四境戦争後の坂本龍馬! THE SKY BATTLE OF HAGI ― 萩城上空・蒸気大決戦 ―
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『幕末!忍者スチーム・ワールド戦記!』
四境戦争後の坂本龍馬!
THE SKY BATTLE OF HAGI
― 萩城上空・蒸気大決戦 ―
HMS EURYALUS VS SHADOW HAWK + WYLE UWEF
「少女砲術長代理、空を撃つ!」
---
――萩城上空――
ドォォォォォン!!
ユーライアラスの左舷下部から放たれた砲弾が、萩の野山を揺るがす!
夜叉丸・デスペラードは艦橋から砲塔を見上げた。
「……まじか……。」
「砲塔が……」
「真下を向いている!」
巨大なアームストロング砲が、まるで大地を狙うかのように直角まで下がっている。
夜叉丸が苦笑する。
「面倒な装備を……」
「イギリスは作りやがったな!」
そして伝達管へ叫ぶ!
「各員に次ぐ!」
「敵艦は砲塔を直角に向けている!」
「集中弾が来る可能性が高い!」
「速度、最大出力!」
「ジグザグ飛行する!」
---
――各部署――
機関室
「了解!」
スチーム・バルーン・エンジンが唸る。
ゴォォォォォ……!!
コントロール室
「了解!」
操舵輪が回される。
そして――
夜叉丸。
「攻撃室!」
「あの左舷アームストロング砲を狙え!」
---
――攻撃室――
伝達管から命令が響く。
加藤アサキ。
「了解!」
彼女はすぐに測量望遠鏡へ向かう。
「敵砲塔……」
「見えた!」
---
――艦橋――
夜叉丸が操舵を握る。
「面舵!いっぱい!」
「右へ急旋回!」
ワイル・ウエフ飛行船が大きく右へ傾く!
ギギギギギ……!
船体全体が傾斜!
そして――
大きく旋回しながら、
Uターン!
---
――ユーライアラス――
アレクサンダー艦長。
「敵が旋回した!」
副艦長。
「こちらの左舷砲塔から逃げています!」
アレクサンダー。
「逃がすな!」
「左舷砲撃!」
---
――左舷直角砲塔――
巨大な砲身が真下を向く。
砲員。
「照準!」
「発射準備!」
そして――
「ファイア!!」
ドドドドドドォォォン!!!
複数の砲弾がワイル・ウエフ飛行船へ迫る!
---
夜叉丸。
「敵艦、発砲!」
「ジグザグ飛行!最大出力!」
機関室。
「了解!」
コントロール室。
「了解!」
ワイル・ウエフが右へ!
左へ!
再び右へ!
蛇行する!
その直後――
ドォォォン!!
ドォォォン!!
ドォォォン!!
砲弾が萩の野山へ着弾!
土煙が空高く舞い上がる。
その爆煙の中を――
ワイル・ウエフ飛行船が突き抜ける!
---
――攻撃室――
アサキが測量望遠鏡を覗く。
「……!」
「Uターンと蛇行飛行で――」
「敵艦との距離が近い!」
彼女は砲塔を見る。
「左舷4番から6番砲塔!」
「最大仰角!」
砲術班。
「了解!」
ガコン!
ガコン!
蒸気機構が唸り、アームストロング砲が上へ向かって動く。
しかし――
アサキの表情が変わった。
「……!」
「近い!」
「砲塔が敵艦に向いてない!」
---
坂本龍馬が振り返る。
「何じゃ?」
「じゃあ……」
「撃たれっぱなしか!?」
アサキは伝達管へ叫ぶ。
「艦長!」
「仰角が足りません!」
「船体を右に倒してください!速く!」
---
――艦橋――
夜叉丸。
「了解!」
「右傾斜!40度!」
「右へ倒せ!」
---
――ワイル・ウエフ――
船体が大きく傾く!
ゴゴゴゴゴ……!!
