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魔法で遊んでいた世間知らずな田舎者、都会に出たら怪物扱いされました  作者: 鳥助


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3.出願受付

「うわぁ、凄い! 人がいっぱい!」


 王都ギゼッセルの中に入ると、初めて見る世界が広がっていた。たくさんの高い建物、数えきれないほどの人。見たことないものばかりでとても興奮した。


「そんなに珍しい? 本当に初めて田舎から出てきたのね」


「あっ、すいません、騒がしくしてしまって……」


「いいのよ。喜んでもらえると、私も楽しくなるから」


 ロゼリア様は微笑みながらそう言ってくれた。お貴族様だから、気難しいと思っていたが、とても優しくてホッとした。


 馬車の中から外を眺めていると、急に馬車が止まった。


「お待たせ。目的地に着いたわよ」


「あっ、ありがとうございます!」


 ロゼリア様が先に降りると、私も後に続いた。着いたのは、こじんまりとした建物。他の建物が大きいから、小さいと心が落ち着く。


 その建物に入ると、すぐ人がいた。


「ようこそ。ここは王立グランセリア魔法学園の出願受付場になります。お二人とも、出願しますか?」


「私は出願を済んだからいいから、この子をお願い。田舎から出てきたみたいで、何も知らないみたいなの。ちゃんと、教えてあげてくれるかしら」


「はい、お任せください」


 私がボーッとしている間に話がどんどん進んでいく。そわそわしながら立っていると、ロゼリア様が扉に近づいた。


「じゃあ、私はここまでね。お互い、試験を頑張りましょう」


「あっ、はい! あの、優しくしてくださってありがとうございました!」


「いいのよ。馬車の中は久しぶりに楽しかったし、そのお礼よ」


 ニコリと微笑むと、ロゼリア様は建物を出ていった。きっと、ここでお別れだろうと思うと、ちょっとだけ寂しくなる。


「じゃあ、君はこっちにきて」


「あっ、はい!」


 係の人が誘導してくれると、一室に通された。長机にいくつもの椅子が設置されている。


「じゃあ、ここに座って、この書類に必要事項を書いて」


「わ、分かりました」


 紙とペンを渡されると、ちゃんと読みながら書いていった。


「うん、ちゃんと書けているね。じゃあ、最後に試験だ」


「えっ……これで終わりじゃないんですか?」


「まぁ、魔力がないと学園に入学しても授業についていけないからね。その適正があるかどうか、事前に調べるんだよ」


 確かに、魔力がないと入学しても無意味だ。ど、どうしよう……合格するかな?


 係の人が棚に近づくと、一つの小石を差し出した。それは透明の石で初めて見る。


「これは魔石と言って、魔力を含ませることが出来るんだ。これで、君の魔力量を計りたい」


「はぁ……どうやって魔力を籠めればいいですか?」


「そ、それも初めてなの? 大丈夫?」


「す、すいません! 田舎から出てきたばかりで、本当に何も分からないんです!」


 うぅ、魔法使いはそんなこと教えてくれなかった。田舎には魔石がなかったし、どうやっていいか分からない。難しいことを言われたら、どうしよう……。


「だ、大丈夫。じゃあ、やり方を教えるね。この魔石を触って、自分の魔力を魔石の方に動かすんだ。そうすると、その魔石は魔力を吸ってくれるはずだから」


「……なるほど?」


「落ち着いてやれば、きっとできるよ。自信を持って。魔石を壊す勢いでやるんだよ。まぁ、そう簡単には壊れないから安心してね」


 魔石を壊す勢い? それだけ魔力を籠めろっていうことなのだろうか?


 魔石を手渡されると、それを机の上に置き、指先をくっつけた。


「じゃあ、魔力を――」


 パリンッ!


「込めて……えっ?」


「あっ、割れました」


「えっ、えぇーーーーーっ!? こ、これ……割れないように細工されているんだけど!」


「えっ!? 割ったらダメだったんですか!?」


「いや、そうじゃないんだけど! これは既定の量に達すると、自動的に魔力が外に漏れる仕様なんだよ。だから、割れることはないんだけど、どうしてこんなことが出来たの!?」


 慌てたように身を乗り出す係の人に向かって、私は慌てたように説明をした。


「魔力が外に漏れる仕様の部分を止めて、魔力が一瞬で膨張するように流したんですが……」


「仕様を……止めた? そ、そんなことが出来るの?」


「はい。その仕様が働かなくなるように、瞬間的に魔力を流しました」


「そ、そんなことが……? いや、魔石を出して、すぐにそんなことが分かるの? 一分もなかったよ?」


「えっと、はい……」


 魔石を出した瞬間から解析をしたから、それは可能だった。私にとっては未知のものだったから、ちゃんと分かってからやりたかっただけだから……。


「あの……試験は合格ですか?」


「えっ!? あっ、あぁ! 合格だよ!」


「そ、そうですか……」


 その言葉を聞いて、とてもホッとした。なんとか、魔法使いとの約束は果たせそうだ。

お読みいただきありがとうございます。

明日からの更新はしばらくの間【12:20】【18:20】の二回更新を行います。

どこまで二回更新が出来るか分かりませんが(一週間分しかないので……)、ぜひ、評価&ブクマで応援してくださると嬉しいです。

よろしくお願いします!

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