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婚約者の騎士様に放置されたので異世界で日本酒を楽しみます~本当に好きなお相手とどうぞお幸せに~  作者: 千早 朔


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刺激的な美味しさで食欲が増します!

「最後はこちら、冷やした緑茶と日本酒のコラボレーション! おすすめのフードは水羊羹っていう、この国の伝統的なお菓子の一種だよ」


「え!? このつるりとした黒いモノはお菓子なのですか!?」


「そうそう! 小豆っていう豆を使って作るんだけど、つるっとした食感と深い甘味が緑茶とよく合うんだよねえ」


 さ、リアナちゃん。

 香穂様はパチリと手を合わせ、


「好きなお酒とお料理を選んで!」


「私が選んでいいのですか? 来店の権利を得た香穂様からお決めになられたほうが」


「アタシはどれでも美味しくいただけるから大丈夫! 突然付き合わせちゃったんだし、リアナちゃん優先で!」


(どっ、どうしよう)


 香穂様の推しであるノア様のお酒とお食事は、香穂様にお渡しするとして。

 辰彦様は、どちらがお好きなのかしら。


 男性は甘味よりも"マーボードウフ"を好むように思えるけれど、辛いモノが苦手だったとしたら、ノア様のお料理が辰彦様の元へ行ってしまうでしょうし……。

 かといって甘味をお渡ししては、物足りない可能性も……。


「俺から提案なんだけど」


 辰彦様がすっと手を上げ、


「せっかくだし、リアナさんが平気なら、全部の料理を少しずつ試してみたらいいんじゃないか? 飲み物だけは選んでもらわないとだけど」


「あ! その手があった……!」


 香穂様は勢い良く部屋を飛び出していき――瞬く間に戻ってくる。


「取り皿もらってきた! リアナちゃん、好きなだけ取っちゃって!」


「いけそうなら、全部食べてくれてもいいかんな。追加注文すればいいだけだし、俺達は別のトコでも同じ料理は食べれるし」


 礼を告げて取り皿を受け取り、ありがたくお料理を少しずつお皿に乗せる。

 夕食を済ませてきたからお腹は空いていないのに、やっぱり、どのお料理も味が気になってしまうから。


 飲み物は、日本酒に緑茶を注いだ一杯を選ばせてもらった。

 香穂様はノア様のジンジャーエールのグラスを、辰彦様は、山椒のグラスをそれぞれ手に取る。


「それじゃ、ノアくんのコラボカラオケを祝して、乾杯ー!」


 三人でグラスを掲げ、口につける。


(わ……緑茶のほんのりとした苦味に、日本酒の優しい甘味がよく合うわ)


 お酒なのだけれど、ほっと心が和む味わいね。


(次はお料理を)


 たしかこの"カラアゲ"は、鶏肉だと言っていたっけ。

 木製のハシで茶色くゴツゴツとした見た目のそれを摘まみ上げると、どうやら少し硬いみたい。


(この程度の大きさなら……香穂様も辰彦様も寛容だし、一口で食べてしまっていいわよね)


 自国ならば絶対に出来ないほどに口を広げ、ぱくりと一気に口内へ。


(! サクッとしたのに、肉汁が弾けてくる……っ!)


 噛むたびにじゅわりと油が溢れるジューシーな肉は、プリっと弾力があって柔らかい。

 豊かな香ばしさと、しっかりとした塩味を堪能して、お酒を飲み込む。


(ん、お茶と合わさっているからか、お肉の脂もさっぱりさせてくれるわ)


 たしかこの"カラアゲ"には、香穂様のお酒がオススメとされていたけれど……。


「んー! にごり酒ジンジャーエールが油をスパっと切ってくれて、どっちも美味しいー! ノアくんっぽい!」


(ふふ、香穂様が嬉しそうで良かった)


 と、辰彦様も"マーボードウフ"を口にして、


「あー……米が欲しい。リアナさん、そっち選んでおいて正解かも。こっちの酒、美味いけど炭酸だし山椒だしでまあまあ痺れ感があるから、慣れてないとビックリしそう。麻婆豆腐も辛めだしな」


「そ、そうなのですね」


 ゴクリと喉を鳴らしつつ小さなスプーンを手にして、緊張と共に"マーボードウフ"を食む。


(わ、辛い! けど、ほろっと崩れるトウフと奥深い旨味がたまらないわ……!)


 舌と唇からピリピリとした刺激を感じつつ、お酒を含む。

 熱を和らげてくれる冷たさと、ほんのりとした甘さが心地いいわ。


「大丈夫だった? リアナちゃん」


 心配げなお二人に、「はい」と頷いて、


「どちらのお料理も刺激的な美味しさで、口にするほどに食欲が増すような心地がします。それに、日本酒との相性もそうですが、冷えたお茶がこんなにも美味しいのだと初めて知りました」


「え? 冷えたお茶を飲んだことがなかったの!?」


「"冷めた"お茶なら経験がありますが、こうして意図的にしっかりと冷やしたお茶はなくって。近頃は夏にワインを冷やす方が増えてきましたが、お紅茶は必ず温かな状態で飲むものとしか。……氷を含め、急速に冷やす方法がまだ広く普及されていないのも要因のひとつだと思います。水を入れて冷やすのでは、薄まってしまいますし」


 よく見れば、このお酒に入っている氷も緑茶と同じ色をしている。

 なるほど。こうやって凍らせたお茶を入れることが出来れば、味が薄まらずに最後まで味わえるのね。

ここまでお付き合いくださり、ありがとうございます!

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