑種だが、少し秋田犬の血が混じっているのかも知れない。


リードを引っ張る事も無く。

リキは道路の左端を、僕の左膝に寄り添うように歩いていく。


歩き出して、直ぐに近所の公園に足を踏み入れ

僕はベンチに腰掛け、リキは僕の足元に伏せた。

今日は抜ける様な青空だ…秋の風が頬をなぶり、

軽く僕の体温を奪っていく。


柔らかい日差しの元…

微睡みかけそうになった僕の意識を覚ます様に、リキがうなり始めた。


それは…

一人の老人と青年へと向けられていた。


その老人と青年はユックリと僕に近付き、忌々しそうな表情のまま


「お前が…永井の本家に養子に来た…

新しい狗神使いか!?」と

やや、キツい口調で尋ねた。


「ええ…まだこちらに来たばかりで、ご近所さんへの挨拶もまだですけど…」と

答えも終わらぬうちに


「そんなものは必要ない!!」とピシャリと、たしなめるかの如く、吐き捨てるかの如く。断られた。


老人のあまりの勢いに多少戸惑いを見せた僕へ、今度は青年が、侮蔑の表情を浮かべ


「全く…狗神使いの因果により、遂に男子の直系が絶えて安心した所に、

養子とは…お前もあの忌々しい呪いの因果で狂い死にするがいい!!」


初対面の相手に対して狂い死にするがいい、だって?

「何故?初対面の貴方方に、その様な暴言を吐かれる謂れは有りませんが?」


青年は侮蔑の表情を浮かべたまま


「今は無くともいずれ我ら永井の一族に仇を為すようになる」

隣で老人が、さもらそうだと言わんばかりにウンウンと頷く


「同じ永井の一族と言うことは親戚の方なのですか?」


「遠い血縁だが、とうに縁は切ってある。」


「そうなのですか?」


「じゃか…いずれ我ら永井の一族に仇を為し

狗神使いの呪いを飯の種にして、いずれ、そのイヌコロの命を無惨に奪うのだろう!?」


なっ!!何故?僕がリキの命を無惨に奪う筈がない。

一体この人達は何を言っているのか、解らない。


僕は…彼らを視界からから外し

リキに繋いだリードを引き寄せベンチから立ち上がり公園から出て行こうとした。


公園の出口付近まで来たとき…



ガツン!!


と頭に衝撃が走り

そこへ手をやると、生暖かくヌルリとしたものの感触があった。


咄嗟に足元に視線をやるとつぶて大の石が落ちていた。


コイツら初対面の僕に石を投げたのか?


狂ってるコイツら狂ってやがる。


僕は頭を押さえつつ

リキと共に公園から抜け出した。





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