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第28話 決着!!

「なっ...何故だーっ!? くそーっ!!」


 平田が叫びながら追いかけるが、ノブに追いつくことなく第三走者にバトンが渡るのであった。


 第三走者の大石は幼稚園の時からのノブとは友達だがいろんなことで衝突し、よく喧嘩もしてきた間柄である。またスポーツも何をやっても二人は同じレベルで、同じ過ぎて張り合いそしてまた喧嘩になる。


 でもいつの間にか仲直りし普通に遊んでいる。結局お互いを認め合っているのであろう。


 その大石がノブからバトンを託され必死に走りだす。

 三組の第三走者の岡本一郎も背は低いが田尾並みに速い。


「ハァ...ハァ...ハァ...。大石頼む...。ハァ...ハァ......」


 ノブは両手で膝を押さえ、前かがみになった格好で顔だけを上げて疲れ果てた表情で大石を見ている。


「お...お疲れ様......」


 ノブの後ろから石田が声をかけてきた。


「ハァ...ハァ...。ありがとう...。ハァ...ハァ......」


「ううん。こちらこそ、約束守ってくれてありがとね......」


 石田は顔に少し涙の痕を残し微笑みながらそう言った。


「いや、まだだよ。一位にならないと......」



 大石は必死に走る。本気の本気で走っている。

 田尾やノブの過去を知っているだけに余計に必死で走る。


「こんなに本気で走ったの初めてかも......」


 大石はそう思いながら岡本との差を縮めず走っている。


 そして最終コーナーまで来たところでアンカー村瀬が一位のレーンに立ち、大石の帰りを待っている。


「大石~がんばれ~あと少しだーっ!!」


 村瀬も日頃は穏やかな性格だがスポーツになると人が変わるところがある。


 ついに村瀬の手にバトンが一番に渡った。


 村瀬の本気モードの走りは凄かった。

 応援団も観客も唖然とするくらいの速さだ。


 一位でバトンを受けた木口も必死で走るが、差が縮まるどころか徐々に差が開いていった。


「嘘だろっ!? 去年よりもめちゃくちゃ速くなってるじゃんかっ!!」


 木口は想像以上の村瀬の走りに驚き、半ば諦めの心境にもなってきた。


 そんな木口にまたあの声がする。


「こら――――――っ! 達也、諦めるなっ!! 気合い入れろ――――――っ!!」


 佐藤が少し諦めかけている木口の様子に気付き、それを跳ねのけるために気合いを入れなおす声援をしたのだ。


 その声が木口に届いたかどうかはわからないが、木口はそこから再びいつもの走りで村瀬を追いかける。


 しかし今日の村瀬にはおそらく誰も勝てないだろう......

 

 五、六年でも微妙じゃないか...?と皆が思うような走りでスピードを落とすことなく弾丸のようにゴールを駆け抜けた。


 ノブはじめ田尾、大石も村瀬に駆け寄り抱き合い喜びあう。

 田尾なんかは念願の一位なので泣いていた。


 その四人の周りを石田や寿達も囲み一緒に喜ぶのであった。


 その様子を少し凹み気味で見ている三組の四名......

 誰一人、先頭を走れなかった完全な負けであった。


 平田は何かを思いながらノブの方を見ていた。


 木口はすぐ佐藤に


「めぐねぇ...。ごめん...ごめんなさい...。許して~」


 と言うと佐藤は


「別にいいんじゃない。とても良い勝負だったし。あんた達もよく頑張ったと思うわ。ただ一組のノブ君達があんた達よりも凄かったってことよ」


 そう本気で思って言っている佐藤の肩をポンと叩いて通り過ぎていく女の子がいる。


「佐藤さん、さすがね。さすが次期部長......」


 山田部長であった。


 山田はそう言い残すと大喜びをしているノブ達のところに近づき、そしてノブの前まで行くと微笑みながらノブが想像していなかった言葉を言い放つ。




「ノブ君...。ほんと強くなったわね...。お姉ちゃんかたきとれないじゃない......」

お読みいただきありがとうございました。


いかかでしたでしょうか?

また感想をいただければ嬉しいです(≧▽≦)


これで運動会編は終了となります。

そして次回からは文化祭に向けて演劇の練習が本格的になります。

どうぞ次回もお楽しみに(^_-)-☆

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