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家族

ん?なんだここは?


拓也が目をひらくと、そこには真っ白い天井があった。


病院なのか?


「んん、??」

「お!起きたのか!」


誰だこいつ?


「誰だこいつ?って顔してるなぁ!ハハハ!俺は佐伯だ!佐伯 勇次郎だ!今日からお前の父親だ!ハハハ!」


30前半くらいのこの男は笑いながら言った。


「………は?」

「いやいやだからね!俺!お前の!父親!オッケー?」


と、佐伯は黒い短髪の髪をごつい右手でかきあげ、格好をつけて言ってきた。

そんな事には目もくれず、拓也はハッと気づいたかのように慌てて聞いた。


「萌は!萌はどこにいる!」

「大丈夫だ、お前の大事な子ならちゃんと生きている。」


佐伯は、その整った顔にある優しそうな目を、急に鋭くして言ってきた。


「会いたいと言いたいんだろうが、それは駄目だ。」

「な、なぜだ!」

「お前は今恐ろしい力を体に宿している。我々が駆けつけた時お前は、もう人を殺していた。お前は神力に呑まれていたんだよ。」

「違う!俺がやったんだ!俺が自らの意志でうごいたんだ。」


そうだ!俺がやったんだ!俺が…


「だとしてもだ。お前はまだ力を制御出来てない。さらに、お前が大事にしていた子はどういう偶然か、お前と同じ神の力を宿している。あの赤い目のことだよ。二人共に力を制御してもらわねばならない。しかもお前の大事な子に至っては、さらにまずい。」


佐伯は、焦りの表情を浮かべて額に手をおいた。


「どういう事だ?」

「あの子の目の能力は、まだ良くわかってないがあの目で見られた者は、必ずと言っていいほど病院送り、もしくは……死んでいる。しかもそれを本人は無自覚で行っている。あの子もお前と同じように力を制御しなければならない。」

「!!!、なんだと!だが、俺はっ」

「死んでない、だろ?それはお前が神力を宿した、あの子と同等の存在だからだよ。お前の神力はお前が無意識なうちに、、、多分何か精神的な刺激を受けてから、発動してあの子の目の効果を打ち消していたんだろうな。」


俺は無能力者じゃなかったのか?俺は、俺は萌ともう一度会うためには、どうしたらいいんだ?


「俺はどうしたらいいんだ?」


拓也は、低い声で聞いた。


「お前の力を使いこなせるようになれ。あの子をまもれるくらいにな。今のお前にはあの子は守れない。…はっきり言って7歳のお前にはこれから相当な量の修行を積んでもらわなければならない。……覚悟はあるか?」


そういって佐伯は、低く唸るような声で聞いてきた。


「分かった。俺はお前を信じる。よろしく頼む。」


拓也は決意していた。


今度こそ、絶対に萌を守る。


「ならよし!ってか、俺はお前の父ちゃんなんだよ!父ちゃんってよんでよ!ねぇー!」

「あいにく俺は家族というものが嫌いなんだ。すまない。敬語で話せと言うならそうする。」


すると、佐伯はゴツゴツした右手を拓也の手の上において、優しくささやいた。


「今まで辛かったのは、お前の体をみれば分かる。俺はお前にひどい事なんてしない。お前は今日から生まれ変わるんだ。俺の息子として。」


そういうと佐伯は、拓也を優しく抱きしめた。

すると拓也の頬をなにかがつたい始めた。


「な、なんだよ!なんなんだよ!うぅぅ。」

「泣きたければ泣け!俺はこれからずっとお前の父さんなんだから!」

と言って抱きしめていた両手の力を、もっと強くした。すると拓也は何かが吹っ切れたように泣き始めた。


「うわぁぁぁぁぁぁ!!!うぅぅぅぅぅ!」

「よく頑張ってきたな!拓也!」

「と、父、さんって、呼んでいいの?」

「当たり前だろ!この野郎!お前は俺の大事な息子なんだよ!」

「うわあぁぁぁぁ!!父さぁぁぁぉん!!」


拓也は疲れ果てて眠るまで泣き叫んだ。


「………」

「寝たか、拓也これからは俺が守ってやるからな。」


佐伯は、優しく拓也黒い髪を撫でた。

そして拓也と萌は、それぞれ違う家へと送られ自分の力を抑えるため、そしてそれぞれを守るため常人では考えられないほどの修行を何度となくこなした。


そしてそれから、9年がたつのであった。




「父さん!いってくるよ!」

「おー!今日から学校だったな!お前はさぞかし嬉しいだろうな!でも、結婚なんかまだ認めんぞ!!」

「俺は娘じゃねぇよ!」


そう言って拓也はまとわりつく父親をどかし学校に走って行った。


「くれぐれも気をつけろよ!」

「わかってるよ!」



「気をつけてくれよ。」


拓也がいなくなり静まり返った家の中で佐伯は独り言をつぶやいた。


さぁ、いよいよ学園らしくなってきました!


次回からは、コメディとバトルと恋愛中心に頑張りたいと思います!


よろしくお願いします!

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