本家にて
本家に足を踏み入れた僕は半分だけ血の繋がった浩子姉に居間へ通された。
かくして、母の納骨を済ませ
一通りの事を済ませると
僕は父方の実家へ顔を出した。
下着と着替えの数枚を鞄に積め
父方の実家を訪れた。
出迎えてくれたのは、父方の長女永井浩子が迎えてくれた。
永井の名字のままなのは
未だに未婚だからであろう。
僕とは二十歳程の年の開きがあり
たとえ…半分血が繋がっているとしても、何故か?ピンと来ない。
玄関口で浩子姉は…
「玄関で何時までもボサッと突っ立ってないでサッサと中に入りなさい!」
と叱咤する様な口調でたしなめられた。
別に両手を挙げての歓迎なんぞ、期待をしている訳も無く
感情を表情に出さぬ様に敷居を跨いだ。
通された居間で茶を出されたが?
異様な雰囲気を漂わせる
その場所は
僕の落ち着きを確実に奪い去っていく。
緊張感の取れない僕に対しそんなに身構え無くても良いわよ
何も起きないから…
その言葉に僕の緊張感は多少なりとも解れていった。
湯飲みの茶を飲み干す頃
浩子姉が口を開いた。
「今、一件の依頼が来てるの、内容は旦那が浮気相手の 家に入り浸り…帰って来ないらしいの…
そこで、旦那の浮気相手に軽く呪いをかけてくれ…
と言うのが今回の依頼…
で…あんたは?どの呪術が適正だと思う?」
そんな…
まだ僕は素人だ…
いくら才能があったとしても…容易く呪詛出来るならば苦労はないはずだ。
第一呪いの種類すら知らない。
況してや、その呪いの掛け方なんぞこれっぽっちも知らない。
浩子姉の大きな二重の瞳はそんな、僕の事情などに耳を傾けるつもりなど更々ない様だ。
しかし…知らないものは
実行は出来ない。
そこで…
「お姉さんが…替わりに
呪詛出来ないんですか?」と尋ねてみた。
すると、帰ってきた答えは
「無理だわ、どう言う訳か?女にはその才能は受け継がれ無いの。
呪詛するわけだから、
必ず因果応報の理として
我が身に跳ね返って来るものなの…
だけどね…永井の一族の男には何故か?
因果応報として跳ね返って来る事がないの?」
「それはお姉さん。どういう訳で?」
「それが解れば、アンタなんかを子の家に入れたりするものですか?」
と、吐き捨てる様に答えた
まあ…そりゃそうだな…
しかし…言葉もきついが
その…怨みの籠った様な視線はやめて欲しいな…
これじゃ、僕が呪詛の対象者みたいじゃないか?
その不満を感じたのか?
浩子姉は
「その前に庭へ出て見ましょう」と
僕を誘った。
次回もお楽しみに




