第八話 ― 理想の刃、現実の海 ―
戦国最強の忍、幕末に舞う〜坂本龍馬を救ったのは、歴史から消された「大友宗麟の忍者」」だった〜
第八話 ― 理想の刃、現実の海 ―
---
第一章|再会の場
江戸。
夜の長屋。
灯りが揺れる静かな一室。
座しているのは――
坂本龍馬。
その前に現れる影。
武市半平太。
二人の視線が交差する。
かつて同じ志を抱いた男たち。
だが今――
道は分かれていた。
---
第二章|最初の言葉
武市が口を開く。
> 「変わったな、龍馬」
龍馬は静かに笑う。
> 「おまんもじゃ」
沈黙。
張り詰めた空気。
武市の声が低く響く。
> 「なぜだ」
> 「なぜ異国に媚びる」
龍馬は即答しない。
ただ、ゆっくりと口を開く。
> 「媚びるがやない」
> 「使うがじゃ」
---
第三章|尊王攘夷
武市の目が鋭くなる。
> 「戯言だ」
一歩踏み出す。
> 「異国は侵略者だ」
> 「排除せねば、この国は滅ぶ」
拳が震える。
> 「刀で守るしかない」
龍馬は首を振る。
> 「その刀で、何人斬る気じゃ」
武市が即答する。
> 「必要なだけだ」
---
第四章|龍馬の反論
龍馬の声が強くなる。
> 「それで国は残るか?」
武市が睨む。
> 「残る」
龍馬は一歩踏み出す。
> 「嘘じゃ」
沈黙。
> 「世界は、もう変わっちゅう」
---
第五章|キキの登場
その時――
障子の外。
スッ……
気配。
現れる女。
キキ。
> 「その通りよ」
武市が振り向く。
> 「誰だ」
キキは静かに言う。
> 「世界を知る者」
---
第六章|世界の現実
キキの声は冷静だった。
> 「清国は敗れた」
武市の眉が動く。
> 「……何だと」
> 「異国に」
> 「戦って負けたのよ」
沈黙。
> 「インドは支配された」
> 「東南アジアも同じ」
一歩近づく。
> 「理由は一つ」
間。
> 「力の差」
---
第七章|崩れる理想
武市が低く言う。
> 「だから屈するのか」
キキは首を振る。
> 「違う」
> 「変わるの」
龍馬が続く。
> 「取り入れるがじゃ」
> 「武器も、知識も」
> 「全部じゃ」
武市の拳が震える。
> 「それは……日本ではない」
---
第八章|本質
龍馬が真正面から言う。
> 「日本は形じゃない」
> 「生き残ることじゃ」
沈黙。
重い沈黙。
キキが静かに言う。
> 「誇りだけでは国は守れない」
武市の目が揺れる。
---
第九章|決裂
武市がゆっくり立ち上がる。
> 「……ならば」
一歩下がる。
> 「私は斬る」
> 「異国も、お前たちも」
空気が凍る。
龍馬は動かない。
> 「それでええ」
武市が止まる。
> 「だが――」
龍馬の声が響く。
> 「おまんは間違うちゅう」
---
第十章|別れ
武市は振り返らない。
> 「証明してみせる」
去っていく影。
静寂。
---
終章|残された者
龍馬が呟く。
> 「あいつは……止まらん」
キキが答える。
> 「ええ」
> 「だから、あなたが必要」
龍馬は静かに笑う。
> 「面白い時代じゃ」
遠く。
江戸の夜。
二つの思想が、完全に分かれた。




