21/22
狗神21
「オレの怨念は空を飛び…
地を駆け抜け、一目散に海野播磨の屋敷に飛び込み
その日は非番で書物を読んでいる奴の首にかじりついた。
なれど…実体の無い怨念では実害は与えられなんだ」
僕はそこで…初に訪ねた。「それじゃ…
海野播磨への呪詛は失敗したの?」
「まあ…そんなに先を急ぐもので無い…
結果から言えば呪詛は為ったのだ。
ただ…例え食らい付いたとて…
相手の喉笛を掻き切る事は出来なかったと言うことだ。」
「なら…海野播磨は…」
「透よ…せっかちよのう?
海野播磨に食らい付いたオレの怨念は…
蝕む様に奴の体と精神を犯して行った。
人の怨念は恐ろしい…
屋敷の周りから…先ず…
猫の姿が消えた。
そして…
ネズミが消えた。
秋になっても虫の声も聞こえず。
次第に屋敷の中で異変が起こる様になった。
次回もお楽しみ下さい。




