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私に構わんといて  作者: ぽっちゃま
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それぞれの思い

宜しくお願いいたします。

絵里の言葉遣いですが、れっきとした作者の生まれ地方の方言です。関西弁とは少し違いますので

ご理解下さい。

 私は沈黙に耐えきれず言葉を繋ぐ


「まあ、皆平等に、そして弱気を助け強気を挫く、そんな皇太子にラキスがなったらかっこええんとちゃうかな…っと思ったりして・・・ 私なんかに言われたないやろけど…」

 周りの呆気にとられた顔に気付き、語尾が小さくなる絵里。


「そんな訳で、ヒース、そっちが優先な! また連絡してな。ほな、アラスロンさんお待たせしました。行きましょか」

 言うなり絵里は、アラスロンの腕を掴み急いで扉に向かった。



 ******* ラキスの思い


 突然陛下の膝に現れた絵里を見た時は、驚いた。そして珍しい黒髪を靡かせて、楽しそうに騎士達から逃げおおせる可愛い子供に惹き付けられた。

 ようやく確保した時に、思わずキスしてしまったのは自分でも予想外の出来事だったが、絵里に近づいたらいい匂いがしてきて、気が付いたら唇を塞いでいた。しまった、まだ成人前の子供にと後悔したが、なんと22歳。サラサラなストレートの黒髪、華奢な身体に小さな顔、大きな黒い瞳。この国のものは男女問わずストレートの髪は成人前の子供のみ、成人するに従いなぜか髪にウェーブがかかる。ましてや黒髪、黒い瞳など今まで誰一人といないし、年齢に似つかわしくない身長。こちらの10歳位の身長だ。異世界人というのも頷ける。

 神秘的な黒を身に付け、可愛い顔に似合わない変わった言動、私を睨み付ける目、小柄な身体から伸びるしなやかな手足。湯あみをし、ワンピースに着替えた絵里は、小さな女神のようでとても綺麗だった。女性は皆私の言う事には従順だし、豊満な身体を押し付け媚びを売り、偽りの仮面を付け、私に都合のいいように接してくる。寵を得ようと必死だ。未だ空席の皇太子妃の座を狙っているのだ。常日頃、わざと少し横柄な態度をとり、相手の言動によりその者の気質を見極めようとしているのだが。

 今も私が誘えば絵里は第1騎士団に来るだろうと思って言ったのだが、先に約束したヒースが優先だと私の事を断る。自分を大事にしろとか、人の上には人を作らず、人の下にも人を作らずと・・どういう事だ? 皆、平等に… 何を持って平等と言う? 弱気を助け… 私は誰かを助けた事があっただろうか?

 自分の立場は十分理解しているつもりだ。小さい頃から何でもそつなくこなす私は、成長するにつれ毎日が退屈で仕方なかった。所詮女なんて身体だけと思っていたが、どうやら絵里は違うようだ。絵里といると考えさせられる事や、驚き、可笑しな言葉遣いで和まされる自分がいる。寄り掛かれるだけの女は要らない、絵里なら一緒に未来を見つめ隣を歩いてくれるだろうか?

 なぜか私を一番に優先してほしい、 私の望む未来には絵里に隣にいてほしいと、部屋を出ていく絵里を見つめながらそう強く願ってしまっていた。


 

 *******  アラスロンの思い


 何時ものように仕事をしていると、上司でもある宰相の父が政務室にやって来た。異世界人である絵里という女性を我が家で預かる事となったので、我が家の準備が整い次第、屋敷までお連れしろとの事。年齢は22歳だから、見た目に驚くなよと、よくわからないことをいわれた。

 しばらくすると、迎えの馬車が来たので、早速絵里という女性を迎えにいった。部屋に入ると、殿下が今にも女性、(おそらく絵里様と思われる)に襲いかかろうとしているので咄嗟に庇う。絵里からいい匂いがするからと言われ、確かめるつもりで顔を近付けると、成る程とても惹き付けられる薫りがする。あぁ、何ていい薫りだ、疲れた身体が癒されるようだ。それに綺麗な瞳、等と思っているうちに顔を近付け過ぎたようだ。 今度は殿下に止められて我にかえるも、又絵里様に近付こうとする殿下。再び絵里様を庇った。

 すると、絵里様から心が暖かくなるような笑顔を向けられた。ありがとうと、そして私が優しいと…。

 あんな笑顔を女性から向けられたのは初めてだ。私は余り表情が変わらないとよく言われる。自分では喜怒哀楽はきちんとあり、表現しているつもりだが、周りからは無表情だ、何を考えてるのか判らないと言われる。この無表情と、言葉遣いのせいか、寄ってくる女性は暫くすると皆 面白味のないお方、冷たいお方なのね、もっと笑って下さらないかしら等と、私自信を見ることなく彼女達の勝手な理想を私に被せ、勝手に落胆し離れていく。偽りの笑顔を張り付けながら。 絵里様は私自信を見てくれるだろうか? 殿下にあんなに自分の意見を言う女性も初めてだ。真っ直ぐな心根の可愛い絵里様。こんな私にあんな笑顔を見せてくれ、優しいと言ってくれる絵里様なら。 もっとあの笑顔を私に向けて欲しい、私だけに… 出ていく扉に向かいながらそっと隣を見下ろした。



お読み頂きありがとうございます。

次回は月曜日更新です。

ヒースと、?さんの思いです。

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