第34話 誕生日プレゼント
「さすが今日が誕生日のノブだなっ!!」
突然、高山が大きな声で言った。
「 「 「え――――――っ!?」 」 」
またしても全員驚いた。
「そうだったの!? 水井君なんで言ってくれなかったのよ?」
石田がそう言うと佐藤も
「そうよノブ君!! 言ってくれたら何かプレゼントあげたのに~!!」
「そっ...そんな、佐藤さん...プレゼントなんて別にいいですよっ!!」
ノブは顔を真っ赤にして答えた。
「俺が弟の代わりにプレゼントしないといけないよね。文化祭終わってから何か買ってくるよっ!!」
福田兄が満面の笑みでそう言うとノブは苦笑いをしながら
「福田さん、いいですって!! 何もいりませんからっ!!」
「ノブ君ありがとう。ほんと助かったわ。これで安心して演劇ができるよ。本当にありがとう......」
山田も満面の笑みでノブにお礼を言った。
そして山田は全員にこう言った。
「みんなっ!! 今日の演劇の成功をノブ副部長の誕生日プレゼントにしましょう!!」
「 「 「お――――――っ!!」 」 」
その場にいた全員が腕を上に挙げて賛同した。
ノブはとても恥ずかしかったが、それ以上に幸せな気持ちでいっぱいになった。
ノブは自分の案が通ってホッとした。
それと同時にこんな切羽詰まった状況でよくこんな案が浮かんだものだと自分を少し褒めていた。
これもやっぱり『つ』が取れたからなのだろうか?
それもあるかもしれないが、今回の劇が六年生にとっては演劇部として最後の劇となるのでノブはなんとか山田部長をはじめ六年生の為にも絶対成功させたいという強い思いが神様に通じてノブにひらめかせてくれたのかもしれない......
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イナゴA役の六年安達と同じく六年の轟がイナゴの王役の田中に文句を言っている。
「ねぇ田中~。ほんっとに私達も顔を緑色にしなくちゃいけないの!?」
「田中だけ緑色に塗ればいいじゃん」
二人は田中にそ言うと田中はすぐに
「二人とも何を言ってるんですかっ!? 前に全員、顔を塗るって約束したじゃないですか!! 何を今更......。お二人、六生なのに、『おこちゃま』ですか!?」
「田中っ!! あんたにだけは言われたくないわよっ!!」
「そうよ!! 昨日あんたも散々わがまま言ってたじゃないっ!!」
安達と轟が怒りながらそう言うと田中は
「みっ...見てくださいよっ!! 浜口なんか何も文句言わないで顔を緑色にしましたよ!! なっ浜口?」
「い...いや、ぼ...僕も好きで塗ってるわけじゃないんだけども......」
「それでも塗ってるんだからあの二人よりはマシさ!! ただ浜口はなんとなく白色の方が似合うけども......。まっいっか、イナゴだし......」
田中は引き続き安達、轟に話し出す。
「それと二人は何で僕のことを『田中』って呼び捨てなんですか!? 他の四年生には君をつけるのに......。おっ...おかしいでしょっ!?」
「だって『田中』って呼びやすいし...。『田中君』って言いにくいもん......」
「それだけの理由ですか!?」
「そうよ!! 悪い!?」
「悪いに決まってるでしょ!! 僕の事もちゃんと『田中君』って呼んでくださいよっ!!」
「はいはい、わかりました......。じゃぁ田中のことを『田中君』って呼んだら私達、顔を緑色にしなくていいかな?」
安達が言うと田中は
「『田中』でいいです!!」
そういうどうでもいいようなやり取りのあった本番前であった。
ノブにとっては十歳の誕生日の思い出となる文化祭......
山田達、六年生にとっては小学生最後となる演劇......
いよいよ開演!!




