処遇
宜しくお願いいたします
陛下に謁見、説明をとの事で連れてこられたのはわりとこじんまりとした執務室。私がお膝に落下した陛下と眼鏡のエリート然とした御仁。紹介によるとエリートなお方は宰相でクロードさん、ラキスは皇太子様と判明。さあ、説明をと言われても何でこうなったのかなんて私自身訳が分からない。説明の仕様がない。 分かりませんとしか言えない私。見るからに自分とは違う容姿と、連れてこられる時に見たこの建物の作り、この部屋。一昔前の西洋様式のようだ。
(ここは地球ではない? もしかして違う世界に来てしまったの?)
私の内心の葛藤などお構いなしに、終始にこやかな陛下に
「ウムウム、分からないとな、お嬢うさんは地球という言葉を知っているかい?」
「えっ、ここも地球上にある国なん? なんて国? 私は日本におったん、ロッククライミング中に手を滑らせて落ちたと思ったら陛下のところに… どういう事か陛下には分かるん… っと お分かりなるのですか?」
「そうかそうか、地球から来たのじゃな。 クロードよ、この子は異世界人のようじゃ。 代々王家のみ引き継がれる伝承で伝えられておる。300年程前に一回地球というところから異界渡りをした者がおり、その者は様々な恩恵を我が国にもたらしてくれたそうじゃ。 もしまた、地球から来たものが現れたら丁寧に保護するようにとな。確か文献に残っているはずじゃ。」
「そうですね、明らかにこの世界ではあり得ない格好ですし、言葉遣いも何ともうしましょうか… どういたしましょう、まだ成人前でしょうから私の所でお預かりいたしましょうか? 息子のクルスティンも今年で15歳になりますし、同じ年頃の子供がいた方が落ち着けるかと。」
(また、見た目判断かい~ン~ン 落ち着け絵里 ) 「お言葉を返すようですが、宰相様 言葉遣が変なのは認めましょう、長年使っている育った地方の方言ですので、この言葉遣いで22年間過ごしております。そう、22年間です。私は22歳です。それとご安心下さい、きちんと敬語は使えます。」
「「えっ、」」
ここでもかい! おいおい固まらんといてえな。 そこ、おいラキス!後ろ向いてるが肩が震えとるっちゅうの。
なんやかんやで、王家ではもうすぐ第二王女の16歳の成人の儀の式典のため忙しくなるので、やはり宰相様の所でご厄介になる事に決定した。王女の成人の儀の会議中のお部屋に落下したみたいで、ご迷惑をおかけしてすみませんでしたと、きちんと謝罪しておいた。
今は宰相様が御自宅に先触れをお出し中。準備ができしだいお迎えがくるみたいで、それまでは別室にて待機。
部屋に入ると待ち構えていた大柄な侍女様達、会う人会う人皆大きい。まあ、小柄な私が成人前に見られても仕方ないかなあと思っている内に、あれよあれよと浴室にて身体を洗われ、きれいなワンピースにお着替えされた。
「「「まあ~なんてお可愛らしいのでしょう」」」
「神秘的な黒髪、サラサラナです。羨ましい!!」
「華奢なお身体、可愛すぎます!!。羨ましい!!」
「お肌がモチモチです。羨ましい!!」
なんだかこんなに誉められるとイタタマレナイ、きっとまた、成人前に思われているんだろうな。それよか、なぜまだいる、ラキス殿下よ。 さっさとどっかに行ってくれへんかな~、今は湯上がりで、身体がほってっているのでヤバイんだよな。
「君達、絵里はれっきとした成人女性だよ。失礼のないようにね。ちなみに22歳だそうだ。」
「「「えっ、」」」
おいおいここでもかい!! いっその事、初対面の人には先に年齢から申告しようか、とにかくこの現象が続くことと覚悟した方が良さそうだと思っていると、
「本当に絵里は不思議な子だよね。」と言いながらラキスが近付いてくる。
ゲエ、こんといて、まだ身体が火照っとるで、と思い一歩後退、素早く逃走経路を探す。
「あっなんか、いい匂いがしてきたよ。 あ~絵里を抱き締めたい。抱き締めさせてくれるかい?」
「「「キャー」」」 侍女ーず達の黄色い声。おいおい侍女教育は大丈夫なんか?と心配している暇はない。殿下の目には明らかに色欲が見える。ヤバい、逃げるか… その時、コンコンと扉を叩く音。
「殿下、アラスロンです。入室の許可を」
チッ、「入れ」
おいおい殿下よ、今舌打ちした?お綺麗な顔に似合わへんぞよと、うろんな目をして殿下を見ていると、カチッという音とともに扉が開き一人の人物が…
(ちょっと待ってえな、なんなんさこの国は…皆かっこよすぎ)
入室したのは、銀髪に切れ長のエメラルドの瞳、少し長いウェーブのかかった髪は丁寧に後ろで一つに結んである。この人もデカイ。冷たそうな印象のイケメン登場に絵里はしばらく固まった。
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