「Steam City ― Inherited Flame(受け継がれし炎)」
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「Steam City ― Inherited Flame(受け継がれし炎)」
朝食の席に静かな空気が流れる。
ビリー・ザ・キッドは箸を置き、影丸・インフェルノを見つめた。
ビリー・ザ・キッド 「説明してくれ……。
俺は胸を撃ち抜かれた。
ガーラも。
フォイセは腕を斬られた。
アンタも右腕が食いちぎられた。
フランケンもボロボロだった。
……なのに何で全員、生きてる?」
食堂が静まり返る。
影丸・インフェルノは湯呑みを置き、静かに笑った。
影丸・インフェルノ 「……話そう。」
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回想
燃え上がる小倉城。
爆炎。
黒煙。
夜叉丸・デスペラード操縦。
サイレントサンダー震電丸・空中強襲仕様が墜落現場へ降下する。
爆弾庫には負傷者を収容するため爆弾は一本も積まれていない。
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しかし――
そこには地獄が広がっていた。
鉄馬・フォイセ・ブーメランギ。
左腕切断。
血の海。
ガーラ。
右肺貫通。
珠・ア・プラーガ・ヴェルメーリャ。
右胸の乳房をくいちぎられ大量出血。
ビリー・ザ・キッド。
胸をスチーム・手裏剣で刺されて意識なし。
影丸・インフェルノ。
右腕は皮一枚。
そして――
影丸・フランケンシュタイン・Jr。
義手の左腕。
義足の左脚。
失っていた。
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夜叉丸が叫ぶ。
夜叉丸・デスペラード
「フランケン!
お前しか動けない!
急げ!!
動け!!」
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その瞬間だった。
Jrが立ち上がる。
蒸気を噴き上げる巨大な身体。
右腕一本。
右脚一本。
それでも。
倒れない。
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最初にフォイセを肩へ。
次に珠を抱える。
ビリーを持ち上げる。
ガーラを背負う。
最後に――
右腕が千切れかけた影丸・インフェルノを優しく抱き上げた。
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Jr
「ダディ……
みんな……
死なせない。」
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夜叉丸は思わず息をのむ。
「……Jr……。」
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右腕一本。
右脚一本。
それだけで何度も往復し、
仲間全員を震電丸へ運び込む。
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最後に自分が乗り込む。
その瞬間――
USSサスケハナが退却した…
震電丸が急上昇。
黒煙を突き抜け、
母艦シャドウ・ホーク闇鷹へ向かった。
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シャドウ・ホーク闇鷹・医療区画
扉が開く。
「患者搬入!!」
医療忍者たちが一斉に動く。
五つの手術台。
同時手術開始。
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中央に立つ。
聖痕のジャガス鬼姫。
袖をまくる。
静かに言う。
「……始めます。」
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自らの腕へ注射針。
一筋の血。
紅い血液。
神秘的な輝き。
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輸血開始。
影丸。
フォイセ。
珠。
ガーラ。
ビリー。
全員へ同時輸血。
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しかし。
鬼姫は静かに首を振る。
「……これだけでは足りません。」
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そこへ運び込まれた。
Jr。
胸部のスチーム・コアが静かに脈動している。
影丸がビリーを見る。
影丸・インフェルノ
「君達が助かった理由は……
私だけでも、
ジャガス様だけでもない。」
Jrが照れくさそうに笑う。
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「この子の中にある、
医療用スチーム・コアだ。」
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ビリー
「医療用……?」
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「そうだ。」
「ヴィクター博士と私が最初に目指したのは、
戦争じゃない。」
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回想。
イギリス。
研究室。
生を受けて間もないJr。
笑っている。
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ヴィクター博士。
「見ろインフェルノ!
成功だ!」
「細胞修復を促進する蒸気だ!」
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影丸。
「これなら、
事故で腕を失った人も、
重傷患者も救える。」
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ヴィクター。
「世界中の人間を救えるぞ!」
二人は笑う。
握手する。
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しかし。
その研究室へ軍人達が入って来る。
「素晴らしい。」
「兵器として採用する。」
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影丸の表情が曇る。
「違う。」
「これは命を救う技術だ!」
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ヴィクターが叫ぶ。
「研究費が必要なんだ!」
「このままでは研究所は閉鎖される!」
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影丸。
「だからと言って軍事利用は認めない!」
「Jrは日本へ連れて行く!」
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ヴィクター。
「駄目だ!」
「日本へ向かう途中でスチーム・コアが停止したらどうする!」
「Jrは死ぬ!」
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影丸。
「計算は終わっている!
日本までなら大丈夫だ!」
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ヴィクターは苦しそうに拳を握る。
「私は……
Jrを死なせたくない。」
涙を浮かべながら呟く。
「軍に引き渡す。」
「私は悪魔になってもいい。」
「Jrの命を救えるのなら……。」
---
回想が終わる。
食堂。
静まり返る。
影丸はゆっくりJrの肩へ手を置いた。
「そして今……
皮肉なことに、
軍事利用のために完成したスチーム・コアが、
本来目指していた**『命を救う力』**として、
君たち全員を救った。」
Jrは静かに笑う。
「ダディ……
僕……
少しだけ……
皆の力になれたかな?」
影丸・インフェルノは目を細め、優しく頷いた。
「……ああ。」
「これこそが、本当のスチーム・コアの使命なんだ。」
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