無意識意識?
午後7:40.
「…多い…多すぎる…っ!!」
私はうなるようにつぶやいてフロア内を見渡した。
穂波と気まずくなってから5日目。なかなかもとのように話すことができずにいた。
それでも仕事はあるわけで…。
おまけに今日は店休日前ということで、お客の数が半端ではない。
まぁ、忙しいほうが意識しないですむからいいんだけどね。
「木下、こっちは22番な」
「ありがとうございます!」
「木下さん、イカ墨パスタ32番ですっ!」
「はい……ありがとう」
アルデンテくんから皿を受け取りながら、何とか一言。
管野さんのときはすんなりといえる言葉が、アルデンテくんの場合だとなかなか出てこない。
意識してはいけない、そう思ってもうまくいかない自分がすごく嫌だ。
「美空、詰まってるから急いで?」
「あ…ごめん、なさい」
後ろから突然穂波の声がした。
普段からぼーっとすることが多いので、そう言われることにはなれている。だけど、トゲトゲしく聞こえてしまうのは何でだろう。
心の中にある何かがムクムクと膨らんでいくのを感じた。息苦しさを感じさせるほどに、それは私の中で大きくなっていく。
「?」
不意に目の前に手が伸びてきた。ぼうっとしてそれを見つめると、突然指が私のデコを弾いた。
「いっ…つぅ!?」
「きぃのしたぁ?こんっの忙しいときにボサッと突っ立ってんじゃねーっ!動け、とこっとん動け!」
「はっ、はいぃー」
私に強烈なデコピンを食らわせた張本人である原田さんはボトルを5本ほどまとめて突き出してきた。
なんて握力だろ…。
半ば呆れて、半ば感動して私はそれを2本だけ受け取った。
「残りもちゃんっとお前が行けよ?今は動くっ!それだけ考えてろ、アホ」
原田さんは暴言を吐いて、奥のほうに戻っていった。
今は、動け…か。
原田さんに言われたことを、頭の中でもう一度つぶやく。両手のボトルをぎゅっと握って笑顔をつくる。
なんだか、がんばれる気がした。
「って…原田さん!?コレ、どこに持っていけばいいんですかぁ!」
私の声に慌てて戻ってくる原田さんは、格好悪かったけど輝いて見えた。
ヤバイです…。書きためていたのがなくなり始めたー…!!ちょっとペースが崩れるかも知れないです…。感想、要望、アドバイスなど…頂けたら嬉しいです!!




