6話〜10話
第6話 佐藤の仕事内容
「課長。自分のこれからの業務内容はどんな
感じですか?」
「佐藤くんにやってもらいたいのは、あっちの世界の資料渡すから、こっちの世界と照らし合わせて取り入れられることがないかピックアップしてほしいんだ。異世界人の私だとズレがあることあるから」
確かに15年こっちに住んでいてフルアーマーはズレている。
「わかりました。黒川さんはどんなことを?」
「黒川さんは異世界に興味ないから、まとめたものを見て最終判断してもらうよ。」
「バッサリやります。」
黒川さんはやる気十分だ。なぜか卓球の素振りをしている。
明日から忙しくなりそうだ。
第7話 資料が多すぎる
業務初日
渡された資料の量に驚いた。
まず王国の成り立ちから始まり、魔族との戦いの歴史、他の国との関わりなどまるで長編の小説を読んでいるようだ。
課長は軽快にキーボードを打っているが、鎧がガチャガチャとうるさいし…。
「おつかれさまです。お茶どうぞ」
「ありがとうございます。…黒川さんは向こうの資料に目を通してるんですか?」
黒川さんはキリッとした顔で断言した。
「見てません。」
「はぁ…。少しでも進めるか…。」
とりあえず貰ったお茶を飲む。
「ズズッ…?!苦!辛?!まず!!!なんですかこのお茶?!」
「さぁ…向こうから来たやつなんで、よくわかんないです。」
「あぁモルモル茶だね。舌部分にちょっと魔力を込めるとおいしいよ!」
「魔力…?」
異世界よりも先にこの2人に慣れなければ…。
第8話 異世界を紐解けない
異世界課に来て5日。
毎日、小説を読んでいるようなもので、先に進めない。
何よりわからない単語が多すぎる。
「課長すみません。魔族が使ってるこの道具なんですが…。」
「どれどれ…。サマランの杖?…わからんね笑」
「課長も知らないんですか?!」
「向こうでは城の警備兵だったから、魔族のことはちょっと…。本社に別の資料頼んどくよ!」
資料がさらに増える。
「この資料全部に目を通すのって必要なんですか?黒川さんやることなくてゲームしてますし…。」
しかもヘッドホンしてる。
「まあまあ。まずは向こうの世界を知ってもらうことが大事だからさ。期待してるよ佐藤くん!」
ライトノベル程度の知識の俺に期待していいのか…?
第9話 懇親会
「今日もお疲れさま。2人ともこのあと懇親も兼ねて…どうだい?」
課長が右手をクイッと上げる。
「いいですね!行きましょう!」
「私お酒強いですよ」
黒川さんは飲む気まんまんだ…。意外。
「じゃあちょっと待っててね。」
そう言うと課長が部屋を出て行った。
しばらくして。
「お待たせ!じゃあ行こうか。」
そこには金髪、青い目でスーツ姿のナイスミドルがいた。
「…課長?スーツ着るんですか?」
「まあね。電車の中でフルアーマーは流石に…ね。」
確かに。
3人で居酒屋に向かい、異世界課の懇親会がはじまった。
「それじゃあ、カンパーイ!」
課長は赤ワイン、黒川さんはカシスオレンジ、佐藤はビール。
「ゴクゴクゴク…。はぁー…。ん?」
黒川さんの方を見ると…
「黒川さん!顔真っ赤!!!」
「私お酒強いですよ。私お酒強いですよ。私お酒強いですよ。」
「全然強くない!課長!黒川さんが!…ん?」
課長を見ると机に突っ伏していた。
「もう飲めん…。」
「えぇ…。」
「私お酒強いですよ。私お酒強いですよ。私お酒強いですよ。」
「どんすんだ…。これ…。」
懇親会は一杯で終わった。
第10話 本社からの届け物
「いやーこの前の飲み会は楽しかったね!」
「そうですね。」
「…。あれで?」
懇親会の話をしていると
「コンコン」
と珍しく異世界課のドアが叩かれた。
「はいはい」
課長が扉に行く。
黒川さんに
「…課長に行かせるの?」
「あなたこそ。」
「課長、こちらお荷物です。」
「ありがとうね」
女性社員にフルアーマー課長への驚きはない。
「あれ?普通ビックリしない?」
「会社にフルアーマーの人がいたら目立ちますよ。みんな課長のこと知ってますよ。」
「…。」
なんで逆に知らなかったんだ?俺…。
「いやー、本社からの荷物だったよ」
本社から?!
「しかもクール便。」
クール便?!
「とりあえず開けてみよう。」
荷物の蓋を開けた時
「「「うわあ…。」」」
思わず3人から声が漏れた…。




