狗神5
頭を押さえつつ
僕はリキとの散歩を続けた。
それにしても、永井の家に来て初日…
いきなり初対面の人に罵られ、石をぶつけられるなんて…
リキは心配そうに、僕を見上げ、さも、心配する様な表情を見せながら、散歩を続けている。
軽く頭を撫でてあげると
少し安心した様な表情を見せた。
暫く散歩を続けていると
正面から、小さい座敷犬を連れた女性がやって来た。
すれ違い様に
「こんにちわ。」と挨拶をすると
女性も「こんにちわ」と返してきたが?
「あらっ!頭に怪我をなさってますよ?」
僕は立ち止まり
「先ほど心無い人達に石をぶつけられまして…」
彼女は
「まぁ…何てことでしょう?
何を理由に石を投げつけるなんて…
一寸お待ちください?」
とハンカチを取り出し
僕へ差し出した。
「お構い無く…
そんな綺麗なハンカチを汚すには気か引けます。
それに大した怪我ではありませんから?」
「でも…結構な出血ですよ?」
「頭の傷は、出血が多いものです。
お気遣い有り難うございます。」
「そうだと良いのですけど…念のために…」
と、僕の傷口にハンカチを当てた。
「全く申し訳ない…
ハンカチは必ずお返しします。
そのためにも、貴女のお名前をお教え頂けませんか?」
「そのハンカチは差し上げます。
お返し頂く事は気にしないで下さい。」
「そうですねぇ…
では…私は毎日この付近をこの…ピュアちゃんと散歩してますので
次にお会いした時に、お返しいただけれは…」
「そうですね…
お言葉に甘えさせていただきます。」と
彼女へ頭を下げて別れた。
次の日…雑貨屋で買い求めた同じハンカチを持ち
散歩をした。
すると…今日もピュアを連れた彼女が正面からやって来る
僕はにこやかに、彼女へ微笑みかけ…
「こんにちわ。」と挨拶をした。




