↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『見つけ屋"さかえ"』~失くし物?ここから助かる方法?探し人?どんなさがしものでも見つけ出します。~  作者: ふるなゆ☆


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
18/23

18.

審査員B「やはり、ロボットになるということは死と同じなのかも知れないですね。」


審査員F「それは悩(なや)ましい話です。フシミ側(がわ)の書類(しょるい)では死というわけではないと明確(めいかく)に書かれていますから。」


審査員K「可哀想(かわいそう)……。それに尽(つ)きます。」


審査員G「ただ、フシミ側(がわ)はただその力を貸(か)しただけ。それを選んだのはロボット化した人達じゃないですか?」


審査員A「一理(いちり)ある。少なくとも殺意とか傷つけようとかそういうのはないわけだしな。」



審査員E「ミズキさんのスピーチはとても心を打たれました。」


審査員長「だからと言って、それで全てを決めるべきではないと思います。少なくとも、そこの彼が言ったように、ロボット化は自業(じごう)自得(じとく)のようなものですから。」 



 審査員達の話し合いが終(お)わった。



 それぞれの意見が出される。



審査員E(やっぱりミズキさんのような辛い思いをさせるフシミさんの行為は許しちゃ駄目(だめ)よね。)


審査員A(本当はミズキさんたちには共感(きょうかん)するけど、これは裁判(さいばん)の話だからなぁ。)



 多数決(たすうけつ)が取られ、意見(いけん)は五対五にわかれていた。



 残る一人は審査員長トウジのみとなった。



審査員長「えーっと、うん、わたしはねぇ。」



◆



ニシオ「検察審査会の結果(けっか)は三つある。」


アカイ「三つ?」



 ミズキの家でサカエたちはニシオの話に耳を傾(かたむ)けていた。



ニシオ「一つは『起訴(きそ)相当(そうとう)』。簡単(かんたん)に言えば、俺らの勝ちってことだ。不起訴はおかしいって認められたってことだからな。」


ミズキ「そうなってるといいね。」


ニシオ「一つが『不起訴相当』。簡単(かんたん)に言えば、俺らの負けってことだな。検察(けんさつ)の不起訴は正しかったよってことだからな。」


アカイ「それは絶対(ぜったい)にいやだな。」



ニシオ「最後が『不起訴不当』。起訴相当までは断言(だんげん)できないが、不起訴は間違ってるってことだな。」



アカイ「つまり、どういうこと?」



ニシオ「勝手に言わせてもらうと、勝ち負けはっきりしないから、検察に宿題(しゅくだい)として、もう一度、事件を見直せってことだな。」



ヤオ「通知書(つうちしょ)が届(とど)いたから持ってきたよ。」



ニシオ「ついにきたか。」



 その中身(なかみ)を見る。



 不起訴不当——!



 その文言が書かれていた。



アカイ「じゃあ……」


サカエ「検察(けんさつ)にもう一度検討(けんとう)させるものですね。」


ニシオ「そういうこった。後は検察に任せるしかねぇ。」


ミズキ「もし検察がやっぱりダメって言ったら?」


ニシオ「もう一度だけチャンスは作れる。ただ、前の検察審査会よりも起訴のボーダーが高く難(むずか)しくなるけどな。」



サカエ「今は待つしかできなさそうですね。」




◆◆◆



 フシミは電話をしていた。



ツルマ『また検察の捜査(そうさ)が入るらしいな。……ついてないな。君は運が悪いのかも知れないな。』



フシミ「そうですね。墜茵(ついいん)落溷(らくこん)や運否(うんぷ)天賦(てんぷ)というように、幸不幸には運が絡(から)みますからね。」



ツルマ『厄祓(やくばら)いにいい場所を知っとる。来るか?』



フシミ「もちろん、お願いします。」



ツルマ『そう言うと思ったよ。君は人事(じんじ)を尽(つ)くして天命を待つタイプだからね。そう、君はそういう性格(せいかく)なのだよ。』



フシミ「こんな言葉があります。騏驥(きき)の跼躅(きょくちょく)は駑馬(どば)の安歩(あんぽ)に如(し)かず。どれだけ優秀な人間でも怠(なま)けていれば平凡(へいぼん)だと。どれだけ有利(ゆうり)な状況(じょうきょう)でも驕(おご)れば、不利な状態と変わらなくなる。即(すなわ)ち、足を掬(すく)われる。やれることはやっておきたい。」



