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「雪か。良いかもしれないが、此処は城から離れているから難しいんじゃないか?」
と、ガーネットが言った。
「う〜ん、たぶん大丈夫だと思う。明日、空間魔法を使ってみて、城と繋げられそうなら雪で遊ぼう」
と、私が言うと、
「やったぞ!ありがとうだぞ!」
と、ルリタマは喜んで飛び回っている。
「なにやら楽しそうなお話しをなさっておられますな」
と、国王陛下と王妃殿下がおいでになった。
「明日、黄玉が空間魔法を使ってみて、城と繋げられそうなら雪で遊ぼうと話しておりました」
と、ガーネットが言った。
「冬に集めておいた雪で遊ぶぞ!陛下と殿下も一緒に遊ぶぞ!」
と、ルリタマも言った。
「それは良いですな。ぜひご一緒したい」
「楽しそうですわ!ご一緒しても良いのであればぜひ!」
と、陛下と殿下は仰った。
「雪は冷たいので、周りに植物が無いところに出した方が良いと考えているのですが、どこか良い場所はあるでしょうか?」
と、私は尋ねた。
「館の近くに訓練場として使われている場所がありますので、そちらをお使い頂けるようにしておきます」
と、使用人の1人が答えてくれた。
「わかりました。ありがとうございます」
私達は、皆で夕食を摂って、それぞれ自室で休んだ。
翌日。
朝食の後、陛下と殿下、私、翠玉、ガーネットは館の近くにある訓練場に来た。
私はさっそく、「空間接続の扉」でこの場所と私の部屋を繋げた。
目の前に現れた引き戸の取っ手に手を掛けて開けると、目の前に私の部屋のマジックタンスが現れた。
「繋がったよ。雪を出すね」
と、私はマジックタンスに仕舞ってあった雪の一部を出した。
一部といっても量が多くて、あっという間に目の前に雪の山ができた。
「雪!雪だぞ!遊ぶぞ!」
と言って、ルリタマは雪の山に勢い良く飛んでいった。
今回は、城と離れているので、空間接続の扉を出したままにすると魔力の消費量が多い。
雪を十分出したら、扉は消した。
「夏にこれ程の雪を見られるとは、貴重な体験ですな」
と陛下が仰った。
「まだまだこれは保存してあるうちの一部だぞ!たくさん残ってるぞ!」
と、ルリタマが言うと、
「こんなにあるのにまだ一部ですの?冬に雪を集めるところは少しだけ拝見させて頂きましたけれど、それだけ集めるのは大変だったでしょう」
と、殿下が仰った。
「皆に集めてもらったおかげでこうして遊べるぞ!」
と言ってルリタマは、ぼすっと雪の山に飛び込んだ。
「ふっかふかの雪だぞ!…でもでも、雪まみれになると冷たいぞ。外は暑いけど、ボク、もう寒いぞ」
と言いながら、自慢のもふもふの毛を雪まみれにしたルリタマが出てきた。
私はルリタマについた雪を落とし、温風を魔法で出して乾かした。
いつも通りのもふもふに戻ったルリタマは、
「あるじありがとうだぞ!もう一回!」
と言って、また雪の山に飛び込んで雪まみれになった。
温風で温まっていたせいか、さっきよりもルリタマについた雪が多い。
「せっかく乾かしたのに…」
「まあいつものことだし。僕達も遊ぶか」
と翠玉が言って、皆で雪の山の方へ行った。
陛下と殿下も一緒に、遊んだり涼んだりして楽しんだ。
ルリタマは、雪の山に何度か飛び込んで、満足した後はトキワと一緒に雪で遊んでいる。
昼食の時間になり、雪の山もすいぶん低くなったので、私達は館に戻ることにした。
濡れた服やルリタマを魔法で乾かしてから館の中に入り、皆で昼食を摂った。
午後、私と翠玉とガーネットは、護衛と共に湖に行った。
