お呼び出し。1
午後10:41.
閉店後。
ミーティングが終わるとすぐに、穂波は更衣室の方に向かっていった。私には一瞥もくれずに。なんだか、すごく…辛い。
一度はしぼんだと思っていた胸の中のムクムクが、再び膨らみ始める。
「…木下?……おーい、木下ぁ?………木下さんっ!?」
「ひっ!?」
「おいおい、何だよそのリアクションは。傷つくぞ、さすがに」
呆れ顔で私の顔を覗き込んでいるその人は、原田さんだった。
「原田さん…“木下さん”なんて呼ばないでくださいよ。あー…鳥肌立ったぁ」
「木下…お前、本当失礼なこと言うなぁ」
言いながら例の強烈なデコピンを繰り出してくる。
それ、本当にやめてください。痛いんですからね!?冗談抜きで涙出ますからね!?
「うぅ…何なんですか、もう」
「あ…いや、な?」
「うん?」
何か、原田さんの様子がおかしい。ただからかうだけ、って訳じゃないんですか?
「木下ッ!」
「はいっ!?」
突然大きな声で呼ばれて、反射的に気をつけッ、をしてしまった。
その上、続く原田さんの言葉に私は気をつけのまま固まってしまうこととなる。
「ちょっと、付き合え!」
はいぃ!?つっ、付き合え…とは?
ボンッ、とでも効果音をつけようか。顔が一気に熱くなるのを感じた。
「…なぁに赤くなってんだよ?」
呆れたようにというか、にんまりと笑ってから原田さんは言った。
「え…っ、はいっ?」
何故、そういたずらっぽく笑う!?
…。
……!!
くそぅ、だまされたっ!紛らわしい言い方して、意地悪だ本物の!
「いいだろ?付き合え」
命令口調で偉そうに言ってくる。胸なんか張っちゃって、王様きどりですか!?
「かしこまりました、原田様?」
私は恭しくお辞儀をして、いたずらっぽく笑う。
原田さんは鳩に豆鉄砲を食らわせたような顔をしたが、すぐに偉そうな表情に戻した。
「よろしい、ついて来い」
私は何とか笑いを噛み殺して、言われるがままにその後ろについていく。
みんなが戻った後の薄暗いフロアに入る。その一番目立たない、入り口から死角になっている隅の方の電気をつけて、原田さんはそこに向かった。
うわー…続きが…どうなる!?自分でもわからないです…。感想など、ください!!




