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狗神17
彼女が語る永井家始祖である。
忠太郎はこの地域で
失せ物や田に水を引き入れる日の決定
等を占う…陰陽師の様な生業をしていた。
野村大学は忠太郎を館へ呼びつけ
政敵の失脚又は呪殺を命じた。
忠太郎は初め…
「その様な恐ろしき事は
ゆめゆめ考えた事など御座りません。」と
断ろうとしたが…
「ワシに因果が振りかかる事なく
政敵を失脚させれば
お主を名主にしよう。」
この条件に忠太郎の心は揺れた。
「野村様…しかし…それでは…私共に因果が振りかかります。」
「忠太郎…ならば名字帯刀を許そう。」
忠太郎はこの条件に心が大きく揺れた。
名主で名字帯刀を許さる事は少なくない。が
それは江戸の中期に仕方なく百姓を纏め大人しくさせるための苦肉の策であり
江戸の初期では異例の処置である。
これが…成れば忠太郎は武士としての身分が得られる最下級の扱いではあるが
百姓の惨めさからは解放される。
野村大学へ忠太郎は
「承ります。」と返事をした。
次回もお楽しみに。




