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狗神20
「もう…オレの目には… 海野播磨の名前しか映らなかった。
海野播磨の名前が頭の中…指の先までを占めておった。
我が父忠太郎は涙を流しながら近付いて来て
左手に携えた刀の鞘を抜いた。
たとえ刀を突き付けられようと…
体の隅々迄…
海野播磨で埋め尽くされていたオレの目には刀など
何の恐怖も与える事は出来なかった。
オレは縛られて…
身動きが取れず…唯一自由のきく、首から上は海野播磨の名前が書いてある半紙へ千切れて飛び掛からん程に暴れていたのじゃ。
そこで…
泣きながら忠太郎は片手に引っ提げた刀を振り上げ…
一気にオレの首を切り落とした。
オレの首は一気に解放され海野播磨の名前が書いてある半紙へ食らい付いた。
のう…透よ…
生き物が死ぬ間際に他人が凡てを占めると
その人へ対して祟りを為す…
オレの首は、血飛沫をあげながら海野播磨の名前が書いてある半紙へ食らい付いた事で
我が怨念は
海野播磨の元へ飛んで行った。」
次回もお楽しみに。




