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「四境戦争後の坂本龍馬!」 ― The Wooden Steam Airship Heads North ― --- ――薩摩の夜が明けて――


長州側の人物は、今回の時期なら木戸孝允(桂小五郎)、井上馨、伊藤博文、前原一誠、広沢真臣、山県有朋、山田顕義、品川弥二郎などを登場させ厚みが出します。山口県立図書館もこれらを幕末維新期の長州関係人物として挙げています。特に井上馨は四境戦争で芸州口参謀、前原一誠は小倉口の参謀心得として活動していました。



『幕末!忍者スチーム・ワールド戦記!』


「四境戦争後の坂本龍馬!」


From Satsuma to Choshu: Ryoma’s Flight Across the Skies


― The Wooden Steam Airship Heads North ―


---


――薩摩の夜が明けて――


昨夜まで、激しい議論が続いていた。


倒幕。


無血開城。


外国勢力への備え。


そして――


新しい日本。


長い議論の末、


薩摩藩は「無血開城」を目指すことを決めた。


その翌朝。


薩摩の空に――


巨大な木造飛行船が浮かんでいた。


台湾航路に使用されている、


木造輸送飛行船。


船体から蒸気が白く噴き出している。


その周囲には薩摩藩士たち。


「本当に、これで長州まで行くのか……」


「空を飛んで……?」


龍馬は笑った。


「そうじゃ!」


「次は長州ぜよ!」


---


――飛行船、離陸!――


坂本龍馬。


カルヴァ(岡田以蔵)。


夜叉丸・デスペラード。


プラーガ。


影丸・インフェルノ。


そして大友忍軍と豊後藩士たち。


一行を乗せた飛行船が、


ゆっくりと薩摩の大地を離れる。


ゴォォォォォ……


蒸気が噴き出す。


飛行船は高度を上げる。


龍馬は窓に張り付く。


「おお……!」


「やっぱり空は速いのう!」


カルヴァが笑う。


「龍馬、昨日も同じこと言うちょったぜよ。」


「何度見ても面白いんじゃ!」


---


――世界が空でつながる――


飛行船は海上へ出る。


眼下には広大な海。


その時――


遠くに別の飛行船が見えた。


「飛行船!」


影丸が確認する。


「ルソン方面から来た輸送船です。」


龍馬は目を輝かせる。


「ルソンから!?」


飛行船同士が空ですれ違う。


龍馬は手を振る。


「おーい!」


向こうの船からも手が振られる。


龍馬は感動した。


「……すごいのう。」


「世界が……」


「飛行船で繋がっていく。」


影丸が頷く。


「これまで海を何日もかけて移動していた人々が、空を利用できるようになれば――」


龍馬は言葉を引き継ぐ。


「国と国との距離まで変わる。」


そして笑う。


「世界は、もっと近くなるぜよ!」








---


――豊後の空――


飛行船はさらに北へ。


やがて――


豊後の大地が見えてきた。


龍馬は窓の外を見る。





「あれは……!」


眼下に見えるのは――


別府。


そして――


吉祥寺。


さらに、その周囲に広がる、


蒸気機関の街。


煙突。


工場。


蒸気船の施設。


飛行船の発着場。


そして巨大な蒸気機械。


龍馬は思わず立ち上がる。





「おおおお!」


「STEAM・CITYじゃ!」


眼下に広がる街を眺める。





影丸が静かに説明する。


「ここが、STEAM・テクノロジーの中心地です。」


龍馬。


「地上から見るのもええが……」


「空から見ると、また違うのう!」


---







――国東半島――


飛行船は豊後の東側へ進む。


やがて――


国東半島。


その向こうには海。


龍馬は目を細める。


「……あれが長州か。」


地形を見渡す。


空から見ると――


豊後と長州は驚くほど近く感じる。


さらには四国。


そして――


大島口。


四境戦争で激戦となった場所も、空から見渡せる。


龍馬は静かにする。


「ここで……」


「長州の者たちは戦ったんじゃのう。」





夜叉丸・デスペラードが頷く。


「はい。」


「私も長州の兵たちに軍事指南をしてきました。」


龍馬は眼下を見つめる。


「戦の跡も――」


「空から見ると、こんなに小さく見える。」


カルヴァが呟く。


「……戦場ちゅうもんは、地上におる者にしか分からんもんぜよ。」


龍馬は黙って頷いた。


---


――長州上空――


飛行船は長州へ入る。


山々を越える。


龍馬は窓の外を眺める。


「おお……!」


山を越えた先に――


街が見えてくる。


そして――


