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婚活バラエティー小説 「結婚させろ!」〜結婚相談所 所長・吉田節夫の地獄矯正プログラム〜  作者: 虫松


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第5話 自分語り男、全滅危惧種

婚活塾・会場。


長机が並び、男女20人が向かい合って座る。


壁にはデカデカと貼られている。


【婚活55の教え 暗記必須】


空気はすでに重い。

吉田節夫、入室。


ジャージ、グラサン、竹刀。


無言で前に立つ。


「今日はな——」


「会話の地獄を見る」


ザワつく会場。


「テーマはこれだ」


黒板に書く。


【自分語り男=絶滅危惧種】


「始めろ」


デート再現スタート。


男・黒崎(34)営業。


開始30秒。


もう異変。


「俺さ、外資で働いててさ、年収800万なんだけど」


女性、苦笑い。


「すごいですね…」


黒崎、止まらない。


「でさ、前の彼女モデルでさ、結構レベル高かったんだよね」


「俺、わりと女には困ってなくて」


女性、無言。


3分後。


女性、完全停止。


空気、死ぬ。


吉田、ゆっくり立ち上がる。


竹刀で机を叩く。


「はい終了」


黒崎「え?まだ途中で…」


吉田、即切断。


「お前の人生」


「誰も興味ねぇ」


「お前は自分語りのラジオか?」


空気、凍結。


黒崎「いやでも自己開示は大事って…」


吉田、近づく。


「自己開示?」


「それ、“自慢大会”だろ」


黒崎、黙る。


吉田、会場全体を見る。


「いいか、よく聞け」


「自分の話ばっかする男はな」


「“会話してるつもりのただの独り言”だ」


女性陣、強くうなずく。


吉田、黒板に書く。


【自分語り男の正体】

・承認欲求の塊

・自信がない

・寂しい

・空気が読めない


「全部、顔に出てる」


黒崎「そんなことないですけど…」


吉田、遮る。


「ある」


「“自分認めてほしいオーラ”がダダ漏れだ」


ざわつく男たち。


吉田、さらに刺す。


「キャバ嬢が笑ってくれるのはな」


「お前が面白いからじゃない」


「仕事だからだ」


会場、爆笑と絶望が混ざる。


黒崎、顔が赤くなる。


吉田、トドメ。


「金が止まった瞬間」


「お前の話、誰も聞かねぇよ」


沈黙。


吉田、黒板にもう一つ書く。


【会話の本質】

・聞け

・共感しろ

・質問しろ


「これだけだ」


黒崎「そんな簡単なことで…」


吉田、即答。


「できてねぇから落ちてんだろうが」


会場、静まり返る。


吉田、女性に振る。


「今の黒崎、どうだった?」


女性、はっきり言う。


「一緒にいて疲れます」


もう一人。


「自分のことしか考えてない感じがしました」


黒崎、崩れる。


吉田、静かに言う。


「それが現実だ」


「お前は“会話してる”んじゃない」


「“奪ってる”んだよ」


「相手の時間と気力をな」


全員、黙る。


吉田、竹刀を肩に乗せる。


「やり直せ」


再デート。


黒崎、震えながら。


「休みの日って…何してますか?」


女性「映画とか観ます」


黒崎、一瞬止まるが


「どんな映画好きなんですか?」


女性、少し笑う。


「最近はヒューマンドラマが好きで…」


会話、続く。


吉田、小さく頷く。


「それでいい」


「やっと“会話”になったな」


ラスト吉田の一言。


「モテない奴ほど喋る」


「モテる奴ほど聞く」


「覚えろ」



つづく

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