『幕末!忍者スチーム・ワールド戦記!』 After the Four-Border War: Ryoma Sakamoto’s Flight to Satsuma
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『幕末!忍者スチーム・ワールド戦記!』
After the Four-Border War: Ryoma Sakamoto’s Flight to Satsuma
― The Wooden Steam Transport Airship ―
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――豊後藩・蒸気飛行船発着場――
四境戦争が終わった。
長州と幕府の戦いは、ひとつの大きな転換点を迎えていた。
だが――
坂本龍馬は、戦争が終わった空を見上げていた。
その視線の先にあったのは――
巨大な木造飛行船。
船体は木材を中心に造られ、内部には蒸気機関。
船体後部には巨大な蒸気推進機関。
そして左右には、安定翼と操舵装置。
その名は――
「木造輸送飛行船」
豊後藩が開発した、新たな空の輸送手段である。
龍馬の横には、
カルヴァ(岡田以蔵)。
夜叉丸・デスペラード。
珠・ア・プラーガ・ヴェルメーリャ。
そして――
STEAM・テクノロジー開発者、
影丸・インフェルノ。
---
影丸・インフェルノ
「龍馬殿。
準備は整いました。
薩摩まで、この飛行船で向かいます。」
龍馬は飛行船を見上げる。
「こいつが……空を飛ぶんか!」
影丸が微笑む。
「ええ。
蒸気機関によって推進し、空を進みます。」
龍馬の目が輝いた。
「こりゃあ面白い!」
---
――飛行船・コクピット――
龍馬はコクピットへ乗り込む。
目の前には、
蒸気圧計。
高度計。
方位計。
操舵輪。
そして複雑なSTEAM機器。
龍馬は操舵輪を握った。
「影丸殿!」
「はい。」
「ちくと操縦させてくれ!」
「……え?」
影丸が驚く。
龍馬は満面の笑顔。
「ちくとだけじゃ!」
影丸はため息をつきながら操縦席を譲る。
「……くれぐれも無茶はしないでください。」
龍馬、
操舵輪を握る。
「おー!」
飛行船が雲の上へ上昇する。
眼下には豊後の大地。
山々。
町。
そして――
別府湾。
龍馬は大喜びする。
「おおおお!」
「空を!」
「空を自由に飛んでおる!」
カルヴァが後ろから冷静に見る。
「……龍馬。」
「なんじゃ?」
「操縦に夢中になりすぎんでください。」
龍馬は笑う。
「分かっちゅう!」
夜叉丸・デスペラードも笑う。
「坂本殿は、本当に空がお好きですな。」
珠・ア・プラーガ・ヴェルメーリャは窓の外を眺める。
「空から見る世界……綺麗。」
そして影丸。
「この技術が、これからの日本を変えるかもしれません。」
---
――薩摩へ――
木造輸送飛行船は、
蒸気を噴き上げながら西へ進む。
海を越え――
山を越え――
地上を走る船とは比較にならない速度で進んでいく。
そして――
薩摩藩。
あっという間に到着した。
---
――薩摩藩・蒸気飛行船発着場――
「来たぞ!」
薩摩藩士たちが空を見上げる。
巨大な木造飛行船が、ゆっくりと降下してくる。
その下には――
薩摩藩の重臣たちが待っていた。
西郷隆盛。
大久保利通。
小松帯刀。
三人は空から降りてくる飛行船を見上げる。
大久保が呟く。
「……豊後のSTEAM技術。」
小松も頷く。
「すでに豊後藩から連絡は受けています。」
薩摩藩、長州藩、京、江戸などには、すでに豊後藩から供与された新兵器が存在していた。
その名は――
「STEAM・モールス信号送受信機」
蒸気機関を利用した通信装置。
遠く離れた藩同士でも、瞬時に情報を送ることができる。
今回の龍馬たちの来訪も――
すでに豊後藩から薩摩へ伝えられていた。
---
――飛行船から降りる龍馬たち――
タラップが降ろされる。
最初に降りたのは――
坂本龍馬。
その後ろから、
カルヴァ(岡田以蔵)。
夜叉丸・デスペラード。
珠・ア・プラーガ・ヴェルメーリャ。
影丸・インフェルノ。
薩摩藩士たちから歓声が上がる。
「坂本龍馬だ!」
「豊後から空を飛んできたのか!」
