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宝石竜と赤い瞳の王子  作者: 森谷玻乃
夏の長期休暇 3年生
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 旅行から帰ってきた翌日は、1日部屋の中で過ごした。

「俺は、旅行に持って行った荷物を片付ける。黄玉はどうする?」

「私は旅行先で着た衣装を綺麗にする。翠玉とガーネットの衣装も魔法で綺麗にしておいて良い?」

「うん。頼んだ」

「頼む。ありがとう」

「わかった。翠玉はどうする?」

「僕は邪魔にならないよう部屋に戻ってるよ。何か手伝えることがあったら呼んで。ミランは今日は僕のことは気にしなくて良いから、自分の荷物を片付けるとか休むとか、自由に過ごして」

 と言って、翠玉は自室に戻った。

「メルとロルーナも自由に過ごして。衣装の片付けも私がしておくから。メルとロルーナも旅行の荷物の片付けが色々とあるだろうし」

 と、私が言うと、

「畏まりました。何かございましたらいつでもお呼び下さい」

「お食事のご用意はさせて頂きます」

 と言って、2人は一礼した。

「テオも今日は自由に過ごしてくれ。俺は、自分の荷物は自分で片付ける」

 と、ガーネットが言うと、テオは一礼した。


 私も自室に戻り、マジックバッグに仕舞ってあった衣装を出して、汚れやしわを魔法で綺麗にして、「鑑定」を使って残った汚れや傷が無いかを確かめた。

 自分の衣装は自室のマジックタンスに仕舞って、翠玉とガーネットの衣装はマジックバッグにもう一度仕舞って、それぞれの部屋に持って行った。



 翌日。

「今日はちょっと町に行きたいんだけど」

 と、翠玉が言った。

「わかった。黄玉はどうする?」

「私も行く」

 と言って、皆で行くことにした。護衛にメルとテオ、ロルーナ、ミラン、騎士達も一緒に来てくれる。

 朝食を終えて、準備を終えてから町に向かった。

 歩きながら、

「何処か店に行くのか?」

 と、ガーネットに尋ねられた。

「昨日、自分のマジックバッグの中身を整理していたら、薬草がたくさんあったから、冒険者ギルドに依頼があったら納めて、それでも余るなら買い取ってもらおうと思って」

 と、翠玉が言った。

「私も。薬草が増えたから、少しマジックバッグの中身を減らしたい」

 と、私も答えた。

「そんなに多いなら、森で採集しなければ良いんじゃないか?」

 と、ガーネットに尋ねられた。

「いや、最近は採集してないよ。トキワが植物魔法の練習で薬草を育てたから、たくさん増えて…」

「僕も。たまにトキワの魔法の練習を見に行ったついでに植物魔法の練習用の薬草を渡してたら増えて…」

「そういう理由だったか」

「特に、姉さんがお手本として植物魔法を使って薬草を育てると、増える量が凄くて、あっという間に元の数倍の量になるから…」

 と、話しながら町の中の冒険者ギルドに向かった。


 冒険者ギルドの建物の中には、私と翠玉、ガーネット、メル、テオ、ロルーナ、ミランが入って、騎士達には外で待っていてもらった。

 薬草採集の依頼を見て、マジックバッグの中にある薬草を納められる依頼を受けて、カウンターに依頼と薬草を提出した。

 それでも余っている薬草は、ギルドに買い取ってもらった。

 私と翠玉が手続きをしている間、ガーネットとメル、テオ、ロルーナ、ミランは冒険者ギルドの中を見て回っている。

 用事を終えて外に出ると、

「冒険者ギルドの建物に初めて入りました。貴重な経験ができました」

 と、ミランが言った。

「冒険者ギルドには、冒険者以外は何か依頼があるときくらいしか入らないそうだからね。でも、別に誰でも出入りは自由だし、こういうところって情報が集まるから、たまに来ると面白いよ」

 と、翠玉が言った。


「この後どうする?」

 と、ガーネットに尋ねられた。

「ちょっと服を売ってる店を見たい」

「私も」

「わかった。それぞれわかれよう。俺は翠玉と一緒に行く。騎士達は翠玉と俺を護衛してくれ。メル、テオ、ロルーナ、ミラン、騎士1人は黄玉を護衛してほしい。買い物が終わったら、この冒険者ギルドの建物の前に集まろう」

 と、ガーネットが言って、私達はそれぞれ店に向かった。


 何軒か服を売っている店を見て回り、気に入った物を買って、翠玉達と合流するために冒険者ギルドに向かって歩き始めた。

「黄玉様や翠玉様は、デザイナーや職人を城に呼んで服を注文なさるだろうと思っていたのですが、ご自分で買いに行かれるのですね」

 と、ミランに言われた。

「うん。普段着る服は自分で買いに行くよ。1年に1回、買うかどうかだけど」


 話しながら歩いていると、

「ごきげんよう、黄玉様」

 と、急に声を掛けられた。

 すぐにメルとロルーナ、騎士が私の前に出た。

「どなたでしょうか?」

 と、メルが尋ねた。

「失礼しました。私、魔導具と魔石の研究機関の者です。本日、研究機関でお茶会がおこなわれるのです。こうしてお会いできたのも何かの縁、どうでしょう?参加して頂けませんか?」

 と尋ねられた。

「この後予定がございますのでお断りします」

 と、ロルーナが言った。

「少しだけでも良いのです。おいでになって、一言ご挨拶頂けませんか?」

「お断りします」

 と、ロルーナが言って、テオに促されて私がその場を離れようとした途端、私の持つ魔石のクリアシールドが発動し、

「黄玉様!」

 と、ミランの声がして、周りの景色が変わった。



 私は、魔石によって発動しているクリアシールドの内側に、改めて自分の魔力で物や魔法を防ぎ私達の声が外に漏れないクリアシールドを発動させてから、周りを確認した。

 すぐ隣にはミランがいる。でも、メルとテオ、ロルーナ、騎士は何処にもいない。

 何処かの部屋の中で、テーブルと椅子があり、テーブルの上にはお茶とお茶菓子が用意されている。

 部屋の中には数人、魔導具と魔石の研究機関の制服を着た人が居る。

 周りの様子は確認したので、まずは隣にいるミランに、

「お茶の用意がされているってことは、魔導具と魔石の研究機関の建物の中に転移させられたってことかな?」

 と尋ねた。

「恐らくそうだと思います。お守りできず、申し訳ございません」

 と、ミランは小声で言った。

「此方の声はこのクリアシールドの外に聞こえないようにしてあるから、普通に話して良いよ。ミランは私達が転移させられる前に何か気がついた?」

「何か小さな石のような物が飛んできたので、黄玉様に当たらないよう声を掛けながらおそばに行ったところでいつの間にか転移していました。近づいてくる人はいなかったので、どのように空間魔法が発動したのかはわかりません」


 私は、魔石によって発動しているクリアシールドを「鑑定」した。

「飛んできた物がぶつかる前に発動したクリアシールドを鑑定したら、魔石がぶつかった、という説明が出てきた。だから、空間魔法が付与された魔石が投げつけられたんだろうね。魔石が当たった物をこの部屋に転移させる、という条件で空間魔法が付与されていたんだと思う。魔石が飛んできたのを攻撃と認識して私の持つ魔石のクリアシールドが発動し、私とすぐそばに居たミランがクリアシールドに覆われて、まとめて転移させられた、ということだと思う」

 と、私はミランに説明して、クリアシールドの鑑定結果を紙に書き写した。

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