「うわぁぁ!」
桂小五郎が柱を掴む。
「これは……!」
長州藩主・毛利敬親も手すりを掴む。
「おおっ!」
そして重臣たちも――
木製の柱に固定された安全索を掴む!
前原一誠。
「殿! こちらへ!」
山県有朋。
「身体を固定してください!」
山田顕義。
「この傾き……凄まじい!」
井上馨。
「これが空中戦なのか……!」
伊藤博文も柱を握りしめる。
「地上戦とはまるで違う……!」
---
――攻撃室――
砲術班員たちも安全索で身体を固定。
しかし――
アサキは違った。
裸足になり、足元と柱をしっかり使って姿勢を安定させる。
測量望遠鏡から目を離さない。
「……。」
「もう少し……。」
「あと少し……。」
砲身が動く。
ガコン……!
「……届いた!」
アサキの目が輝く。
「仰角、確保!」
---
「ファイア!!!!」
ドドドォォォォン!!!
左舷4番!
5番!
6番!
三門のアームストロング砲が一斉発射!
桂小五郎は見た!
発砲炎が攻撃室を照らす!
その中心で――
アサキが叫んでいた!
「ファイアァァァァ!!」
桂小五郎は思った!
美しい!
と!
毛利敬親も思った!
我が命を救うために!
戦う!
少女が美しいと!
家臣にしたいと!
妾にしたいと!
---
――三発の砲弾――
一発目!
二発目!
三発目!
一直線に、
HMS Euryalusへ!
---
――HMS Euryalus――
アレクサンダー艦長。
「敵弾!」
副艦長。
「左舷アームストロング砲です!」
次の瞬間――
ドドドォォォォン!!!
三発が左舷アームストロング砲へ直撃!
左舷アームストロング砲の2機が大きく破損する。
見張員たちは衝撃で空中に投げ出され、砲兵たちも爆炎で粉々になる!
「うわぁぁぁ!」
「艦長!」
アレクサンダー艦長が手すりを掴む。
「左舷アームストロング砲の損害を確認!」
---
――ワイル・ウエフ・攻撃室――
アサキが望遠鏡から顔を上げる。
「…………。」
そして――
「全弾……命中!!!」
夜叉丸の声が伝達管から返る。
「よし!!」
---
――しかし――
右舷から突然――
ドォォォォン!!
シャドウ・ホーク闇鷹の砲撃!
ユーライアラスを挟んで、
三隻による砲撃戦がさらに激しくなる!
アレクサンダー艦長。
「右舷からも攻撃だと!?」
「シャドウ・ホークか!」
副艦長。
「はい!」
アレクサンダーは決断する。
「このままでは挟撃される!」
---
――HMS Euryalus・艦橋――
右舷からは――
シャドウ・ホーク闇鷹。
左舷からは――
ワイル・ウエフ飛行船。
相次ぐ被弾。
アレクサンダー艦長は歯を食いしばる。
「このままでは……挟撃される!」
副艦長。
「艦長、スチーム・ジェットの準備は完了しています!」
アレクサンダー艦長。
「……分かった。」
「だが――」
艦長は前方を睨む。
「まだ点火するな。」
「まだだ。」
「敵の動きを見極める。」
副艦長。
「了解!」
---
――HMS Euryalus・艦橋――
アレクサンダー艦長は空を見つめる。
右。
シャドウ・ホーク闇鷹。
左下。
ワイル・ウエフ飛行船。
そして――
「……まだだ。」
「もう一撃……。」
その視線の先には、
再び砲撃準備に入るワイル・ウエフ。
そして砲撃姿勢を取るシャドウ・ホーク。
アレクサンダー艦長。
「……来るぞ。」
拳を握る。
「スチーム・ジェットは――」
「最後の切り札だ。」
---
――ワイル・ウエフ飛行船――
攻撃室。
加藤アサキは再び測量望遠鏡を覗いている。
「……まだ終わってない。」
坂本龍馬が笑う。
「そうじゃ。」
カルヴァも前方を見る。
「次は何を仕掛けてくるかのう……。」
アサキは静かに答える。
「……分からない。」
しかし――
その目は、
すでに次の一撃を探していた。
---
――長州上空――
三隻の飛行船。
シャドウ・ホーク闇鷹。
ワイル・ウエフ飛行船。
HMS Euryalus。
砲煙が漂う空。
そしてユーライアラスの内部では――
スチーム・ジェットが、いつでも点火できる状態で待機していた。
まだ――
噴射していない。
だが次の瞬間、
アレクサンダー艦長が命令を下せば――
巨大な英国戦闘フリゲート飛行船が、
スチーム・ジェットで離脱できる!
