STEAM CITY・別府
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STEAM CITY・別府
吉祥寺――大友忍軍本部
珠・ア・プラーガ・ヴェルメーリャからのプロポーズを受け、ビリー・ザ・キッドはどこか落ち着かない様子だった。
ビリー・ザ・キッド 「ガーラ、頼みがある。」
炉・ア・ガーラ・デ・フェーロ 「なんだ?」
ビリー 「プラーガに……プレゼントを贈りたい。」
ガーラはニヤリと笑う。
ガーラ 「そういうことか。じゃあ、別府の町へ行くぞ。」
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二人は吉祥寺入り口の駅から蒸気ケーブルカーへ乗り込む。
シューーーッ……
蒸気を噴き上げながら、ケーブルカーはゆっくりと山を下っていく。
窓の外には、白い湯けむりが立ち上る温泉郷。
あちこちに共同浴場。
畑では農民たちが野菜を育てている。
牛や馬がのんびり草を食べる。
さらに巨大な製鉄所。
真っ赤に熱せられた鉄が運ばれ、巨大な蒸気ハンマーが響き渡る。
ガン! ガン! ガン!
隣には鉄工所。
歯車、ボイラー、蒸気機関の部品が次々と作られている。
職人たちの額には汗が光る。
その先には木造家屋と西洋建築が並ぶ町並み。
煙突からは白い蒸気が立ち上っていた。
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やがてケーブルカーは吉祥寺駅へ到着。
そこから蒸気機関車へ乗り換える。
ポォーーッ!!
力強い汽笛を響かせ、列車は別府平野を駆け抜けた。
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しばらくすると巨大な駅舎が見えてきた。
別府駅。
ホームには大勢の人々。
列車が止まる。
プシューーーッ……
ビリーは目を丸くした。
ビリー 「な……なんだ、この人の多さは!」
湯治客。
商人。
忍者。
職人。
外国人技師。
港へ向かう船員。
町中が活気にあふれている。
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ガーラが歩き出す。
ビリーも後を追う。
目に映るもの全てが珍しい。
飛行船造船所。
蒸気機関工房。
造船所。
鉄工所。
時計店。
菓子屋。
麺料理屋。
和食屋。
そしてポルトガル料理店。
香草で焼き上げた魚料理や肉料理の香りが漂い、人々が楽しそうに食事をしている。
洋服店。
和服店。
履物屋。
ブーツ専門店。
まさに何でも揃う町だった。
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しかし、ビリーが一番驚いたのは人々の服装だった。
和服に黒いハット。
和服に革靴。
腰には日本刀。
ビリー 「なんだ……あれ?」
ガーラ 「ああ、町奉行直属の警備侍だ。」
「最近はハットが流行りなんだ。」
ビリー 「和服にハット……。」
「すげぇ……。」
「妙に格好いいな。」
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ガーラが笑う。
「プレゼントを探すんだろ?」
二人は飾り物屋へ入る。
店内には美しい品々が並んでいた。
オルゴール。
懐中時計。
和服。
洋服。
帽子。
ブーツ。
草履。
色鮮やかな髪飾り。
ビリーの足が止まる。
一本の水晶のかんざし。
透明な水晶が光を受け、虹色に輝いている。
ビリー 「……きれいだ。」
「プラーガに……似合う。」
店主が微笑む。
「壱両になります。」
ビリーは固まった。
「……。」
「金がねぇ!」
「あーーーーっ!!」
頭を抱える。
ガーラは大笑いした。
「しょうがない奴だ…」
懐から小判を壱両取り出す。
「貸してやる。」
「あとで返せ。」
ビリーは満面の笑みになる。
「ありがとう!」
こうして、水晶のかんざしを購入した。
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歩き疲れた二人は食事処へ入る。
ガーラは焼き魚定食。
ビリーはステーキ定食を注文。
店員が冷えたオレンジジュースを運んできた。
ビリーは一口飲む。
「!!」
目を見開く。
「うまい!」
もう一口。
「うまい!」
さらに飲む。
「なんだ!」
「この町は!」
「西部より……だんぜんいい!」
ガーラは笑いながら焼き魚をほおばった。
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店の外へ出ると、空には巨大な木造輸送飛行船がゆっくりと飛んでいた。
船腹には「台湾航路」の文字。
積み荷は、台湾から運ばれてきたバナナとパイナップル。
蒸気都市・別府の空を、白い蒸気をたなびかせながら悠然と進んでいく。
ビリーはその光景を見上げ、静かにつぶやいた。
「夢みたいな町だ……。」
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その夜。
ビリーは珠・ア・プラーガ・ヴェルメーリャのもとを訪れる。
少し照れながら、小さな包みを差し出した。
ビリー 「これ……君に。」
プラーガが包みを開く。
中には、美しく輝く水晶のかんざし。
光を受けて、透明な輝きが揺れる。
プラーガは目を潤ませながら微笑んだ。
プラーガ 「……ありがとう。」
そっとかんざしを髪に挿す。
その姿を見たビリーは、思わず見とれてしまう。
ガーラは少し離れた場所で腕を組み、満足そうに二人を見守っていた。
――続く。
次回からは…雫・ア・アンジャ・グアルディン艦長の震電丸
VS
USSポーハタン海戦!
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