第24話 完敗
三、四年生男子による棒倒し
「さっき弁当いっぱい食べたばかりなのに、メチャクチャきっついよなぁ......」
村瀬がそう言うと大石が
「俺は逆に食べたばかりだからメチャクチャ眠いわ......」
それを聞いたノブと田尾が同時に言った。
「今はいいけどさ、二人共リレーの時は頼むぞっ!!」
棒倒しはまず一組と二組が対戦し、そのあと三組と四組が対戦をする。
そして勝った組同士で決勝戦を行う事になっている。
ノブ達のいる一組、木口、平田達のいる三組が順当に勝ち上がっていき、決勝戦は一組対三組となったのであった!
まさにこれはリレー対決前の『前哨戦』という形になったのである。
そして一組の大将は村瀬、三組の大将は木口、これもまたリレーのアンカー同士である。
ただ三組には喧嘩も強い平田がいる。
一組には平田と聞いただけでビビる児童も数名いるぐらいだ。
【棒倒し開始】
案の定、スタートの合図と同時に平田が一人突っ込んできただけで一組の数名の児童は逃げ腰になり、それにつられて三年生の児童達も平田に近づこうとしない。
ノブや田尾、大石はまだ気が強い方なので平田にタックルしたいとう気持ちはあるのだが、どうしてもリレー前に怪我をしたくないという気持ちが勝ってしまい、なかなか平田の前に行けないでいた。
その様子を見て、俄然調子の出てきた平田は棒を守っている大将村瀬めがけて突進してくる。
それを見ていた高山と森重が、「そう言えば俺達が活躍する競技って、もう無いよね?」とお互いで言い合い、そしてその瞬間二人の目の色が変わり平田めがけて突進したのである。
そして平田は二人に突進されて倒れてしまった。
しかし何故か平田の顔は笑っていた。
「しまった!!」
ノブが思わず叫んだ。
両サイドからリレーメンバーである山本と岡本が村瀬めがけて突進してきたのである。
実は平田は『オトリ』だったのだ。
後日分かる事ではあるが、頭の良い木口が以前から考えていた作戦であったらしい。
二人に飛びつかれた村瀬は大きな体を活かして耐えていた。
山本、岡本も必死で村瀬を棒ごと押し倒そうとしている。
さすがにノブや田尾、大石もこれは事情にマズいと思い、後方から村瀬を助けに行こうと走り出した。
しかし、その瞬間!!
倒れていたはずの平田が突然、高山と森重を跳ねのけながら立ち上がり、村瀬めがけて一気に走り出したのだ。
「しっ...しまった!! これも作戦だったんだ!!」
ノブは叫んだ。
しかし『時すでに遅し』......
両サイドから二人に押されて、そちらに気を取られている村瀬の身体のど真ん中に後のリレーの事など何も考えていないと思わせる様な形で平田が激しく突進してきたのだ。
ドシ――――――――――――ンッ!!
「グハッ!!」
「村瀬ーっ!!」
さすがの怪力村瀬も三人がかりの力には勝てず、棒を離さないままではあったが遂に倒れこむのであった。
その姿を唖然としながらノブ達は見ていた。
三組サイドは大歓声であった。
逆に一組サイドはため息が聞こえてくる......
リレー対決の『前哨戦』は一組の完敗であった......