ツルマ『そうか。』



フシミ「先を見越(みこ)して、弁護士(べんごし)の紹介(しょうかい)もして頂(いただ)けると嬉(うれ)しいですね。」



ツルマ『まだ裁判にもなってないのに……。まぁ、分かった。N大都市の市長の名に恥(は)じぬよう、最高(さいこう)の弁護士(べんごし)を教えよう。』



 フシミは床でも真っ直ぐでもなく、空の方を見ていた。



◆◆◆



 あれから数ヶ月の月日が経(た)つ。

 |検察の調べでサカエやミズキ、果(は)てにフシミが呼(よ)び出されることが頻繁(ひんぱん)に起きた。



 そして、検察は『再度不起訴』を選択(せんたく)した。



 ただでさえ、五分(ごぶ)五分(ごぶ)の内容。そこにA県トップで地位(ちい)と人脈(じんみゃく)のあるツルマが密(ひそ)かに圧(あつ)をかけたこともその結果に大きく影響(えいきょう)を与(あた)えていた。


 


ニシオ「十一人中、八人が認(みと)めれば起訴(きそ)となる。それが駄目(だめ)なら、諦(あきら)めざるを得ないだろうな。」



ミズキ「今度こそ頑張るね。」


サカエ「勝ち負けじゃない。どれだけ思いを受け止めてもらえるか。味方(みかた)を増(ふ)やそう。例え、負けても気持ちが楽になるように。」



 局員(きょくいん)に連れられ会議室(かいぎしつ)へと入る。


 前回とは違う十一人の審査員(しんさいん)。


 そして、裁判所(さいばんしょ)から派遣(はけん)された弁護士(べんごし)が補助役(ほじょやく)として来ていた。



 前回の審査会と同じように進(すす)んでいく。違うのは弁護士が補足(ほそく)してくれること。



審査員長「では、意見(いけん)陳述(ちんじゅつ)をどうぞ。」



サカエ「伝えよう。無理(むり)なく。」


ミズキ「うん。」



 三人が思いを伝える。



ミズキ「わたしはただ、会いたいんです。もう一度。」



 ミズキが感情(かんじょう)に訴(うった)える。



フジ「フシミは人の弱った心を利用してロボット化をさせているんです。」



 フジがフシミの悪意を説明する。

 そして、サカエが——



サカエ「なにも罪(つみ)に問われないことは、ぼくは遺(のこ)された人への冒涜(ぼうとく)だと思っているんです。」



 フシミを裁判にかけることの正当性(せいとうせい)を伝える。



審査員長「ありがとうございました。」



 質疑応答(しつぎおうとう)の時間を経て、会は幕(まく)を閉じた。



審査員(可哀想(かわいそう)。報(むく)われないのは辛(つら)い。)



 後は待つだけだった。




◆




 再び数ヶ月の月日が経った。



ヤオ「通達(つうたつ)きたよ。」



 裁判所から届(とど)けられた書類(しょるい)。


 そこに書かれていたのは、



 起訴(きそ)議決(ぎけつ)——!



 だった。



ニシオ「これで刑事(けいじ)裁判が行われる。書類を見る感じ、おまえさんらも裁判に証人(しょうにん)として出る感じだな。」



アカイ「刑事裁判って、普通の裁判と何が違うんだ?」



サカエ「裁判には三種類(しゅるい)の裁判があります。それが、民事(みんじ)裁判、刑事(けいじ)裁判、行政(ぎょうせい)裁判です。」


アカイ「そんなにあるんだ!」


サカエ「はい。民事(みんじ)はトラブルを解決(かいけつ)する裁判です。学校だとトラブルが起きた時——例えば、喧嘩(けんか)がおきたとき先生が止めて指導(しどう)しますよね?」


アカイ「うん。大体、先生に怒(おこ)られるよな。」


サカエ「けれども、大人に先生のような人はいません。じゃあ、誰(だれ)がそんなトラブルを解決(かいけつ)するのか……。それが裁判所なんです。」



アカイ「なるほどなー。」



サカエ「行政裁判はおおまかには国などとのトラブルと思ってください。」



フジ「弁護士(べんごし)系の漫画やドラマだとよく見かけるっすよね。リーガルハイとかおすすめっす。」



サカエ「はい。刑事裁判こそが今度フシミを裁(さば)く裁判となります。」


ミズキ「その裁判ってどんな感じなの?」


サカエ「犯罪(はんざい)を犯(おか)したとされる人を裁く裁判です。有罪(ゆうざい)なのか無罪(むざい)なのか、有罪ならどの罪に当たるのかを決める裁判です。」



フジ「ニュースとかでみる裁判が大体これっすね。絵で描(えが)かれる裁判の様子(ようす)とかは、ほとんどこれですからね。」



アカイ「んー。まー、分かったような気がする。」



 次は刑事裁判——。



ニシオ「裁判が終わったら、とっておきの能力(のうりょく)を発動(はつどう)して貰(もら)う予定(よてい)だ。まぁ、成功するかは分からねぇがな。」



サカエ「なんの話しですか? それは。」



ニシオ「やっぱ今のはなしで。裁判が終わるまで、とっておきの秘密にしといてくれ。」



サカエ(気になる。)



 

 サカエたちはフシミを刑事訴訟(そしょう)にかけることに成功した。



 次は刑事裁判——。



 開廷(かいてい)はまだ先だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。