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11話〜15話

第11話 異世界人は動じない


「「「うわあ…。」」」


クール便の蓋を開けると、そこには蓋からドロドロしたものが溢れた壺が見えた。


「…なんですかこれ?めっちゃ漏れてるし、それに…。」


「…アァ…ウゥ…タ…ス…」


呻き声が聞こえる。


「なんだろうね…」


課長も知らない


「あっ!伝書が入ってるね。」


課長が手に取ったのは紙ではなく羊皮紙だった。


「なになに…あぁこの前連絡あった特産物みたい。こっちの感想がほしいって」


まだやる気だったのか。


「とりあえず開けるね。」


壺の蓋を開けると黒いドロドロとした液体の中に顔のような物がちらほら見える。


「食べ物みたいだから、私から食べてみるね」


鎧の面をあげて課長は躊躇なく食べた。


「ゴリ!…コリコリ…。おっ見た目はあれだけどおいしいよ!甘辛で!2人とも食べてみなよ」


「いりません」


黒川さんは即答した。


「じゃあ仕事だと思って…。パク」


バターン!!

口の中に入れた瞬間、味覚がくる前に倒れた。


「あぁ…。やっぱ魔力耐性ないと駄目なやつだったか…。黒川さん本社にやっぱ駄目だってFAX送っといて」


「はい」


意識はなかったはずだが課長の軽い声が聞こえた気がした。

この後、佐藤は1週間寝込んだ。



第12話 回復アイテム


佐藤は傷病休暇と労災をもらい、1週間ぶりに出社した。

異世界課の扉の前で中から不穏な会話が聞こえた。


「黒川さん頼むよ。佐藤くんがいない間だけでも」


「拒否します。」


嫌な予感しかしない…。

仕方なく扉を開ける。


「おはようございます…。」


「あぁ佐藤くんおかえり!大変だったね」


大変だったよ。


「いやー心配してたんだよ!向こうだとそのまま死ぬことあるから」


「えっ…?死…?」


「ははは!冗談冗談!」


まるで冗談に聞こえなかった。


「それよりまた本社から来たのを試そうとしたら、黒川さんが嫌がって困ってたんだよ。」


「拒否します。」


「僕も拒否します。」


「まぁまぁ今回は私も知ってるやつだから大丈夫」


課長が何か文字が書かれた木の棒を取り出した。


「なんですかそれ?」


「回復アイテムだよ。本社に佐藤くんが倒れたこと言ったら送ってきてくれたんだ。」


本社も一応心配してくれたのか。


「じゃあ早速使うね」


課長が了解を得ずに棒を振る。


「えっ?!ちょっと!…ん?」


佐藤の身体に優しい光が飛び交う。


「あれ?身体がどんどん軽くなってきます!」


「そうだろ?私もこれによく助けられてたよ」


「これならこっちでも…。あれ…?」


異変が起こった。

佐藤の全身が熱くなり、ドクドクと脈打つ。


「うおおおおおおお!」


佐藤の筋肉が膨れ上がり上半身の服が弾け飛んだ。


「うおおおおおおお!」


佐藤は上半身裸のまま、部屋から飛び出して行った。


「あれ?これにあんな効果あったかな?」


「課長!今度、倉庫に眠ってるやつも試しましょう!」


黒川さんは珍しくテンション高めにワクワクしている。


「うおおおおおおお!」


佐藤はその後5時間、そのまま社内を走り回っていた。



第13話 日本支社長


「そう言えば課長。この会社が異世界資本なのどれぐらいの人が知ってるんですか?」


「あぁ、立ち上げからいる支社長 天海さんと、一部幹部だね。」


「私はここに配属する前から知ってました。」


一体何者なんだ黒川さん…。


「天海さんは私がこっちに来てからずっとお世話になってるんだよ。」


「私がフルアーマーで途方にくれてたら声かけてくれて、そのまま自分の会社で働かせてくれたんだ。」


支社長も軽いな。


「それで王様から日本支社の話を天海さんに打診して、一から立ち上げたんだよ。」


支社長は本当に優秀らしい。


「むこうの金銀財宝を豊富な資金に変えてね…。」


何か闇を感じる。


「むこうの世界にはメリットあるんですか?」


「まぁこっちの通貨は使えないから、こっちの宝石とか珍しいものを送ってるよ。王様はそれで満足してるみたい」


王様の娯楽のためにこの支社はあるのか…。


「でもそれだと、用途不明金みたいに国から刺されないんですか?」


「まぁ…。そこは異世界パワーで何とか誤魔化してるよ。」


異世界パワー無駄に便利だな。



第14話 ステータス


「2人のステータスが届いたよー」


課長が嬉しそうに駆け寄ってきた。


「ステータス…ですか?」


「あれ?むこうの給与査定の項目まだ見てない?」


「まだ資料の半分も見れてないです。」


「じゃあ、大まかなに教えるね」


給与査定項目

・ステータス 力・技・知・速・魔 10段階評価

・スキル持ち優遇

・実務経験重視

・階級制度あり


「こっちの社内ルールに使えるかどうか、試しに2人のステータスを頼んでたんだよ。ちなみに私はこんな感じ」


力10、技1、知5、速3、魔3 スキルなし


「力全振りなんですね…。」


「向こうの同僚にはよく大振りの木偶の坊って言われてたよ笑」


「佐藤くんはこんな感じ」


力4、技3、知4、速3、魔0 スキルなし


「…なんか低いですね。」


「…まぁ普通じゃないかな?魔0ははじめてみたけど…。」


「黒川さんはこんな感じ」


力2、技8、知8、速7、魔5 スキルあり


「なんかアサシンみたいなステータスですね…。スキルもあるし」


「イエーイ」


黒川さんはどや顔でピースしてる。


「黒川さんスキル持ちなんてすごいじゃない!」


「向こうでも珍しいんですか?」


「スキルによっては一国を揺るがすことあるから、向こうでは秘匿情報扱いだよ。」


「イエーイ」


どや顔ピースしてる黒川さんを見て、


(本当にこっちの人間なのか?)


少し疑問に思った。



第15話 課長がフルアーマーの理由


「課長、この書類なんですが…。」


「!!佐藤くん危ない!!」


課長が身を呈して佐藤をかばう。


「キンキン!」


どこからか飛んできたナイフが課長のフルアーマーに弾かれる。


「チッ…!」


背後にいた、如何にも格好をした男がサッと部屋から出ていった。


「佐藤くん大丈夫?」


「えっ…?今のは…?」


「多分むこうの世界の暗殺者だね。」


暗殺者?!


「こっちでうまくやってるの、うちの国だけだから、たまに他国から暗殺者が来るんだよ。」


…たまに来るのか?


「まぁ私みたいな転生じゃなければ、短期ビザだからさっきのはもう来ないと思うよ。」


「短期ビザ?」


「時間制限付きの魔法だね。こういったことあるから仕事中は鎧の方が安心なんだよ。」


「佐藤くんも気を付けてね。」


…俺も自分で身を守らねば…。


「さっきの暗殺者はもう来ませんよ。」


あれ…黒川さん?手に…血?

何も聞かなかった。


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