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宝石竜と赤い瞳の王子  作者: 森谷玻乃
夏の長期休暇 3年生
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 ルリタマの説明に、トキワが頷いたのを見て、ガーネットは、

「そうか。此処は魔力溜まりと違い、周りに魔力が少ないから魔石を使い始めたのか。…魔力溜まりにいる植物の魔物は、魔力を得過ぎたらどうしているんだ?」

 と尋ねた。

「実をつけて、実の中に溜めてるぞ。実を食べると、甘いし魔力もいっぱいでおいしいぞ!」

 と、ルリタマが言った。

「トキワも実に魔力を溜めることもできるのか?」

 と、ガーネットが尋ねると、トキワは頷いた。

「でもでも、実に溜めた魔力は時間が経つと実がしおれて落ちて、無駄になることも多いぞ。トキワの、魔石に魔力を溜めるって方法の方が、無駄になる魔力は少なくて済むぞ!」

 と、ルリタマが言った。

「そうなのか。植物の魔物の実は、時間が経つとしおれて落ちて駄目になってしまうのか。落ちた実から芽が出ることはないのか?」

「たまにあるぞ。でもでも、芽が出ることは少ないぞ。あまり植物の魔物が増えすぎると、魔力溜まりの魔力を消費しすぎてそこが魔力溜まりじゃなくなるから、増えすぎないようになってるんじゃないかー?ボクにはその辺、よくわからないぞ。他に質問あるかー?」

「今は思いつかない。色々と、教えてくれてありがとう」

 とガーネットが言うと、

「どういたしましてだぞ!」

 と、ルリタマが言った。

「ルリタマ、トキワ、今の話もメモしてリシア先生に見せて良い?」

 と、私が尋ねると、

「いいぞ!いちおう、レムリアにも見せてからリシアに渡した方がいいぞ」

 とルリタマが言って、トキワも頷いた。

「わかった。レムリア先生に見せてから、リシア先生に渡すね」

 と私は言った。



 夕方。

 国王陛下と王妃殿下と夕食をご一緒するため、ガーネットはテオと共に別室に着替えに行った。


「今回の長期休暇はあっという間だった気がする」

 と、翠玉が言った。

「うん。それに最後の方、色々とあったせいで忙しかったし。まあ、私は最初の方もファセリアさんの鑑定の仕事を手伝っていて忙しかったんだけど」

 と、私は答えた。

「明日から皆様が学校へ通われるので、俺達は仕事がほぼ休みです。…ちょっと退屈ですね」

 と、ミランが言った。

「休みだから楽なんじゃないの?」

 と、翠玉が尋ねると、

「いやー、皆様と一緒だと色々と起こりますし、普段見ない魔法を観察できますし、ルリタマ様やトキワ様のような普段まずお目にかかることのない方々ともお会いできますし、仕事してる方が楽しいですね。仕事内容も楽ですし」

 と、ミランは言った。

「私達が学校に通っている間、侍従の仕事も護衛の仕事も基本的に休みだけど、外に石を拾いに行くときとか、ファセリアさんの鑑定の仕事を手伝うときとかに、何かお願いすることになると思う。そのときはよろしくね」

