↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『見つけ屋"さかえ"』~失くし物?ここから助かる方法?探し人?どんなさがしものでも見つけ出します。~  作者: ふるなゆ☆


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
2/23

2.

男の子A「じゃん。どれがどれでしょう!」


 机の上に置かれた白い粉(こな)が入ったボトルが三つある。


男の子B「じゃあ、『1』のボトルからいくぞ。『1』は……砂糖(さとう)だな。」


男の子A「確か……そう。」


男の子C「『2』は片栗粉(かたくりこ)じゃね!」


男の子A「正解。残りが塩(しお)だ。後、九問あるぜ!」


 それを見て呆(あき)れている人がいる。


ミズキ「ちょっとー。ちゃんと掃除(そうじ)しなよー。」


 

 そこに一人の先生がやってきた。



フジ「何やってるの!」


 

男の子たち「「「げっ! バレた!」」」



フジ「ちょっと来なさい!」



 調理室(しつ)の横にある準備室(じゅんびしつ)にお叱(しか)りの声が響いていった。



◆



フジ「……ということがあったの。」


サカエ「要約(ようやく)すると、明日調理(ちょうり)実習(じっしゅう)があるのに、掃除(そうじ)の時間に男の子たちが遊びでボトルの札(ふだ)を入れ替(か)えまくったと言うことですね。」



 サカエが近くにあるボトルを掴(つか)んだ。砂糖(さとう)と書かれたラベルのボトルの中には塩が入っていた。



フジ「もう、何個(こ)も変えてたら舌が馬鹿(ばか)になっちゃって……。」


サカエ「それでぼくの出番ですね。」



 爪楊枝(つまようじ)で粉(こな)を掬(すく)って、スプーンに乗せる。スプーンを口へと持っていく。



サカエ「これは塩ですね。」



 ラベルに貼(は)られた『片栗粉(かたくりこ)』の青文字。それが桃色の文字の『塩』に書き換えられた。



 時計の短い針は七を刺していた。

 サカエは疲(つか)れた体を伸(の)ばしたりひねったりして腰(こし)をゴキゴキと鳴(な)らしていた。



サカエ「これで最後ですね。」


フジ「本当にありがとう。とっても助かった。」


サカエ「いえいえ。これがぼくの仕事ですから。」



 ひと仕事(しごと)終えてゆっくり体を伸(の)ばしている時に、突然(とつぜん)フジの顔が真(ま)っ青(さお)になっていく。



フジ「誰(だれ)か学校の中に入ってきた。」



 フジはゆっくりと目を瞑(つむ)った。


サカエ「確(たし)か先生は、命を狙(ねら)われているとか……。」


フジ「うん。最近(さいきん)『殺(ころ)し屋が送られるかも』っていう脅迫状(きょうはくじょう)が届(とど)いたんす。」



 二人は唾(つば)を飲んだ。



フジ「はー。良(よ)かった。よくないけど良(よ)かった。」


 フジは軽(かる)く息(いき)を吐(は)いた。

 サカエはそれを見て首を横に傾(かたむ)けた。



サカエ「なんだったんですか?」


フジ「子どもたちだった。この学校、七不思議(ふしぎ)が流行(はや)ってるじゃない? まぁ、その原因(げんいん)は私(わたし)なんだけど……。」


サカエ「……つまり、七不思議を確認(かくにん)するために、肝試(きもだめ)しに来たってことですかね?」


フジ「そういうこと。……けどさぁ、よりによってウチのクラスの子だったんだけど。一人は違うけど。」



 フジが調理室(ちょうりしつ)の扉(とびら)を手で触(ふ)れた。


 二人が廊下(ろうか)へと出ると、後ろにあるのは調理室ではなく、三階にある音楽室だった。



フジ「ここで私(わたし)が出て叱(しか)っても、七不思議の噂(うわさ)は消えないっす。なら、できるだけ驚(おどろ)かせてから、種明(たねあ)かししながら叱(しか)れば、七不思議の噂は消えてくれるはず。」


サカエ「やるなら徹底的(てっていてき)にやって、そして、しっかりと反省(はんせい)させましょう。」


 三階から夜の学校の敷地(しきち)内にいる小学生三人を見下ろした。



フジ「前、不審者(ふしんしゃ)を追(お)い払(はら)った時みたいに、クルタくんのヤオちゃんが欲しいかも。」


サカエ「あっ、承知(しょうち)しました。彼(かれ)に電話しますね。」



 サカエがスマホを取(と)り出した。

 そして、少ししてヤオが二人の元へと現(あらわ)れた。



ヤオ「やってきたよ!」



フジ「ありがとう。じゃあ、驚(おどろ)かし大作戦開始(かいし)っすね!」



◆



ホミ「じゃあ、行くよ!」


ミズキ「やっぱやめとこうよ。」


ホミ「怖(こわ)いんでしょ?」


アカイ「まっ、オバケなんてでないから安心しなよ。出てもオレが何とかするよ。」


ミズキ「そうじゃなくって。勝手に学校に入ったら……って、もう。」



 三人が学校へと不法(ふほう)侵入(しんにゅう)した。



 理科室の横を通る三人。



 カシャン!



