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異世界にて管理人  作者: うまひ餃子
6/18

青年考えそして寝込む

 管理人設定は何時活きるのやら


 とりあえずどうじょ(/・ω・)/



 青年が異世界に来て10日目。

 青年は漠然とした不安を感じ始めていた。

 

 何故か?この建物が凄すぎるせいで何とかなっている現状があるからだ。

 このアパート1階は管理人室と資材置き場しか部屋がない。

 そのうちの資材置き場、これが曲者なのだ。


 この部屋に例えば魔物の死骸を放り込んだとする。

 すると、勝手に死骸を解体し保存するのである。

 しかも、管理人室のパソコンから操作すれば資材置き場内の魔物の肉をステーキ・干し肉などに勝手に加工してくれるのである。

 しかも資材置き場内では時間経過による品質の劣化が起こらないというとんでも特典付きである。


 青年はこの機能に気付いた時こう思った。


 (死財置き場じゃないか・・・)


 実際、資材置き場には猫がキルした魔物がたくさん収められている。

 これだけの量があれば数年は食料に困らない。


 だが、この生活が続けば間違いなく青年は1人ボッチ生活を続けて行くことになる。

 相棒がいるとはいえ、孤独死はなるべく避けたい。

 出来れば女性のパートナーも欲しい。

 これが青年の内心である。


 しかし、状況を打破する具体策がない。

 街に行くのも手だが、怪しまれ捕まってしまうのでは?

 街に出かけている間にアパートが魔物に壊されてしまうのでは?

 考えると不安な事ばかり浮かんでくる。


 そんな事を考えていると不意に「ピコン!」と機械音が頭の中で響く。


 (先程とある条件が満たされましたので、管理人補助システムがのロックが解除されました。デスクトップ上から確認できます)


 「へっ?」


 寝耳に水である。

 とりあえず、青年はパソコンの電源を入れデスクトップ上に新しく現れていたiconをダブルクリックする。

 それと同時に画面から強い光が生じ、青年は咄嗟に目を瞑る。

 その青白い光が収まると青年は目を開ける。

 が、彼の目の前には10cmほどの少女が浮かんでいた。


 「え?」


 「始めまして。私は管理人補助システムです。貴方様がマスターとお見受けします。これからよろしくお願いします」


 少女は丁寧に挨拶をする。

 髪は金髪のロングで背中には2対の羽が動いている。

 着ている白いワンピースは子供らしく見えるが、何処となくミステリアスな雰囲気も匂わせる。


 「は、はぁ、こちらこそよろしく」


 青年、何も考えずオウム返しに返事をする。

 頼りなく、とても情けない。


 「では、早速ですが、私に名前を頂けないでしょうか?」


 「名前?」


 「はい。私はマスターの補助を目的に生み出されました。ですので、マスターから名前を頂くことがとても重要なのです」


 そうなのか、と青年は相槌を打つ。

 そして考える。名前ってどうやって付ければいいんだ?と。


 「えーっと、こんな名前が良いってのは何かある?」


 「いえ、マスターにお任せします」


 にべもない。

 自分で考えろと暗に求めている。


 「う~ん、管理人補助システム、それで女の子だから~う~ん、管理、かんり。カンリはどうだい?」


 「・・・了解です。これから私管理人補助システムの名称をカンリに設定します」


 返事までの間が彼女の本心を語っていた気がしなくもないが、青年は気付かない。

 猫は起き上がってカンリを見つめている。どうやら興味津々のご様子。

 カンリの方は興味なさげの体を装ってはいるがちらちらと猫の方に視線を向けており、どうやらこちらも興味津々の様である。

 

 「設定が完了しました。引き続き質問があればお答えしますが、何か御座いますか?」


 「そうだなぁ、あ、この世界について知ってることってないかな?」


 聞いた後に青年は後悔した。

 カンリは今、生まれたばかりなのだ。そんな彼女がこの世界について知っている筈がないのだ。

 彼は言ってすぐにその質問を訂正しようとした。が、


 「この世界についてですね?では大陸と国の説明と言う事で宜しいでしょうか?」


 「え?」


 どうやら杞憂であったようだ。

 カンリさん優秀です。


 「違いましたか?」


 「あ、大丈夫。それで大丈夫!よろしく頼むよ」


 「では、簡単にですがご説明させて頂きます。この世界に人類の存在が確認されている大陸は1つだけです。この大陸はアスダムと呼ばれています。そしてアスダムにはいくつもの国があります。その中で大国と呼べるのは4つ。リンガイア・ドルゴーン・フリューン・ウェステムの通称《四国》です」


 呑気な青年が四国地方を連想していたのは秘密である。

 因みにカンリにはバレバレだったようである。


 「これら四国の詳しい説明は後の機会に。それで、この四国が近隣の国を同盟国と言う名の属国として従え、大陸の覇権を争っているのが現状です」


 「なんか殺伐としてるね?」


 青年少し引き気味である。

 平和に慣れ親しんでいた彼からすれば「何その戦国時代!?」である。

 

 「まぁ、大陸を挙げた国同士の争いですからね。恐らくマスターの想像を超える争いがあるのは間違いないでしょうね」


 「嫌なトコに来ちゃったな~」


 青年は少しテンションダウンである。


 「他には何か御座いますか?」


 「う~ん、え~っと、ああ!俺と同じとこから来た人達はどうなってるか分かる?」

 

 神様から聞いた異世界召喚について。

 戦力を求める国が異世界から人材を求めて行われる異世界召喚。

 召喚された人がどうなるのか、青年は気になっていた。


 「はい、現在も召喚が行われているのは四国の内ウェステムを除く三国のみです。四国以外では行えるだけの国力、そしてその方法がありませんので、小国などでは行われていません。そして召喚された人物の扱いについては大きく分かれます。協力する者には支援や権力の授受を、非協力的又は役に立たないと判断された者は追放若しくは死をと言った所になります」


 青年は体中に鳥肌が立つのを感じた。

 背中には汗が滲む。そして、出て来た嗚咽を必死に抑える。


 (な、なんなんだよ、この世界)


 狂ってる。青年の考えはそれだった。

 だが、これは正解でもあるが間違いでもある。

 他国に戦力若しくは自国の情報が伝わる危険性があるのなら躊躇なく処断するべき、これがこの世界の常識である。これは国防の観点から見れば間違ってはいない。その分どうしても1人の命より国が優先される傾向にあるのは弊害なのだろうが。


 だが、青年には受け入れられなかった。

 人それぞれ、ただそれだけのことである。


 「マスター、体調が優れないのですか?休憩することを提案します」


 「あ、ああ。そうさせてもらうよ。折角説明してくれてたのにごめんね?」


 青年はカンリの言葉に甘え、休むことにする。

 その原因はカンリなのだが、元々は自分が説明を求めたことに発するのでちゃんと謝っておく。


 「いえ、説明など何時でも出来ます。今は少しお休みになって下さい」


 青年は私室に戻りベッドに横になる。

 猫も心配してか青年に寄り添って丸くなる。


 「ありがとなぁ」

 「にゃ~」


 少しずつ眠気が増していき、青年は眠りにつく。

 そして、それを見届ける少女カンリ。


 「マスターはあのような性格なのですね。インプット・・・完了です。しかし、この場所が四国どころか人一人いない・・・・・・魔物の領域だと知ったらマスターはどうなってしまうのでしょうか?」

 

 後日、この事実を知り、今回とは違う意味で彼は頭を痛めることになる。

 

 新キャラです。

 サポートキャラ担当?です。

 次話も仲間が増えます。

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