↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夕焼け色の猫  作者: 鈴寿
PR
18/19

瑠花、困惑のアルコールアレルギーを看る福ちゃん

猫って、人の心が解ると思っている。心が痛く苦しい時、身体が辛い時、気が付くと、側に黙ってポツンと座っている。本を見ていたりスマホに熱中していても、何時の間にか、身体にピッタリくっついてるし、前足を膝や足の上に置いていたりして、そんな時は、ポッと心に灯火が点く…。猫の福は、空気のように、何時も私に寄り沿ってくれる存在ー。人間達は、自分の小さな世界を個々で守っているから、一緒に居ても余所者だ。でも猫は、私だけの空間の中で、唯一の眼差しを注いでくれるー。この暖かさを知る私は幸せ者だと思うー。1人の人間が、毎日生きるって事は、本当に大変だからー。私が日々苦戦しなければならない事柄の中の一つに、アルコールアレルギーがある。アルコール、味醂も全部駄目。それだけではなく、石鹸、シャンプー、ケーキ、スイーツ、ゼリー、生姜、梅、醤油、アルコール混入物質を数え上げればキリがないー。少しでも身体に入ると、喉の粘膜が腫れ上がり、息が出来なくなる。極微量であれば、蕁麻疹が半日程続く状況…。何時だったか、一度チェーン店の居酒屋に、断われない付き合いで行った時、私は頭から血の気が引き、強張った表情で、10分も持たず飛び出したー。空気中に含まれるアルコールで、肺ごと呼吸困難になり、バッグだけ掴んで外へと走った。ー頭はグラグラッー、バックバクッ!の胸を鷲掴みにしながら、上半身で酸素を噛むように息を吸うのに、胸迄入って来ない恐怖ー。走っては止まり、必死に息を吸うを何回か繰り返し、自宅に着くまでの20分程、何とかある程度は治まった。哀しい位の虚弱体質の上、アルコールアレルギーの最悪な身体の私ー。あの日も、フラフラ、ヨロヨロで家にたどり着くと、ベッドに倒れ込み、冷たくなった身体に、掛け布団を無造作に巻き付けたー。何時の間にか眠っていた私が、ふと気が付くと夜中の1時過ぎだった。ー背中に小さな熱を感じ、ゆっくり起き上がるー。福がくるんと丸まり私の背中にピッタリくっついて眠っていたー。夕御飯も作ってあげる余裕も思考もなかったから、お腹も空いていただろうにー。じんわり涙が出たー。ショックで血の気の引いた身体は、軟らかく暖められていたー。ゴソゴソ起きた私の身動きで福も目覚め、遅れ馳せに猫缶を皿に出すと、ガツガツ食べ出した。あーもうっ、福、福っ、すまないね~…っ、でも許して…。動けなかったんだよぉ…っ。アルコールアレルギー故に、様々なチェックが必要不可欠な私には、危険が一杯なのだー。本当に面倒臭い身体ー。酷くない?神様っ!。ー居るか居ないか、知らんけどっ!。…何時も、すまないっ…福~っ…。でも、有り難う…っ。ー福のフルフル動く長いしっぽを、何時もの癖で、片手でギュッと握ったー。福はチランッとその手を一瞥しながら、黙々と食べ続けたのだったー。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。