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宝石竜と赤い瞳の王子  作者: 森谷玻乃
アスター魔法学校 3年後期
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「僕は別にいつも通り教室に居れば良いんじゃない?」

 と、翠玉が言った。

「だが、未だ黄玉が狙われた理由が、宝石竜だからなのか、魔石を作れるからなのかが不明なままだ。念の為、翠玉も安全なところに居た方が良いだろう」

 と、ガーネットが言った。

「う〜ん、でも、同じように町の中に居たのに、姉さんが狙われて僕の方は何も無かったってことは、魔石が作れるから狙われたっていう方が確率高いよね。姉さんが魔石を投げつけられて転移した先も、魔導具と魔石の研究機関だったし」

 と、翠玉が言った。

「だが、宝石竜に万が一のことがあってはいけない。だから、翠玉も避難してほしい」

 と、ガーネットは言った。

「それは別に良いけど、何処に?」

「城の自室だ。城には護衛もいる。黄玉は、レムリア先生と共に研究室に居てほしいが、城に避難しても構わない」

 と、ガーネットが言った。

「私達の方は黄玉がクリアシールドを使えるからな。それに、空間魔法を阻害する魔導具も学校に設置されている。研究室に閉じこもっていれば問題無いだろう。というより、研究室にも守らなければならない資料がたくさんあるからな。私達が研究室を離れる方が問題かもしれない」

 と、レムリア先生が言った。


「翠玉、念の為、これ持ってて」

 と、私はクリアシールドを付与した魔石を翠玉に渡した。

「わかった。ありがとう」

 と言って、翠玉は受け取った。



「翠玉!ガーネット!レムリアがまた自分の部屋の片付けをあるじに頼んでたぞ!」

 と、いきなりルリタマが出てきて言った。

「…またか」

「レムリア先生、自室の片付けはご自分でお願いします、と長期休暇前にも言いましたよね」

 と、翠玉とガーネットは呆れたように言った。

「言われたのは覚えている。しかし、トキワの水魔法と風魔法での洗濯の様子を見て、洗濯しなければならないローブが溜まっていると話したら、黄玉が、今から片付ける!と言うのでつい頼ってしまった。済まなかった」

 と、レムリア先生は言った。

「姉さんもレムリア先生を甘やかさないで、自分でさせなよ」

 と、翠玉に言われた。

「うん。でも、レムリア先生が生活に困ったら、私も助手の仕事や研究ができなくて困る。それに、ローブはよくレムリア先生が研究室に何着も持ってきて、“黄玉、洗濯を頼む”と言われるから、またどうせそう言われるなら、私が行ってまとめて洗濯した方が早いかと思って」

 と、私が言うと、

「ちょっと待って。黄玉さん、レムリアのローブの洗濯、いつも黄玉さんがしているの?」

 と、リシア先生に尋ねられた。

「ローブは大体しているかな。他の普段着とかは頼まれたことは無いけど」

 と、私が言うと、

「レムリア!ローブも黄玉さんに頼まないでちゃんと洗濯に出しなさい!寮では洗濯をしてくれる専門の方がいるのだから、そちらに頼んで頂戴!」

 と、リシア先生が怒った。

「普段着などは全てそちらに洗濯に出している。だが、ローブは他の服より洗濯の頻度が高くなくても良いからな。つい出し忘れて溜まっていく。だから、研究室に持って行って、まとめて黄玉に洗濯してもらっている。私は魔石用の石を拾いに行ったり、魔法の実験場に行ったりと、ローブを仕事中に汚すことが多いからな。研究室に着替え用の場所を作って、そこにも何着かローブを置いているんだが、そこのローブも洗濯に持って行くのを忘れる。黄玉はそれもよくわかっているから、たまに洗濯物があるかどうかを聞いて、あればあっという間に洗濯して乾燥までしてくれる。とても便利でありがたい」