「なんというSTEAM技術だ……!」
西郷が龍馬へ歩み寄る。
「坂本さん。」
龍馬は笑う。
「西郷さん!」
二人は固く握手する。
---
――STEAM技術者、影丸・インフェルノ――
西郷が影丸を見る。
「こちらが……」
龍馬が紹介する。
「この男が、豊後藩のSTEAM・テクノロジーを生み出しちょる。」
影丸が一礼。
「影丸・インフェルノと申します。」
大久保は興味深そうに影丸を見る。
「蒸気で空を飛ぶ船まで作るとは……。」
「まだ始まりに過ぎません。」
影丸は答える。
---
――近代戦闘練兵の男――
続いて夜叉丸・デスペラード。
彼はこれまで薩摩藩士たちに、
近代戦闘を想定した練兵
を行っていた。
「夜叉丸殿!」
薩摩藩士たちが声を上げる。
夜叉丸は笑う。
「久しぶりですな。」
薩摩藩士たちも歓迎する。
「またご指導願いたい!」
「いつでも。」
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――珠・ア・プラーガ・ヴェルメーリャ――
その時――
プラーガが静かに手を上げる。
すると、
背中の 「蟲篭十字」から――
無数の赤い影が現れる。
ザワ……
ザワザワ……
一万匹の火蟻。
薩摩藩士たちが驚く。
「な、なんだ!?」
珠は落ち着いている。
「大丈夫。」
火蟻たちは薩摩の周囲へ広がっていく。
そして珠は目を閉じる。
彼女は火蟻たちを通じて、
周囲から伝わる危険な気配を探る。
それは――
殺意を感じ取る巨大なレーダー。
珠は静かに告げる。
「……今のところ、敵意はない。」
西郷は目を丸くする。
「こりゃあ……忍の力か。」
龍馬が笑う。
「そういうことじゃ。」
---
――坂本龍馬、薩摩へ提案する――
その夜。
薩摩藩の会議室。
西郷隆盛。
大久保利通。
小松帯刀。
そして薩摩藩士たち。
その中央に――
坂本龍馬。
後ろには、
カルヴァ(岡田以蔵)。
龍馬から一歩も離れない。
完全なボディーガードである。
龍馬は一枚の書状を取り出した。
「まず……これを見てもらいたい。」
西郷が受け取る。
そこに書かれていたのは――
高杉晋作の書状。
長州は――
この先も薩摩と協力する。
そして日本を変えるために力を合わせる。
西郷は静かに書状を読む。
続いて龍馬はもう一通の書状を取り出した。
「そして、もう一つ。」
それは――
聖痕のジャガス鬼姫からの書状。
内容は明確だった。
もし薩長が同じ方向へ進むなら――
大友忍軍は、
薩長同盟軍の空中護衛部隊
を編成する。
さらに――
忍者戦闘飛行船。
そして、
アームストロング砲を搭載した簡易戦闘飛行船。
その数――
30艘。
薩摩藩士たちがざわめく。
「三十艘だと……!」
「空から戦えるのか……!」
龍馬は頷く。
「そうじゃ。」
---
――そして龍馬が告げる――
龍馬は薩摩藩士たちを見渡す。
「じゃが――」
「わしが今日ここへ来た理由は……」
「戦争をするためじゃない。」
室内が静まり返る。
「日本を守るためじゃ。」
薩摩藩士の一人が叫ぶ。
「しかし!」
「幕府を倒さねばならん!」
別の藩士も続く。
「戦うべきだ!」
「ここまで来て、戦わずに終われるか!」
室内に戦意が広がる。
龍馬は黙って聞いていた。
そして――
静かに口を開く。
「……分かっちゅう。」
「みんな、戦いたいんじゃろう。」
龍馬は窓の外を見る。
「じゃがな。」
「もし日本が戦争で弱りきったら――」
一同が黙る。
龍馬は続ける。
「外国勢力が、その隙を狙う。」
「日本の中で薩摩と長州と幕府が血を流し続けたら……」
「その間に外国が日本へ手を伸ばしてくる。」
大久保が鋭い目を向ける。
龍馬は拳を握る。
「日本人同士で戦い続けて、日本そのものが弱くなったら……」
「勝っても負けても――」
「日本がなくなる。」
沈黙。
龍馬の声が響く。
「だから――」
「戦わずに、幕府を終わらせる道を探すんじゃ。」
西郷はじっと龍馬を見る。
そして龍馬は――
はっきりと言った。
「江戸を、戦火に包ませない。」
「無血で、新しい日本を作る。」
その瞬間――
薩摩藩の歴史が、
大きく動き始めた。
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