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夕焼け色の猫  作者: 鈴寿
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13/19

マンション ブランカ

ブランカースペイン語で ゛白〝。山と田んぼの間に立つマンション、ブランカー。この字型で建てられ、二階建て三階建てが交互に連なり、上層階は積み木のようなデコボコした外観。行き来は外側をグルリと回る螺旋階段。エレベーターは、ない。少々時間を経ていても、お洒落な様相の建物だー。1部屋毎に小さな出窓が付いており、洋館風にも見える。私が住居とした部屋の出窓は西向きだ。イタリア家具が日焼けするのは避けたいと、出窓の床を仕切る形で分厚い遮光カーテンを特注した。窓ガラスには白いレースカーテン。仕切りには、陽射しが当たるとキラキラ滑らかに光る厚い布地のオレンジ色のカーテン。沢山のサンプルを見て選んだ拘り物だ。今、その先に鎮座している、我が家の愛娘猫の福ちゃんに向かって、あろうことか自殺の方法の相談をしているのだー

。「煉炭~??」心の中で怒号したわー。やめてよ!私の大事な財産の一つよ!福ちゃんだってお気に入りなんだから!っ!。そんな事されたらマンション名に傷が着くわ!。後始末だって大変だって聞いた事あるしっ!。違う方法で、なんだったら、どっかの外で考えてよっ!。突然昼寝から揺すり起こされた私。ームカムカッ!と頭の中で口から真っ赤な火を吐いていたその時、ポソポソと、昔話も織り混ぜながら啜り泣き出したー。要約すると、ギャンブルと暴力魔の親父から、親子三人、再々逃避行しては連れ戻された幼少期。貧しい日々の中でお年玉は当然のように食い扶持分に変わり果て、子供ながらコツコツ貯めた細やかな貯金は、いつの間にか刷り取られ親父のギャンブルに溶かされていたー。留めが逃げ回っている間「お前達さえ居なければ、逃げられるのにー。」なんて母親が言う??。ー何かの映画か、ショートドラマ?。お金が頼りの人生で、なんと今回、積み立てた貯金は詐欺で全て騙し取られたってー?。うわぁ~~っ。なんだ、それ…。悲惨やん…。ーでも、何回か出窓に来ては、福ちゃんに序奏しては帰って行くその人の後ろ姿に、何か心の奥底で感じる物があったー。そんな逆境ながら、なんか、どっか冷静な判断で動いてるのを感じる。この人…。今回の失敗も、気が付いた途端、大騒ぎする前に警察署へ直行。帰宅して即、警察官の指示で銀行関係に連絡相談ー。全部の後始末が終わってから、ようやく福ちゃん大明神の膝元に座り込んで涙を見せているー。…普通なら大声での泣き喚きで、経たり混むだけ、なんじゃないかなあ?…。こういうのって、性格ってより…独りで生きて来たっていう、苦労から学んだ自然な行動だと思うな…。ーうんっ、偉いよっ!。こういう芯の格好いい人って好きっ!。ー初めて、人間に興味が湧いた瞬間だったー。やがて、つい先日から

疲れで擦りきれ、千切れそうだった私の神経が、ドクドクと波打ち躍動しだすのを感じていた。ーそうして私は、密やかに、しかし確実な行動へと移って行ったのだったー。

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