 と、レムリア先生は言った。


「…これはもう、ローブの洗濯は姉さんに任せたら?」

 と、翠玉が呆れて言った。

「ローブの洗濯くらいは別に使う魔力量も多くないし、自分達や城の衣装の洗濯よりは楽だし。洗うときに気をつけないといけない飾りもないし、傷付きやすい生地でもないし。今のままでも構わないけど」

 と、私が言うと、

「黄玉とレムリア先生、互いに納得しているなら良いですが、黄玉に無理はさせないで下さい」

 と、ガーネットが言った。

「わかっている。それは気をつける。…部屋の片付けくらいは黄玉に頼まないように、いや、頼むにしても年に1回くらいになるようにする」

 と、レムリア先生が言うと、

「黄玉さんに頼まないようにする、と言い切って頂戴…」

 と、リシア先生が呆れている。

「それは無理だ」

 と、レムリア先生が言うと、

「…そこは言い切るんだ」

 と、翠玉も呆れている。


「私のローブの洗濯についての話はこれくらいにしておいてくれ。さて、気になっていたのだが、先日私のところに、翠玉からの指示で黄玉の侍女が来て、私の魔法の実験場を使わせてほしいと依頼された。特に断る理由は無かったから使って良いと返事をして、後日、黄玉達と共に実験場を見に行ったら、大規模な魔法がいくつも使われた跡があった。ついつい、その観察に熱中して、何故黄玉がそれだけの魔法を発動させる程怒っていたのか、理由を聞きそびれていた。良ければ、怒っていた理由を教えてもらえないか?」

 と、レムリア先生に尋ねられた。

「そういえば、姉さんを休ませるために実験場を貸してほしい、と頼んだけど、何で休む必要があるのかについては伝えてなかったね」

 と翠玉は言って、魔導具や魔石の研究機関で、レムリア先生や私と翠玉の侍従達が、貴族達の間で悪く噂されていることや、レムリア先生達が私を利用しようと何か企んでいるのではないか、という想像を聞かされて怒っていた、と説明した。


「姉さんから明らかに魔力が出てたし、周りでバチバチ音がしてたし、そのまま放っておくと、そのうち思いもよらないところで大規模な魔法が発動して大変なことになるから、早めに休んでもらおうと思って実験場を借りたんだ。説明が遅くなってごめん」

 と、翠玉が言った。

「実験場の地面を焦がしたり岩だらけにしたりしてごめんなさい」

 と、私も謝った。

「実験場は魔法を使ってみるためにある。だからどんな状態にしても構わないぞ。どんどん魔法を使って、使い終えた後の状態だけでも観察させてくれ!」

 と、レムリア先生は言った。



「黄玉様も、魔力を抑えることを止めただけで多くの魔法が発動するような怒り方をなさることがあるのですね」

 と、ニールス先生に言われた。

「それはあるよ。たまにだけどね。姉さんは僕より魔力量も多いし、使える魔法の種類も多いから、その場と周辺の環境が変わることがある。実験場みたいな、いくら魔法を使っても良いところがあって助かったよ」

 と、翠玉が言った。

「私も昨日、レムリアにお願いして実験場を見せてもらったのだけど、あちこち岩だらけで一部は沼のようになっていて、実験場の様子が一変していたわ」

「僕も昨日見ました。黄玉様と翠玉様を怒らせることをしないよう、気をつけようと思いました」

 と、リシア先生とニールス先生が言った。

「今まで通り、助手をしてもらったり手伝ってもらったりすれば良いだろう。リシアもニールスも気にし過ぎだ。何せ、この中で一番黄玉と翠玉に怒られているのは私だが、未だに一度も魔力が抑えられなくなるような怒らせ方をしたことは無いからな」

 と、レムリア先生が言った。

「レムリアは少しは反省して頂戴。そこで開き直っては駄目よ。自室くらいは自分で片付けて」

「…努力する。だから、片付けの話についてはこれくらいにしてくれ、リシア」

 リシア先生に怒られて、レムリア先生が困っている。

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