それってストレスです
ある日真由美は仕事に行くことが辛くなっていることに気づいた。出社したものの、舌はピリピリするし、トイレは近い、その上夜眠れていない事もあってお昼ぐらいには立っているのも辛かった。
「食べなきゃ」と思いお弁当に口をつけるが半分も食べられない。
トイレが近くなるからコーヒーは止めていたが、余りに眠いので久しぶりに口にした。少し落ち着いた気がした。仕事中は時間が経つのが遅く感じる。
退社して、家に帰ると夫の好きなハンバーグを料理した。料理することは気晴らしになった。切ったり、捏ねたり、余計な事を考えずにすむ。しかし食べる時になると半分しか食べられなかった。朝になると胃液が上がって来るのがわかった。
「お肉は胃に負担がかかる。」
「ニンニク、辛いもの、ビビンバ、麻婆豆腐、ミートソース、今まで食べれていたものが喉を通らない。」
「この季節に美味しい蜜柑も食べられない」
「酢の物なんてもっての他」
体の変化に食事が苦痛で仕方なかった。
真由美は医師に相談した。
「食べられなくて辛いんです。体重も日に日に減ってしまって」
医師は冷静に答えた。
「そうですか。逆流性食道炎の薬は服用されてますし、ストレスが原因かもしれないですね」
「ストレス」
真由美は心の中で繰り返し呟いた。
「一度心療内科を受診されてみては」
と言われた。
消化器の調子が良くないのとストレスが関係するのか疑問だったが、相変わらす夜2、3時間すると目が覚めてしまうので心療内科を受診することにした。
新患受付はやっていない病院が多くて、主治医に紹介状を書いて貰うと早めに診て貰えた。
待ち合い室で待っていると色んな人の話が聞こえてくる。
「昨日は寝てないの」
「あたしも一睡もしてないのよ」
そうかと思うと裸足て立っている人もいた。
じっと待てない人もいる。
「人の声が辛い」
「人を見るのも辛い」
ここを受診はしたことを後悔していた。
初日は色んな検査をして担当医と話をした。若い担当医はもう少し眠れるようにと今までより少し強めの睡眠薬を処方した。一週間後受診するよう言われた。
この時から何だか頭に靄がかかってしまった。
家に帰り、入浴する時、鏡に映った痩せた体が不安を募らせた。
「もう駄目かもしれない」