---
――ワイル・ウエフ飛行船――
そのとき。
影丸・インフェルノが装備を確認していた。
背中には――
スチーム・ジャンパー。
そして両肩。
そこには、
携帯式アームストロング砲。
左右一門ずつ。
合計二門。
影丸。
「艦長。」
「準備完了。」
夜叉丸。
「よし!」
「影丸・インフェルノ!」
「出撃可能か!?」
「出撃可能です!」
---
――さらに――
「艦長!」
格納ハッチが開く。
そこから――
スチーム・ファイター改が姿を現す。
パイロットの後部座席へ、
珠・ア・プラーガ・ヴェルメーリャ。
専用の虫籠を携えている。
珠。
「準備できた。」
夜叉丸が頷く。
「よし!」
「珠・ア・プラーガ・ヴェルメーリャ!」
「火蟻部隊を使って――」
「敵艦の艦長を暗殺しろ!」
「影丸・インフェルノ!」
「敵艦の煙突を破壊しろ!」
そして夜叉丸は二人に伝達管で指示する!
「無理に敵艦へ乗り込む必要はない!」
「確実に敵の戦闘能力を削れ!」
影丸。
「了解!」
珠。
「了解!」
珠・ア・プラーガ・ヴェルメーリャがスチーム・ファイター改へ乗り込む。
---
――萩城上空――
長州藩主・毛利敬親。
そして桂小五郎。
山県有朋。
前原一誠。
山田顕義。
伊藤博文。
井上馨。
広沢真臣。
品川弥二郎。
さらに坂本龍馬とカルヴァ。
全員が、目の前の光景を見つめていた。
遠ざかっていくユーライアラス。
追撃するシャドウ・ホーク。
そして――
ワイル・ウエフから発進しようとする、
スチーム・ファイター改。
龍馬が呟く。
「……なんちゅう戦いじゃ。」
カルヴァ。
「龍馬。」
「これが……空の戦じゃ。」
そして龍馬は笑う。
「いや……。」
「まだ始まったばかりじゃ。」
---
――そして長州藩主たちは思った――
自分たちは、
安全索を握りしめ、
柱に身体を固定している。
その目の前で――
15歳の少女が、砲術を指揮している。
彼女は恐怖に立ちすくむのではない。
敵との距離を測り、
船体の角度を読み、
砲の仰角を計算し、
三発を命中させた。
毛利敬親が静かに呟く。
「……あの少女。」
桂小五郎も頷く。
「はい。」
山県有朋。
「恐るべき才能だ……。」
前原一誠。
「しかも本人は、その才能を自覚していない……。」
龍馬はアサキを見る。
そして――
「長州さん。」
「日本には……」
「まだ、こういう若者がおるぜよ。」
空では、
英国の戦闘フリゲート飛行船。
大友忍軍の駆逐艦飛行船。
そして、
龍馬が勝手に名付けた――
ワイル・ウエフ飛行船。
三隻の戦いが、
さらに激しくなっていく――。
TO BE CONTINUED――
THE SKY BATTLE OF HAGI
― 萩城上空・蒸気大決戦 ―
「少女砲術長代理、三発必中!」
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