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魔法のせいだから許して?  作者: ましろ


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22.フィデルの教育的指導

「「領地に行った?」」


珍しい。先輩とビアンカがハモってる。


「そう。療養の為だって。家族にすすめられたみたいだよ。もっと早くに行っててもおかしくなかったよね」


先輩もビアンカもそんなに驚くんだ?

リーゼロッテさんはあんなに傷付いていたのに。


「……なんで?私は聞いてない」

「俺だって昨日会った時、またねって」

「またね、は翌日とは限らないんじゃないですか?俺は単なる伝言係です。恨みがましく見ないでください」


とりあえず先輩は10日も逃げるのはやり過ぎだよ。それがなければリーゼロッテさんはまだここにいたかもね。


「先輩はヘタレ過ぎ。ビアンカはやり過ぎ。俺は言ったよね?介入し過ぎるなって」


まだ納得のいかない顔をしてる。馬鹿だなぁ。俺に口で勝てるわけがないのに。本能で生きる脳筋だから。



「ビアンカの勘はすごいよ。俺は面白いと思ってるから多少の事は笑って見てられる。でも、やり過ぎは止めてきたよね?言う事を聞きたくなかったのはなんで?」


最近のビアンカは何故か暴走気味何だよね。これも魔法の後遺症なのかな。


「だって!先輩はリーゼのヒーローなのに小細工ばっかりするから!もしこのまま恋人になってからそのことを知ったらリーゼがまた傷付くじゃない!

だから、ヒーローぶって格好付けてないで普通の男の子としてまずは気持ちを伝えた方がいいと思ったの!」

「確かにね。その考えは間違ってはいないね。でも、リーゼロッテさんはそんなこと望んでたかい?」


「え?」


「彼女の為って言うけど、本当はビアンカ自身のためだろ?お前は一年間助けなかった罪悪感を減らしたいだけだよ。それと先輩と同じ立ち位置につきたい欲。だから先輩の罪を暴きたかったし、ヒーローじゃなく普通の男にしたかったんだ」


なんで真っ青になるかな。人のことはよく分かるけど、自分のことは気付かなかった?ああ、違うな。俺が敵に回るとは思わなかった方かな。


「どう?真実を突き付けられた感想は。ビアンカがした事と同じだよ?」


真実を告げるのがいつでも正しいと信じてるお馬鹿ビアンカ。俺はそんな君が好きだけど、ここで折っておかないと楽しいじゃすまなくなるから、ごめんね?


「真実がいつも正しいわけじゃないんだよ。リーゼロッテさんには、先輩との偽りの時間が必要だったんだ。優しいヒーローとの友情がね。それくらい傷付いてた。俺達が傷付けたんだ」


まぁ、いつまでも夢の世界で生きてはいけないけどね。ビアンカが突き付けないでも、先輩のボロが出る日は近かったと思うし。


「……偽りなのか?」


え、こっちも?まさか、あの一年で真実の愛を育んだとか気持ち悪いこと言わないよな。


「先輩は本物だった?好きな人に格好良く見られたいとかは分かるよ。でもさ、その為にライバルを貶めてリーゼロッテさんの思い出を汚すのは有りなの?」


ごめんね、先輩。俺達意外と仲良しになったんだ。リーゼロッテさんは友達との会話を楽しみにしてたから、同じく友人の先輩の話もたくさん聞かせてくれた。


「リーゼロッテさん達の婚約期間は5年だって。殿下が魔法に掛けられるまでは本当に幸せだったんだよ。その年月を自分の欲の為に汚した気分はどんな感じですか?」


こればっかりはビアンカじゃないけど許せないよね。ライバルがハイスペック過ぎて真っ向勝負できない気持ちは分かるけど、自分のプライドを守る為に女の子を傷付けたら駄目でしょ。ヒーロー枠のくせに。


「とりあえず、二人とも領地に押しかけたりしないようにね。伯爵が止めるとは思うけど、今のままで会いに行ってもリーゼロッテさんには迷惑しか掛けなさそうだ。でも、放置も良くないよ。先輩が逃げまくるからリーゼロッテさんだって諦めちゃったんだから。一番傷付いてる人の心を考えて行動してね、二人共だよ!」


本当はここまで言う事すら介入し過ぎなんだから。俺は誰かの手助けが無いと進まない関係なんて、一回乗り越えても次で駄目になると思うんだよ。でもリーゼロッテさんもすっかり自分に自信がなくなってるから今回だけ口出ししちゃった。ちゃんと待ってるよっていう友人は必要だし、大好きだって伝える男もいた方がいいでしょ。かなりのヘタレでも。


ビアンカの縋る様な目は珍しい。なるほど、先輩の優越感が分からないでもない。でも、俺はここで甘やかさないけどね。やりすぎ娘はお仕置きが必要だ。


「ビアンカ。冷静に考える時間が必要だろ?一週間。しっかり()()()考えて。どうして俺がここまで言ってるか。

じゃあ、また一週間後に会おう」


それまでは会わないし、すれ違っても声は掛けない。先輩じゃないけど犬の躾と一緒かな。ここで甘やかしたら駄目だから。

ビアンカ頑張って考えて。先輩もね。






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