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第32話 おこちゃま

 高山のその言葉に今度はノブ以外の部員全員が不思議そうな顔をしている。

 しかし高山はそのまま言い続ける。


「田中は『つ』が取れるのは来年だし、そりゃぁまだまだ、おこちゃまだわ~!! 我慢も出来ないし、わがままも言ってしまうしな......」


 それを聞いた高田や大浜、ノブの近くにいた佐藤や福田も興味深々に高山と田中に近づき、山田部長が高山にこう言った。


「高山君、そろそろ何のことか教えてくれないかな?」


 山田の質問が終わると同時に田中が怒りの表情で反論した。


「誰がおこちゃまだよっ!? 誰が我慢もできなくてわがままなんだよ!? 失礼過ぎるだろ!?」


「田中君、少し黙ってちょうだい!! 私は高山君に質問してるのよ!!」


 山田も少し強い口調で田中に言った。


 そして高山はノブから聞いた話をみんなの前で披露した。


「お――――――っ!! なるほどーっ!!」


 みんなな何となく納得した表情でこう言った。


 そして山口顧問が


「なるほどね~水井君のお父さんも面白いこと言われるわね。でもまんざらでもない話だと思うわよ。まぁ個人の性格や生まれた環境などで絶対にそうとは言い切れないけど、戦国時代とかだったら男の子は一人前扱いされていたと思うし、女の子だったら政略結婚も含めて結婚もしていたし......」


「俺も十二月生まれだからまだ『つ』が取れてないのでおこちゃまだだよぉぉ......」


 笑いながら木場がそういうと


「ぼ...僕も一月生まれだから、おこちゃまだよねぇ......? まぁ、本当に僕はおこちゃまだけど......」


 浜口が頭を掻いて苦笑いしながらそう言った。


「私はと順子(岸本)は四月生まれだから、もう一人前よっ!!」


 石田が堂々とした大きなで言うと


「なるほど――――――っ!!」


 みんなこれも何となくだが納得した。


「それじゃ石田さん、今好きな人がいれば結婚したらいいじゃない?」


 大浜が軽い気持ちで言った言葉だったが、石田は耳も顔も真っ赤にして慌てながら


「おっ...大浜さん!! な...何て事を言うんですか!? 私十歳ですよ!! まだ十歳は法律で結婚できないですからっ!!」


 わはははは!

 石田以外の笑い声が体育館中に響き渡る。


「それじゃ好きな人はいるけど法律で結婚出来ないって事でいいかしら?」


 今度は高田が意地悪そうな顔をしながら石田に言ってきた。


「いっ...いないです!! 好きな人なんて私、絶対いないですからっ!!」


 石田は更に顔を真っ赤にしながら大きな声で叫ぶのであった。


 その時、石田は一瞬ノブの方を見たがノブはそれに気づく事はなかった。





 みんなが『つ』の話で盛り上がっていたが、山田部長が大きな声で


「さぁそろそろ練習しましょうか? あまり時間もないし、みんな定位置についてくれるかな?」


「ちょ...ちょっと待ってくださいよ!? いつの間にか僕の話はどうなったんですか!?」


 田中が少し焦り気味に山田部長に言うとすかさず山田は田中に


「あれ? さっき田中君、自分で言ってなかった? わがままでもないし、我慢もできるし、おこちゃまでもないんでしょ? それともあれは嘘だったのかしら?」


「うっ...うーん......」


 山田部長の皮肉たっぷりの言葉に田中は何も言い返せずうなだれ気味に自分の定位置にトボトボと歩いて行った。


 それを見てノブが高山に質問する。


「もしかして田中のわがままを抑えるために、あんな事を言ったのか?」


「さあねぇ~」


 高山はペロッと舌を出し自分の定位置に向かっていった。


 その高山の後姿を見てノブは、あいつやっぱ大人だなぁと感心するのであった。




 さぁいよいよ明日は文化祭

 そしてノブの十歳の誕生日の日でもある。


 色々な事が重なる文化祭でまた一つ新たな問題が起ころうとはノブも他の部員達も知る由も無かった......

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