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41話〜45話

第41話 2人だけの異世界課


「黒川さん、おはようございます。」

「おはようございます。」

今日から3日間、課長は出張で留守だ。

黒川さんは朝からパソコンに向かっている。

「…。」

特に会話のないまま、佐藤も仕事を始める。

佐藤は最近、向こうから来たものを確認して倉庫に保管したり、向こうの資料を周知ようにまとめたりしている。

「…チラ」

黒川さんを見るとすでに飽きたのか、向こうから送られて来たスライム人形をニギニギしてる。


お昼

黒川さんはコンビニ弁当を食べている。

「黒川さん、いつも食堂使わないですね。」

「人が多いところ苦手…。」

「そうですか…。」

会話が続かない。


午後

黒川さんはパソコンを少し弄っては畳でゴロゴロを繰り返している。

(明日提出のコラム大丈夫か…?)

そんなこんなで定時になり。

「時間になったので帰ります。おつかれさまでした。」

黒川さんは帰ってしまった。

「はぁ…2人だけだとこんな感じなのか…。」

佐藤は改めて黒川さんのことが分からなくなった。



第42話 佐藤と黒川


課長がいない二日目。

午前中、黒川さんはパソコンに向かう時間よりも異世界のアイテムをいじってる時間の方が長い。

(大丈夫…。黒川さん速筆だから…。)

佐藤は不安になりながらも口には出さなかった。


午後になると、

「佐藤さん。できました。確認をお願いします。」

「(いつの間に?!)わかりました。確認しますね。」


【キングス王国戦記:第2章3話「薄暮の決闘」】

王国の防衛線、カストル砦はすでに陥落寸前であった。

黒煙が空を覆い、かつての堅牢な城壁は魔族の膂力と爆炎魔法によって無残に砕け散っている。絶望的な戦況。退路はない。

燃え盛る主門の前、瓦礫の山を背にして、ただ一人、進軍を阻む男がいた。

王国騎士団長ヘルム。

その白銀の鎧は返り血と煤に汚れ、獅子の紋章は辛うじて判別できる程度に傷ついていた。しかし、その身から放たれる闘気だけは、微塵も衰えていない。

「……ここまでだな、キングスの老犬」

地を這うような重低音が、戦場の喧騒を圧した。

立ち込める煙を割り、現れたのは巨躯。漆黒の甲冑に身を包み、赤熱する大剣を片手で引きずる、魔王軍第三将軍、ゴルガだ。

彼はヘルムの数メートル手前で足を止め、嘲るような笑みを浮かべた。

「貴様の首を掲げれば、この砦の士気は完全に潰える。無駄な抵抗はやめよ。」

ヘルムは答えず、ただ静かに愛剣「破邪の剣」を構えた。


資料にはない、佐藤の知らない世界が書かれていた。

「ありがとうございます!広報に送りますね。」

佐藤は疑問を持たず広報に送る。


「あっ黒川さん。仕事終わり時間あります…?いい機会なんでご飯でも一緒に…。」

黒川は少し驚いた顔をした。

「…デートですか?」

「いや!黒川さんと2人であんまり話さないんで、親睦を兼ねて…。」

「…いいですよ。私、お酒強いですよ。」

「今日はお酒はなしです!」

黒川は嬉しそうに少し微笑んだ。


次の日

「2人ともただいまー。一杯お土産買ってきたよー!」

課長が出張から帰ってきた。

「どうだった?2人でも大丈夫だったでしょ?」

佐藤と黒川が少し目を合わせた後、

「「はい。」」

2人で同時に返事をした。



第43話 営業所が増えるわけ


佐藤は課長が買ってきた「博多◯りもん」を食べながら課長に聞く。

「どうでしたか九州出張は?」

「よかったよー。営業所の場所はほとんど決まってたから、ほぼ王様へのお土産買いに行ったようなもんだったよ笑」

明太子に、豚骨ラーメン、カステラなど、ほとんど食べ物だ。


課長は黒川さんには「くま◯ん」のぬいぐるみを買ってきていた。

「…ギュッ」

どうやら気に入ったようだ。


「これで、営業所の資金援助して貰えるんですか?」

「大丈夫だよ。王様食べるの好きだから!」

それでいいのか王様…。


「どうやって向こうの世界に送るんですか?」

「まだ、見たことなかったっけ?ちょっと待っててね」

課長は部屋の隅に置いてあった絨毯を広げる。

それには魔法陣のような物が書いてある。

「この上にお土産を置いて…。真ん中に魔石をセットすると…!」

魔石を置くと魔法陣が光だし、一瞬でお土産が消えた。

「これでおしまい。」

「人とかも送れるんですか?」

「人を送ろうとすると…。」

「…すると?」

「多分、魔力が足りなくて次元の狭間に取り残されるんじゃないかな?」

課長はさらっと怖いことを言った。


後日


「王様から返事きたよー。明太子また送ってくれって。後、北海道のもの食べたいから、北海道に営業所作ればだって。」

こうしてキングスカンパニーは営業地域を広げて行く。



第44話 ボーナス


「2人ともお疲れ様!今回のボーナスは向こうの査定で出してみたよ!」

「課長聞いてないんですが…。」

「腕輪の時に言ったと思うけど…。佐藤くんも腕輪で能力上がってるから大丈夫!」

何が大丈夫なんだろう…。


「先に改めて見てもらった佐藤くんのステータスみよう!」

力4、技3+1、知4、速3+1、魔0+1

「本当だ!上がってますね!」

(もっと全体的に上がるはすなんだけどな…喜んでるし、黙っておこう)


「それでこれがボーナス!」

袋を渡され、中を見ると金貨1枚…。

「いくらぐらいなんですか?これ…。」

「今、金が高騰してるから30万ぐらいかな…。」

去年よりもボーナスの額は下がってる…。


「私は…金貨3枚だね…。」

向こうの査定は厳しい。


「黒川さんは…。…はい。」

黒川さんには、金貨いっぱいの袋が渡された。

「イエーイ」

「おかしくないですか?!課長が3枚なのに!」

「黒川さん、全体的にステータス高いし、スキル持ちだから…。」

黒川さんはホクホク顔で金貨を数えてる。

佐藤は向こうのルールを適用するのは無理だと思った。



第45話 黒川さんのスキル


ボーナスを貰った黒川は、自分のデスクの横に、

ハイスペックゲーミングデスクトップ、

3画面液晶、

カラフルに光るマウス・キーボード・ヘッドセット、

昇降可能デスクにゲーミングチェアを設置していた。


「…ゲーム配信者の装備ですよ。これ…。」

「…まぁ、私物持ってきちゃダメなわけじゃないから…。」

異世界課を私物化してるような…。


「あれだけボーナス貰えるって、黒川さんどんなスキル持ちなんですかね…?」

「黒塗りしてあって、私もわからないよ。」


黒川さんに直接聞いてみた。

「黒川さんはどんなスキル持ちなんですか?」

「世界が変わるスキル…。」

「…今は使いたくないので、秘密です。」

慣れてないウィンクに、口元に指を添えて、ちょっと可愛く言われた。

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