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魔法で遊んでいた世間知らずな田舎者、都会に出たら怪物扱いされました  作者: 鳥助


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44/63

44.勝負

 昼食を急いで食べると、魔法訓練場まで移動してきた。二年生首席の女子生徒と私。それ以外にも見守ってくれる生徒がいた。


 みんなが見守る中、私たちは対峙している。女子生徒が見下すように腰に手を当てて言ってきた。


「逃げなかった度胸だけは許してあげるわ」


「えっ? だって、勝負は受けるって言いましたよね? 聞いてませんでした?」


「そう言うことを言ってるんじゃないわよ!」


 な、なんなんだ……この人。私はちゃんと勝負を受けるって言って、この人も承諾したのに……どうして逃げるって思ったんだろうか?


 都会の人……話が通じなくて怖い。


「あなたにはしっかりと上下関係というものを教えてあげるわ。下の者が上の者を敬うように、その心構えをね」


「えっと、そんな話じゃなかったですよね? ちゃんと覚えていますか?」


「覚えているわよ! なんなの、この子!」


 うぅ、まだ怒鳴られた。どうしてこんなに話は逸らすし、怒鳴るし……都会って魔境なんだって思った。


「この子と喋ってたら調子が狂うわ! さっさと勝負を始めましょう!」


「はい。どんな勝負にしますか?」


「もちろん、魔法で勝負よ。首席なんだから、それなりに魔法が使えるでしょう? お互いの魔法をぶつけ合って、残った方が勝ちって事にしましょう」


 魔法をぶつけ合う!? そんなこと、一度もしたことがない! えっ、どうしよう! わくわくしてきた!


「……どうして、そんなに嬉しそうなのよ」


「えへへ、初めての事なので嬉しくて」


「は? 初めて? 首席のあなたがそんなこともやったことないの? ……ふっ、私の勝ちね」


 勝利を確信した笑みを浮かべると、同級生の子たちが喜びの歓声を上げた。すると、クラスメイトたちから不安の声が上がる。


「おい、ユフィ……本当に大丈夫か? 本気、本気を出すんだ!」


「か、勝たないと……ひどい目に合っちゃうんだよ。呑気にしている場合じゃないよ! 全力でやって!」


「力を抜くんじゃねぇぞ! 絶対殺す気で行くんだ!」


 クラスメイトから熱い声援が飛ぶ。みんな、私のことを心配して、そんな事を言ってくれた。


 うん、その期待に応えるためにも、力を抜かずに全力で挑もう!


「どんな魔法を使いますか?」


「私が水、あなたが火よ。私があなたの火を消せば私の勝ち。あなたが私の水を消せばあなたの勝ち。分かりやすいでしょ?」


 なるほど、それは分かりやすい。片方が強かったら、片方が消える。だったら、力は抜いたらいけない。


 その時、クラスメイトからどよめきが起こった。きっと、私が勝つかどうか不安なのだろう。だから、私は強い口調で宣言する。


「皆さん、私に任せてください。全力で水を消して見せます」


 拳を握り、決意を言葉にした。すると、クラスメイトからヒュッと息を呑む音が聞こえ――。


「だ、ダメッ! ダメよ、ユフィ! 力、力を抜いて!」


「馬鹿か! 全力を出してどうする!? 魔法訓練所を溶かす気か!」


「ああああ危ないよ、ユフィちゃん! 全力は出したらダメー!」


 三人もクラスメイトも慌てて様子で声を上げた。必死になって声援を送ってくれるなんて……。


「大丈夫です、絶対に勝ちますから」


 そう言って、私は女子生徒と向かい合った。


「ふふっ、身の程を知る時が来たようね。必ずあなたに分からせてあげるわ!」


 女子生徒が杖を構えると、魔力の高まりを感じた。体中から魔力があふれ出し、それが杖に伝わる。


「言っとくけれど、私――水魔法が一番得意なのよね」


 不敵に笑い、杖から魔法が飛び出していく。すると、宙に急激に水流が生まれ、大きな球体になっていく。


 それはどんどん大きくなり、直径五メートルはあろうかという大きな球になった。


 それを見て、生徒たちは驚き、ざわついた。どうやら、これくらいの大きさなら驚かれるらしい。


「どう? 私の水魔法は? このレベルだったら、最上級生の六年生に匹敵するような力よ」


「あっ、なるほど……」


「驚いて、言葉も出なくなった? 負けを認めたらどう? あなたの負けは確定したんだから」


「いえ、大丈夫です」


「は?」


 私は手を上げると、魔力を引き出して宙に火魔法を出した。出したのは五十センチくらいの白い炎。


「ぷっ、何よその小さい火! そんな火で私の水球を消せるとでも思っているの!?」


「えっと、初めてなので上手くいくか分かりませんが、今出せる火力を出しました」


「ふふっ、いいわ! だったら、そのトロ火――消してあげるわ!」


 女子生徒が杖を振り下ろすと、水球は火に向かって飛んできた。そして、接触後――ブワッと勢いよく水蒸気が立ち乗った。


「――へ?」


 そこにあった水球が一瞬で消え、白い小さな火だけが残っていた。

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― 新着の感想 ―
白い炎て…何で火力下げとんねん。(赤→オレンジ→白→青)ソレより水蒸気爆発起こらんで良かった、(高温の火に水を掛けると瞬間的に蒸発して爆発的広範囲に高温の蒸気が広がり火傷などの被害が起こる)魔法だから…
火魔法を全力で!(蒸発)
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