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第41話 祭りのあと②-1

いよいよ最終章です!!

 文化祭から二日後


「みんな、お疲れ様~!!」

「そしてカンパーーーイ!!」


 演劇部が使用している教室にて山口顧問のおごりの缶ジュースで演劇部全員で乾杯をしている。


「いや~良かった~っ!! 大成功だったねっ!?」


 陰の副部長高田が山田に言った。


「そうだね。本当に良かったわ。これで悔いなく引退できるわっ!!」


 山田がそう言うと一瞬教室中が静まり返える。


「えっ?」


 山田は少し戸惑ったが、そのまま気にせず話し続けた。


「私達六年生は今回の文化祭での演劇が最後となります。なので来年二月に市民会館で行われるイベントでの演劇は四、五年生で行ってもらう予定なので副部長のノブ君と次期部長の佐藤さん中心で頑張ってね......」


「えっ!?」


 ノブがそう言った瞬間に佐藤が


「はい、わかりました!! ノブ君頑張ろうねっ!?」


「えっ!? あ、は...はい......」


 ノブは元気の無い声で佐藤に返事をした。


 その元気の無いノブの様子を山田はじっと見つめている。


 ノブは山田を含む六年生が今日で事実上の引退になることも元気が無い理由の一つではあるが、実はもう一つ理由があったのである。


 「コウモリ」上演後、ノブは四年一組のクラスに戻ったが、帰っていきなり大石や村瀬、森重、田尾などから、ノブのウサギを演じたことは話をしてくるが、いくら待っても鳥の王のことを誰も言ってこない。というかノブがウサギと鳥の王の二役をしたことすら彼等はわかっていないような様子であった。


 挙句の果てに


「高山のスズメは良かったよなぁ。あれだけ長いセリフをよく覚えたよなぁ」

「たまに言うチュンってのが面白くて良かった」


 と、高山を絶賛する言葉が教室中を駆け巡らせていたのである。


 照れくさそうにしている高山に対し、クラスのマドンナ寿からは、コウモリの住む洞窟を訪ねて行った場面がちょっと感動したと言われ、さすがにノブはしびれを切らし自分からみんなに話し出した。


「あ...あのぉ......。鳥の王も俺がやってたのみんなわかってるよね?」


 恐る恐るノブがみんなに聞くと......


「えっ!? 鳥の王?? ノブが??」


 周りにいる全員がそう答えるのであった。


「えっ? 鳥の王も水井君が演じてたの? わからなかったわ。舞台の明かりが少し暗かったし、鳥の王の顔は王冠で隠れてたし......。あれ、ほんとに水井君だったの!? ご...ごめんね。私全然、気付かなかった......」

 

 寿が申し訳なさそうな表情でノブに詫びた。


「は...はは......。そうだよね。わかりづらいよね。俺もそう思ってたんだよ......。王冠が本当に大きくて目もほとんど隠れてたしさ......。実は前がよく見えなかったくらいなんだよ......。は...はは...はぁ......」


 ノブが悲しそうな声でそう言うと


「ノブは俺なんかよりとても大変だったんだ。当日ウサギ役の五年生が病気で出られなくなってさ!! だから急にノブが鳥の王とウサギと一人二役しなきゃいけなくなったんだよ!! 今回ノブは本当に大変だったと思うぜっ!!」


 高山が自分ばかり褒められているのを気にして、すかさずフォローを入れた。


「へぇ!? そ...そうなんだっ!? 水井君も大変だったんだねぇ.....」


 寿も慌ててノブにフォローを入れた。


 その高山と寿の気遣いがノブには逆に自分が哀れに感じてしまった。


「ははは!! 俺、鳥の王は田中がやってるとばかり思ってたぜ!! はっははは!!」


 あまり空気の読めない森重がそう言うとノブと高山が同時に


「田中はイナゴの王だっ!! お前どこ見てたんだ!?」


 少し怒り口調で言い返した。



 そしてノブが気を落としながら帰宅すると妹の明恵や母親のみゆきからもクラスの人間から言われた事と同じような事を言われてしまう。


 ノブは更にショックを受けてしまったったのであった。


「二役なんかするんじゃなかった......。俺、あれだけ頑張ったのにさ......。みんなわからなかっただなんて......寂し過ぎるよ......」

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