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私に構わんといて  作者: ぽっちゃま
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それぞれの思い 2

宜しくお願いいたします。

 ***** ヒースの思い


 俺は皇太子ラキスの弟だ。何でもそつなくこなす兄貴に比べ、唯一自慢出来るのは剣の腕のみ。それさえ兄貴と比べると互角だ。ましてや兄貴といる時は何時も二番手、誰だって兄貴を優先する。幼い頃はよく似ていると言われたが、同じ様に見られ、比べられ、ラキスのようになりなさい等と同じ道を歩まされる。兄貴のたどった道筋を、それこそ二番手だ。それが嫌で、反抗し見た目を変え身体を鍛えた。兄貴の事は好きだが、同じ様には出来ない。

 俺だって、俺だけの一番が欲しい。女だってそうだ、俺に寄ってきては媚を売るくせに兄貴が近寄ってくると、同じ様な妖艶な瞳を向ける。ここでも俺は二番手かと何時も思わされる。

 だが、この絵里はどうだ! 俺を優先してくれると言う。約束が先だと。信じられない、これまで俺と約束をしていようが、兄貴が割って入れば皆兄貴を優先する。自慢じゃないが、それに、兄貴にもアラスロンにも、俺にも媚を売ってこようとしない。ましてや、あの身体能力に加え、皇太子の兄貴に堂々と物言う様は、小さい身体に似つかわしくなく凛として、綺麗だった。

 あぁ、可愛い絵里、兄と比べる事なく俺を常に優先してくれ。俺が絵里の一番になりたい。

 と扉に向かう絵里の背中を見ながら強く願った。



 ****** ? の思い


 私は陛下の影の一人。常日頃陛下の身の安全を維持する為、ひっそりと目立たぬように影より護衛している。その日陛下は会議中。何時ものように邪魔にならぬよう屋根裏にて護衛をしていると、眩しい光に目が奪われた。はっとして、陛下を見ると女の子を膝に抱えているではないか。とっさに下に飛び降りその子を捕まえようとすると、なんと逃げられた! この俺が・・ しまったと思った時にはその子は扉から逃げていった。外の騎士達をすり抜けて。私は表立って顔を出せないので、一旦手を引いた。

 次の日、その子が陛下の執務室に連れられてきた。相変わらず私は屋根裏。

その子は、ストレートの髪の小柄な身体、可愛い子供にしか見えないが、黒い髪に黒い瞳のせいで、どこか神秘的だ。年齢が22歳と聞き、思わず声が出そうになって焦ってしまった。

 私の手をすり抜けていった絵里。いつかこの腕に捕まえてみたいと思った。


 ****** 絵里の思い


 なんなんさ!!これは、なっちゅう事なん! 私は異世界に来たしまったみたい。そりゃそうだ、目につく物全てが違う。まず人、何故にあんなに皆大きいんだ! なんで、カラフルな髪なんだ! なんて顔面偏差値が高いんだ! どんだけ豪華絢爛な建物なんだ! そう、中世ヨーロッパにいるよう。

 事なかれ主義で、物事に動じないと自負しているが、こればっかりは動揺が消えない。

 どうしたものかと考えても、結局はどうしようも無いわけで、あっさりと絵里は諦めた。なるようになるさ、どうせ天涯孤独の身だったんやから、っと。

 ただ、社会人であった為、今後の生活基盤が気になるところ。ニートは好くない、暫くは此方の生活に慣れるため宰相様のお宅で厄介になるけど、何とか自立の道を開かなあかんなと考えていた。


 他人に甘く、優しく、自分には厳しいをモットーとする絵里。人のご恩は忘れずに、義理と人情、任侠映画が大好きな絵里。

 周りの男達の思惑にも気付かない絵里はこれからどうなっていくのでしょうか。

お読み頂きありがとうございます。

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