八方塞がり一開き
動かなくなっている身体を持ち上げ、一歩一歩、町の外に出る方向へと進む。
そこそこ年上だったからだろうか、それは、俺にとって相当重かった。それでも外の方へ外の方へと進む。さいわい、場所は町の内と外の境界に近かったため移動距離は少なく済んだ。
早速、町から出てすぐ近くの森にそれを投げ捨て、軽くなった身体で町から遠く離れられる方向へ行った。しかしながら寝床がない。人間の町はあれしか無いうえに、機械の町では人間の宿泊は許されていない。つまり野宿するしか生きる術はない。もちろんその野宿は、野犬やその他野生生物に襲われない保証がないため安全とは言えない。
それでも町へ戻るわけにはいかなかった。戻れば少なくともそこにいる人は脅しの材料に、最悪の場合は全滅。
では、どこへ向かおうか。
どこへ向かえど敵に敵。もはや追手が来たらそこでさっさと死んでしまうことが正解にも思えてしまう。
とりあえずで町から離れるように動きたい思いは変わらない。
正しい道は通れない。
初めての町の外で、道の外れ、もちろん誰とも会うことはない。
そのはずだった。そのつもりだった。それ以外あり得なかった。機械達は道の左右中央をレールの上に乗ったようにしか進まず、転生者たちはそもそも町と町の間を歩かない。
「よくも炎更木を殺してくれたな。人間風情が調子に乗るな。」
そんな声が道の外れ、木々の間に響き渡った。
「今からころ」
声はプツリと切れた。
「敵じゃないから出ておいでよ。ほら、君を害そうとした者を殺してあげたよ。」
今度は別の男の声だ。そしてその声は、俺を誘いたいらしい。勘は罠だ、裏がある。そう告げていたが、それに頼る以外出来ることは無いし、する気も起らない。
そうして声の方へと動き、堂々と姿を現す。
23歳くらいだろうか。背はそこまで高くなく、ひょろっとした立ち姿に黒いローブ。疑うなと言う方が無理のある見て呉れの男は私を見るなり頭を下げた。
「私のために闘ってください!お願いします!!!人を連れてこれないと私が殺されるんです!!助けると思って!!!人間と転生者の関係なことはわかります。それでも!このままだと私が死んじゃうんです!!謝礼もあるので!!!お願いします!!!!!」
突然のことで驚いたが、この男は転生者でありながら人間の俺に助けを求めているのだ。こんなチャンスは二度とないだろう。
「好待遇を約束してくれるなら良い。」
私がそう呟くと、男はすぐに頭を上げて言った。
「では私の能力をお見せしましょう。不幸は嫌いですか?」
私が頷くと食い気味に、では不幸を無くしましょう、一生。そう言った。
男は能力を使った、かどうかは定かではないが曰く、使ったようだ。
「あとは城下町まで来て、"三途の紹介だ"と兵に伝えてください。そうすれば町へ入るでしょう。あ、言い忘れていましたが不幸と一緒に幸運も去ってしまったので注意してくださいね。では、また王城で!」
そして男ははるか上空へと消えた。
読んでいただきありがとうございます!!!
流石にペースが…。
…ですよね?
同感です