 と私が言うと、

「はい。畏まりました。そのときはテオも共に参りますので、いつでもお声掛け下さい」

 とメルが言って、ロルーナも一礼した。

「ミランも暇なときは姉さんを手伝うか護衛してほしいんだけど」

 と翠玉が言うと、

「畏まりました」

 と、ミランは一礼した。

「石を拾いに行くとき、レムリア先生が危ないところに行かないよう見ててほしいな」

 と私が言うと、

「…レムリア先生を止めるんですか。それは中々大変そうな仕事ですね」

 と苦笑いされた。



 話しているうちにガーネットが戻ってきたので、私達は護衛と共に城の中を移動した。

 案内された部屋の中に、私と翠玉とガーネットだけで入ると、中には既に陛下と殿下がおられた。

「お越し頂きありがとうございます」

「ごきげんよう。お会いできて嬉しく存じますわ」

 と、お2人が仰ったので、私達も挨拶を返して、勧められた席に就き、まずは食事をした。


 食事を終えて、全員にお茶が配られ、給仕が退室してから、陛下は、

「黄玉様と翠玉様、ガーネットの侍従全員と、フラムとその部下数名に、黄玉様と翠玉様、レムリア・フローライト伯爵令嬢を護衛するために様々な場所へ入れるよう、特別な許可を与えておりますので、何か心配なことがあるときには護衛としてお連れ下さい。与えたのは、学校の敷地内や王族が管理する森、神殿の一部に入ることができる許可です。ただ、神殿の資料室だけは、護衛の立ち入りも禁じておりますので、そこだけは黄玉様と翠玉様、ニールス・エメラルド公爵令息のみ立ち入りが可能です」

 と仰った。

「わかりました。ご配慮頂き、ありがとうございます」

 と私は言った。


「黄玉様。これから城内では、調度品に破損など無いかを調べながら大掃除がおこなわれますの。そのことで、ファセリア鑑定師からお仕事の依頼があるかもしれませんわ。もし、お仕事をお願いするときは、学校のレムリア・フローライト伯爵令嬢へお手紙でお知らせ致しますから、無理の無い範囲でお手伝い頂くことはできますか?」

 と、殿下に尋ねられた。

「はい。私もレムリア先生も、ファセリアさんのお手伝いは鑑定のスキルを鍛えられるので、ぜひ積極的にお受けしたいと考えています。なので、知らせて頂ければできる限り手伝います」

 と私は言った。

「ありがとうございます!ファセリア鑑定師にも伝えておきますわ」

 と、殿下は仰った。


「ガーネット。黄玉様や翠玉様、レムリア・フローライト伯爵令嬢への護衛などは全て此方で手配する。だから、そちらは心配せず、勉強や学校生活を楽しんでほしい。何か心配なことがあれば、いつでも相談するように」

 と、陛下が仰ると、

「はい。ありがとうございます、父上」

 と、ガーネットは言った。

「次に会うのは陛下のお誕生日を祝う会のときかしら。…そうそう!黄玉様、お祝いの会の衣装は如何なさいますか?」

 と、殿下に尋ねられた。

「先日のエメラルド公爵領で開かれた会で着た衣装か、城からお借りするか、どちらかにします」

 と、私が言うと、

「わかりました。もし、何か注文なさるときは遠慮無くご相談下さいね」

 と、殿下は仰ってから、

「翠玉様とガーネットは如何なさいますの?」

 と、2人に尋ねた。

「僕も持っている物の中から選ぶかな」

「私は既に注文済みです」

 と、翠玉とガーネットはそれぞれ答えた。

「毎回思うんだけど、ガーネットは衣装をいつ注文してるの?」

 と、翠玉が尋ねた。

「テオに手配を頼んでいる。いくつか案を見せてもらって、そこから選ぶだけだから、少し暇ができたときに注文できる」

 と、ガーネットが言った。

「デザインはデザイナーに決めてもらってるの?」

「ああ。前の衣装の一部を再利用してデザインしたものを2〜3種類用意してもらい、その中から決めている」

「毎回再利用しているなら、ガーネットが持っている衣装って少ないの?」

「そうだな。それ程多くない」

 と、ガーネットが言うと、

「でも、昔のガーネットの衣装も少しは残してありますの。昔はこんなに小さかったのね、と私はたまに見ておりますの」

 と、殿下が仰った。

「母上。それらはずっと残しておくのですか?」

 と、ガーネットが何とも言えない表情をして尋ねた。

「大切な思い出ですもの。私がちゃんと保管しておくわ」

 と、殿下は微笑んで仰った。

「そういうのがあるのも良いことだと思うよ、ガーネット」

「そうだね。思い出の品って、大事にとっておこうと思っても、突然全て失うこともあるからね」

 と、私と翠玉が言うと、

「…そうか。わかった」

 と、ガーネットは頷いた。


「黄玉様も翠玉様も、学校で何かお困りの際はいつでもご相談下さい」

 と、陛下が仰ったので、

「ありがとうございます」

「ありがとう」

 と、私達は言った。

 話を終えて、陛下と殿下に挨拶をして退室した。

 護衛と共にそれぞれ自室に戻り、明日に備えて早めに休んだ。

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