影の守護者・転生編 ― 第一章「分岐」
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戦国最強の忍、幕末に舞う〜坂本龍馬を救ったのは、歴史から消された「大友宗麟の忍者」」だった〜
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影の守護者・転生編 ― 第一章「分岐」
― 薩摩 ―
南国の風が、静かに流れていた。
青い海。
白い波。
そして――穏やかな時間。
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縁側に腰を下ろし、遠くを見つめる男。
坂本龍馬。
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その手は、まだ完全には動かない。
包帯に巻かれた指。
寺田屋で負った深い傷。
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「……静かじゃのう」
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隣で湯呑みを差し出す女。
楢崎龍。
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「京都とは、まるで別の国みたいですね」
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龍馬は笑う。
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「ほんにのう……」
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だがその目は、遠くを見ていた。
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「……あいつは、どうしゆうろうな」
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ぽつりと漏れる言葉。
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お龍は何も言わない。
ただ、静かに寄り添う。
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「……以蔵」
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風が、二人の間を通り抜けた。
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「わしは進む」
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龍馬の声が、低くなる。
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「この国を変えるために」
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拳を握る。
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「じゃが――」
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一瞬の沈黙。
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「剣が要る」
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その言葉は、確信だった。
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「……あいつは、生きちょる」
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確信。
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「必ずな」
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― 瀬戸内海 ―
一隻の船が、静かに海を渡っていた。
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潮の匂い。
風の唸り。
帆を打つ音。
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甲板に立つ男。
岡田以蔵。
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その顔には、もう“死を選んだ男”の影はなかった。
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だが――
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消えないものがある。
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「……霞……」
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小さく呟く。
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処刑台。
振り下ろされた刃。
笑っていた顔。
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拳が震える。
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「……わしは、生きちゅう」
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「お前の分まで」
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その背後から声。
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「いい顔になったじゃねぇか」
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振り返る。
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朧。
壁にもたれ、だるそうに腕を組んでいる。
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「……うるさいのう」
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だが、その声はどこか柔らかい。
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その横で――
静かに海を見つめる女。
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加藤キキ。
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さらに――
甲板の縁に腰をかけ、細身の剣を弄ぶ男。
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夜叉丸。
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「もうすぐだ」
キキが言う。
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「見えるぞ」
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前方――
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霧の向こうに、影が浮かぶ。
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山。
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海から立ち上がるような、雄大な姿。
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別府湾。
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その向こう――
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天を突くような山。
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鶴見岳。
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そして――
その南側。
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ひときわ異様な気配を放つ小高い山。
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乙原山。
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「……あれが」
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以蔵の目が細まる。
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山の中腹――
断崖に、張り付くように。
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“それ”はあった。
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巨大な建造物。
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まるで空に刺さるように聳え立つ。
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吉祥寺。
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「……城じゃのう……」
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思わず漏れる。
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キキが頷く。
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「その通りだ」
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静かに語り始める。
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「1433年――」
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風が止む。
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「大内氏が大友氏を奇襲した」
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「大友館は焼け落ちた」
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「逃げ場はなかった」
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「だから――ここに来た」
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指差す。
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「この“吉祥寺”に」
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以蔵の目が釘付けになる。
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「当時、この寺には“寺侍”がいた」
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「武装した僧兵だ」
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「この断崖――」
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「それ自体が“城”だった」
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波の音が響く。
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「奇襲を受け、寺は焼かれた」
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「だが――」
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「大友も、寺侍も」
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「山に逃げ、生き延びた」
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一拍。
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「それから100年後――」
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キキの目が光る。
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「大友宗麟が、この寺を再建した」
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「そしてここは」
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低く、重く。
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「山城であり――忍びの司令塔となった」
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以蔵の呼吸が、わずかに変わる。
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「この山からは」
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「金、銀、銅、鉄が採れた」
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「それを元に――」
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「ポルトガルと貿易を行った」
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夜叉丸が笑う。
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「世界と繋がってたってわけだ」
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キキは続ける。
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「時代は変わり――」
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「徳川幕府が生まれた」
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「忍びは“大名の影”から」
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「幕府の“隠密”へ変わった」
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「内乱を未然に防ぎ」
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「情報はすべて江戸へ流れた」
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「それが、長き統治を支えた」
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沈黙。
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「だが――」
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キキの声が、変わる。
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「大友忍軍は違う」
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「止まらなかった」
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「ポルトガルの技術」
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「オランダの技術」
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「日本の技術」
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「大陸の技術」
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「医術、薬学、化学――」
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「すべてを取り込み、進み続けた」
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そして――
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以蔵を見る。
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真っ直ぐに。
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「岡田以蔵」
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その名が、静かに響く。
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「お前はもう――」
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「人斬りではない」
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一歩、踏み出す。
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「大友忍軍の一人だ」
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風が吹く。
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「忍術を授ける」
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「医学を授ける」
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「化学を授ける」
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声が強くなる。
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「この国を――」
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「白人の奴隷にするわけにはいかない」
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「独立した国として立たせる」
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「そのための――」
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「剣となれ」
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沈黙。
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海の音だけが響く。
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以蔵は、ゆっくりと目を閉じる。
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霞の顔。
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先生の顔。
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血。
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そして――
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龍馬。
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目を開く。
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その瞳に、もう迷いはない。
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「……この国を導くのは」
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静かに言う。
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「坂本龍馬じゃき」
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一歩、前へ。
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「わしは――」
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拳を握る。
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「剣となる」
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空気が震える。
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「守るための剣に」
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「なってみせるぜよ」
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朧が、ニヤリと笑う。
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「……上等だ」
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夜叉丸が肩をすくめる。
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「やっと“人間”になったな」
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キキは、ただ静かに頷いた。
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船は進む。
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過去を捨てた男を乗せて。
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新たな“影”として生まれ変わるために。
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その先にあるのは――
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乙原の里。
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そして――
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守護者としての運命。
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――続く
この技のリアルな動きはYouTubeで公開中!
「大友宗麟の忍者」
・「手裏剣の有効性についての検証」
・「アニメーションで見る豊後国・乙原の里・隠れ里の説明」
・大友宗麟の忍者の末裔が現代のスポーツ・アーチェリーや陸上競技で応用
・陸上競技ハードル走での忍術トレーニング
・陸上競技100メートル走での忍者ダッシュ!方法の説明!
などなど…
https://www.youtube.com/@%E5%BF%8D%E8%80%85%E3%81%AE%E3%81%8B%E3%81%A8%E3%81%86%E3%81%95%E3%82%93