海沿いに広がる城下町。


「見えた!」


「萩じゃ!」


龍馬の顔が一気に明るくなる。


「速い!」


「ほんに速いのう!」


カルヴァ。


「昨日薩摩におったと思うたら、もう長州ぜよ。」


龍馬。


「飛行船ちゅうのは、とんでもないもんじゃ!」


---


――萩城――


一方、その頃。


萩城では――


STEAM・モールス信号送受信機


が激しく動いていた。


カタカタカタ……


蒸気と機械音。


長州から返信が送られる。


「来たぞ。」


「坂本龍馬一行、まもなく到着!」


城内が慌ただしくなる。


待ち構えていたのは――


桂小五郎。


井上馨。


伊藤博文。


前原一誠。


広沢真臣。


山県有朋。


山田顕義。


品川弥二郎。


そして、多くの長州藩士たち。


高杉晋作は――


別府でまだ治療中。




---


――木造輸送飛行船、萩へ――


空から巨大な木造飛行船が降りてくる。


「来たぞ!」


「坂本龍馬だ!」


飛行船はゆっくりと着陸。


蒸気が白く立ち込める。


ギィィ……


タラップが降ろされる。


最初に姿を現したのは――


坂本龍馬。


龍馬は萩城と、出迎える長州藩士たちを見渡す。


そして――


満面の笑み。


「おー!」


「長州に着いたぜよ!」


---


――長州藩士、歓喜――


桂小五郎が前へ出る。


「坂本くん。」


龍馬も笑う。


「桂さん!」


二人は固く握手する。


桂小五郎は龍馬の後ろに目を向ける。


「それにしても……」


「本当に空を飛んできたのか。」


龍馬。


「そうじゃ!」


「薩摩から、あっという間じゃ!」


桂小五郎は空を見上げる。


「……時代が変わっていくな。」


---


――夜叉丸・デスペラード――


続いて――


夜叉丸・デスペラードがタラップを降りる。


長州藩士たちから声が上がる。


「夜叉丸殿!」


「お久しぶりです!」


「またお会いできましたな!」


夜叉丸は笑う。


「皆さん、お元気そうで何よりです。」


長州藩士たちは、彼がこれまで長州側へ軍事的な指導を行ってきたことを知っている。


歓迎ムードが一気に広がる。


---


――影丸・インフェルノ――


次に――


影丸・インフェルノ。


STEAM・テクノロジー開発者。


そして科学者。


長州側にも知己が多い。


井上馨が近づく。


「影丸殿。」


「また新しい技術を生み出されたようですな。」


影丸。


「はい。」


「今回は、空を移動するための技術です。」


伊藤博文も飛行船を見上げる。


「こいつが台湾航路にも使われてるという……。」


影丸。


「その道りです。」


山県有朋も静かに観察する。


「……軍事だけではない。」


「物流そのものを変える技術だ。」


影丸は頷く。


「その通りです。」


---


――カルヴァ(岡田以蔵)――


最後に――


カルヴァが降りてくる。


龍馬のすぐ横。


長州藩士たちが見る。


カルヴァは周囲を警戒しながら呟く。


「龍馬。」


「ここも、えらい人がぎょうさんおるぜよ。」


龍馬が笑う。


「カルヴァ、今日は大丈夫じゃ。」


カルヴァ。


「そう言われても、わしは龍馬の護衛じゃき。」


そう言って龍馬のすぐ後ろに立つ。


---


――プラーガ――


そして――


プラーガ。


彼女の周囲には、いつものように火蟻たち。


長州藩士たちが驚く。


「これは……?」


プラーガは微笑む。


「大丈夫。」


火蟻たちは周囲へ散らばる。


周囲の気配を探りながら、長州の安全を確認する。


---


――大友忍軍と豊後藩士――


さらにタラップから、


大友忍軍。


そして豊後藩士たちが続々と降りてくる。


長州藩士たちは、その姿を見て驚く。


薩摩だけではない。


長州も――


豊後も――


そして大友忍軍も。


少しずつ同じ方向へ向かい始めていた。


龍馬は萩の街を見渡す。


そして――


小さく呟く。


「さて……」


「長州とも、話をせんとな。」


その先にあるのは――


高杉晋作の最後の願い。


そして――


薩摩と長州、二つの藩が再び手を結ぶ未来。


萩の空に、木造輸送飛行船が静かに浮かんでいた。


――薩摩から長州へ。


日本を変えるための「空の旅」は、まだ始まったばかりだった。

読んでくださり、ありがとうございます。


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そして、よろしければ感想を聞かせてください。


感想を一人でも聞かせて頂きたいと思っています。


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