第23話 運動会当日
【運動会当日】
朝から天候に恵まれ運動会日和である。
ノブの両親や祖父母(母の両親)も応援に来ている。
「ノブのやつ、今年はリレーに出るんだって? 一年の時にこけてから二年、三年とリレーの選手に選ばれなかったから心配してたんだが、良かった良かった......」
ノブの父親、和仁が満足げに話している。
「でもまたこけたりしたら...って思うとなんだか心配だわ......」
母親のみゆきが不安げに言う。
「バカやろう!! そんな事いちいち気にしてたら男なんてやってられねぇよ! 今年はあれだろ!? なんか劇の脚本も書いたり、副部長だっけ? それにもなってるんだろ? 最近のあいつの顔をつきを見てたら去年までより少し自信のある顔つきになってるから絶対大丈夫だっ!!」
「そ...そうよね...。あの子のこと信用して思いっきり応援しなきゃダメよね......。あっ...あと明恵の応援もね......」
開会式が始まり選手宣誓はなんと演劇部部長、山田香織であった。
ノブ達は驚いた。
「山田部長、選手宣誓するなんて何も言ってなかったよな?」
ノブの前に立っている高山が振り向きノブに聞いてきた。
「あ...。うん...。何も聞いてなかったな......」
そして山田は透き通った大きな声で堂々とした態度で選手宣誓をした。
「宣誓! 私達選手一同はスポーツマンシップにのっとり正々堂々と戦うことを誓います! 昭和五十五年十月十日っ! 選手代表六年一組 山田香織!!」
運動会会場は割れんばかりの歓声であった。
ノブや高山達も手が痛くなるくらいの拍手をした。
「やっぱり、山田部長は凄い。何をやっても絵になる人だっ!!」
ノブは心の中でそう叫んでいた。
続いてプログラム一番「ラジオ体操」
壇上には全校児童の方を向き、演劇部で陰の副部長、高田瑞穂が立っている。
「おいおいおい、高田さんも何も言ってなかったよな!? どうなってるんだ。うちの演劇部は!?」
高山が再度、興奮気味にノブの方を振り向き、目を大きくしながら両手を伸ばしラジオ体操がやりやすい位置に移動していった。
「ほんと、うちの演劇部すげぇ...。逆に運動部何してるの?って感じだわ......」
ノブも小声でそう呟きながら両腕を伸ばし移動していくのであった。
プログラム二番「一年生による五十メートル走です」
全校児童が大きな声で一年生を応援する。
ノブの通う小学校の運動会は学年関係なく一組から四組の競技の点数で争うことになっている。
点数が入る協議は以下の通りになっている。
各学年の五十メートルから二百メートル走
各学年毎の特別競技(四年生なら障害物リレー)
低学年による玉入れ
中学年による棒倒し
高学年による騎馬戦
そして最後に各学年の代表による四百メートルリレーから八百メートルリレー
そしてこれ等の競技を盛り上げるために、各組代表で六年生が応援団長、五年生が副団長を務め、その他各学年から応援団員を数名募り各学年の同じ組の人達を応援をすることになっていた。
一組の応援団長はまさかの山田香織部長、そして副団長が五年生の福田兄であった。それだけでも驚きだが、二組の応援団長は元バスケ部の時田次郎、三組の応援団長は高田瑞穂、副団長は次期部長の佐藤恵、四組の副団長が演劇部五年の堤志保であった。
まさか各応援団の団長、もしくは副団長にこんなんに多く演劇部員がいるなんて......ノブや高山達は驚きを隠せない。
しかし自分達一組の団長が山田部長であるということは喜びとしか言いようがないのは間違いないであろう。
いずれにしても彼女達の応援と全児童の応援が入り混じり、一年の五十メートル走から六年生の二百メートル走まで大いに盛り上がった。
二年生の五十メートル走でノブの妹、明恵は三位であった。
しかし去年、明恵はビリだったのでノブも両親も大満足である。
逆に高山の妹が去年の一位からビリになっていたので高山は一人凹んでいた。
ちなみに運動会前日に二百メートル走の練習を急遽行った二人......
高山は二位、森重は三位であった。
二人とも去年よりは順位が一つ上がったので練習の成果は出た形となった。
これもクラスのマドンナ、寿久子のお陰でと言っても過言では無いであろう。
あと、ノブ、田尾、村瀬、大石、石田のリレー組は堂々の一位、寿は二組の深井薫に負けて二位であった。
順調にプログラムも消化していき昼食を挟んでの後半戦。
三、四年生男子による『棒倒し』が始まる。
ノブ達にとってはリレー前の『前哨戦』となるのであった。
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ちなみにこの作品は47話で完結予定となっております。




