お世話になります
宜しくお願い致します。
あれからアラスロンさんと共に馬車に乗り、色々な話を聞きながら 宰相様宅に向かった。
無表情だけど、とても丁寧に答えてくれた。
まずは、ここの国の事。ここはアランディール国、北は険しい山、南は海のある比較的温暖な気候の国だそうだ。 治安は比較的良いが、貧困の格差はあるらしく、危険な地域もあるようだ。
何故か水回りは現代日本と変わりないが、電気、ガスは無いようだ。 だから馬車なのね、と納得した。
次は、人の事。この国の成人は16歳で、成人男性の平均身長は190㎝、女性も170㎝。デカイ。私が子供に間違われるのも仕方あらへんな、152㎝の身長じゃあな、と納得していたら、なんと、ストレートの髪は成人前迄の子供のみで、成人するとともに皆ウェーブのかかった髪になるそうだ。
あと、アラスロンさんは26歳、ラキスは25歳、ヒースは私と同じ22歳。
アラスロンさんには、弟が二人、シャベールさん21歳でヒースの第2騎士団福団長、クリスティン君14歳で、学生だそうだ。
「アラスロンさんのお仕事は何なんですか?」
「私は、父の元で宰相補佐をやっております。絵里様は働いてらっしゃたんですか?」
「もちろん、私はスタントマンといって、う~ん撮影って分からへんよな~…、そやなぁ、人の変わりに危ない行動をしたり、難しいアクションをしたり・・・ まあ、身体を動かす仕事やな!、それと、絵里様は止めて、絵里でええでな。」
「わたりました、絵里、私の事もアラスロンと。 絵里の仕事は私にはあまり理解出来ないようで申し訳なく思いますが、ただ、危ない行動はお止め頂きたく想うところです。こちらの世界には無いお仕事のようなので。」
「そうやな、怪我をしやんように日々、訓練しとるでな、心配せんでええよ。でも、ありがとうな、心配してくれるのは嬉しいよ。あと、こっちでも仕事を見つけやんとな。」
絵里は笑顔を向ける。絵里が笑顔を向けてもじっとこちらを見て、相変わらずなアラスロン。
(ああ、また絵里があの笑顔を向けてもくれた。やはり心が暖かくなる。このまま時が止まればいい。)
アラスロンの思いなど全然気付かない絵里は、(アラスロンはこの無表情が標準装備なんやな、う~ん、無性にこの整った顔を崩してみたい。いつか絶対崩してやる!) と、検討違いな事を思っていたのだった。
程なくすると、立派なお屋敷の前に馬車が到着。大きな扉の前には、ザ・執事な初老の男性。
「お帰りなさいませ。アラスロン様、絵里様。応接室で奥様がお待ちです。」
「ご苦労、セバスティン。さあ、絵里、行こうか。」
なんだ、名前セバスチャンじゃないんだ。と思いながらセバスティンさんに先導され、アラスロンの後ろを付いていく。通された部屋には、ピンクシルバーの髪を綺麗に結い上げ、エメラルドグリーンの瞳のこれまた迫力あるゴージャス美人が待ち構えていた。やはり大きい。
「キャー、可愛いわ!!!! 貴女が絵里ね。私はクロードの妻の、アメリアよ。宜しくね。それにしても本当に何て可愛いのかしら、22歳って聞いたけど、本当に? 家のクリスティンより小さいのね。それにとても痩せているわ。きちんと食べてるの?食べ物は何が好き?もっと食べて大きくならなくっちゃ! あ~ 嬉しい! もう一度子育てができそうだわ。それに念願の女の子でなんて。何て素敵なのかしら♪ ねえ、頭を撫でてのいいかしら? そのストレートの髪を触ってもいいかしら? 」
早口で、喋り始めたアメリアさんを止めてくれたのは、アラスロン。 執事のセバスティンさんはまた奥様が始まった・・みたいな遠い目をして、扉付近で佇んでいた。
「母上、落ち着いてください。絵里はあくまで我が家でお預かりさせていただく客人です。父からもそのように連絡があったかと思われますが… 勝手に子育てをしようと為さらないで下さい。もう、成人している女性す。」
「あら、そうだったわね。私ったら… オホホホ・・・ ご免なさい絵里さん、貴女が余りにも可愛いから。あ~でも、やっぱり駄目、可愛いわ、抱き締めさせてくれないかしら? 駄目?」
そんな期待に満ちた瞳で見ないで欲しい、ゴージャス美人の思わぬ可愛らしさに、知らずと絵里は頷いていた。
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