 突然(とつぜん)、理科室の扉(とびら)がひとりでに開いた。



ミズキ「きゃー!」

アカイ「お、おおっ。」

ホミ「な、なに……?」


 そこから現(あら)れたのは動く人体(じんたい)模型(もけい)だった。



人体模型「……。」



 カタカタカタ。ぶらーんと手足を落として進んでいく。



三人「「「いやぁ!!」」」



 三人がそこから逃(に)げるように走り出した。


 

ヤオ(笑(わら)!)



 三人は階段(かいだん)を上る。

 その三人に聞こえないように、フジがサカエに言葉を放(はな)つ。



フジ「私のカードの能力(のうりょく)は建物(たてもの)構造(こうぞう)変化(へんか)。建物の中を自由に入れ替(か)えたり変化させたりできる。」



 階段を上る三人。

 しかし、いつの間にか三人のいる場所が階段の真(ま)ん中に瞬間(しゅんかん)移動(いどう)していた。



ミズキ「ねぇ、上っても上ってもここに戻(もど)っちゃうよ。」


ホミ「幽霊(ゆうれい)って本当にいるの?」


アカイ「マジかよ……。」



 三人は階段を下る。

 いつの間にか三人は階段の真ん中へと戻(もど)っていた。



 永遠に出られない階段。



 三人は恐怖(きょうふ)に怯(おび)えていた。



フジ(そろそろフィナーレにしようかな。)




 ようやく三人は無限(むげん)の階段から抜(ぬ)け出した。



ミズキ「怖い……。」


アカイ「早くここから逃(に)げよう。」



 そこに空中を飛(と)んでやってくる額縁(がくふち)。その中にはベートーヴェンの顔写真が入っている。



三人「「「(声にならない声)!!」」」



 追(お)われて逃(に)げる三人。

 三人の逃げる道はパッと変わって、教室が並(なら)ぶ廊下(ろうか)となり、その先は行き止まりだった。



 壁(かべ)へと追(お)い詰(つ)められた三人。そこに近づくベートーヴェン。


 ミズキは涙を浮かべ、ホミやアカイはその場にしゃがんだ。



ホミ「ヤバくない……。」

アカイ「くそっ。ここまでか。」

ミズキ「そんな……。」



 その時、その額縁(がくふち)が落下(らっか)した。


 そこに浮(う)いていたのはヤオだった。



ヤオ「やあ。驚(おどろ)いた?」



 ヤオを見て、安堵(あんど)を浮かべる三人。



ホミ「なーんだ。ヤオだったのね。」


ヤオ「そうだよ。動く人体模型の骸骨(がいこつ)もヤオだよ!」


ミズキ「もー。やめてよ!」


アカイ「あれ? 出られない階段は何だったんだ?」



フジ「それは私のカードの能力です。」


ミズキ「せ、先生っ!?」


フジ「じゃあ、種明(たねあ)かしもした所で指導室(しどうしつ)に向(む)かいましょうか。ひとまず親御(おやご)さんに電話しますね。」



三人「「「そんなー!」」」



 三人はこっぴどく叱られて、親へと引き渡された。



 サカエとフジはしょんぼりとしながら親に連(つ)れられて帰っていく三人を見送っていった。



◆◆◆



 そこはA県のどこかにある薄暗(うすぐら)い場所。



???「忠告(ちゅうこく)はしました。フジさんは大事な人を奪(うば)ったと同時(どうじ)に、あの方のデータも奪っていってしまいました。それなのにそれらをいっこうに返(かえ)す気はないようです。」


 薄暗い場所のせいで顔が隠(かく)された一人の男。その男と話しているのは赤茶色の髪(かみ)の男子だった。


アサヒ「ふーん。で? 結論(けつろん)、やっちゃっていいんだよな?」


 

???「わたしがお願(ねが)いすることはありませんが、止めることもありません。ご勝手(かって)にどうぞ。依頼主はわたしではないのですから。」



アサヒ「ふーん、そっか。じゃあ、殺(や)るか。」



 その男子は片手(かたて)で指を鳴(な)らし始めた。



???「巷(ちまた)で噂(うわさ)の実力を興味深く見ておきますね。『最強(さいきょう)の暗殺者(あんさつしゃ)』と名高(なだか)いアサヒさん。」



アサヒ(暗殺(あんさつ)ターゲット。フジ。二十六歳(さい)女性。N小学校の教員。カードの能力者。まぁ、敵(てき)に不足(ふそく)なしだな。)



 アサヒはその場から離(はな)れていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。