ガーネットの許可を得てから、竜の姿に戻った。
ガーネットは、湖の中をじっと見ている。
『湖に落ちないように気をつけてね』
と、私がガーネットに念話で言うと、
「ああ。気をつける」
と、ガーネットは頷いた。
「あるじあるじ!湖!凍らせてほしいぞ!」
と言いながら、ルリタマがマジックバッグから出てきた。
『何で?』
「ちょっとおもしろそうだからだぞ!ボクが乗っても割れないくらいにしてほしいぞ!」
『う〜ん、凍らせると水も周りも冷えるから…。ルリタマが自分で水の上に飛んで行けば良いんじゃないの?』
「湖の真ん中の方の水の中がどうなっているのか見てみたいぞ!でもでも、水面の近くまで下がって飛ぶとうっかり水に落ちそうだぞ!あるじ、なんとかできないかー?」
『クリアシールドで湖の上に道を作って、見に行けるようにすれば良い?』
「いいぞ!ありがとうだぞ!」
私は、クリアシールドを使って湖の水面の上に道を作った。
ルリタマがうっかり落ちないよう、道の両端にもクリアシールドで壁を作っておいた。
できあがると、ルリタマは道の上を飛んでいって、湖の真ん中あたりでクリアシールドの上に降りた。
「水の中になんかいるぞ!魚っぽいぞ!…ボク、うっかり落ちたら魚に食べられそうだぞ」
と言いながら、ルリタマは下を見ている。
「黄玉。このクリアシールドの道は俺が乗っても大丈夫か?」
と、ガーネットに尋ねられた。
『うん。水の上に浮かべているわけじゃないから、乗っても平気だよ。気になるなら見てきたら?メル達も、気になるなら見てきてよ』
と私は言って、更に道の幅を広げて、両端の壁も高くした。
ガーネットとメル、テオ、ロルーナ、ミランはクリアシールドの上に乗って、湖の真ん中に向かった。
皆、湖の真ん中で下を向いて、水の中を眺めている。
トキワは、湖には興味が無いようで、クリアシールドの上には乗らず、私の周りを歩き回っている。
しばらく私の周りをぐるぐると回っていたトキワは、飽きたのか立ち止まってから、私の背中にある結晶をじーっと見始めた。
『結晶、ほしいの?』
と尋ねると、トキワは考えるように横に傾いた後、そのまま固まってしまった。
『トキワ、どうしたの?』
と、やりとりを見ていた翠玉に念話で尋ねられた。
『結晶をもらおうかどうしようか悩んでいるみたい』
『何に使うんだろう?』
と話していると、トキワは一度頷いて、私に向かって葉っぱを伸ばしてきた。
『結晶、ほしいの?』
ともう一度尋ねると、うんうんと頷いた。
どの結晶が良いかをトキワに選んでもらい、1つ、自分の背中から折り取ってトキワにあげた。
トキワは、結晶を葉っぱで受け取って、ぴょんぴょんと飛び跳ねて喜んでいる。
「…何をしているんだ?ってトキワ!その結晶は!」
と、湖の上から戻ってきたガーネットが驚いて言った。
『トキワがほしいって言っていたからあげたの』
と私が言うと、
「そんな簡単に…。まあ、いつものことではあるのだが、もう少し警戒を…。いや、相手はトキワだから警戒はしないか?だが…」
と、ガーネットが悩み始めてしまった。
トキワは、結晶を植木鉢の上に持って行くと、土の中に根っこを使って埋めてしまった。
『それ、何かに使うの?それとも仕舞ってあるだけ?』
と、私が尋ねると、
「トキワ、結晶を植木鉢に埋めておいて、あるじからもらった魔力を溜めておくそうだぞ!魔力を使ったときとか、結晶に溜めた魔力を食べるらしいぞ。根っこを結晶に巻きつけておくと、好きなときに魔力を溜めたり食べたりできるらしいぞ!」
と、ルリタマが説明してくれた。




