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白銀のシンセシス  作者: 大場里桜
前編:Grayish future
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宇宙要塞ヘカトンケイル攻略戦4

 イーサンのリベレスティンがビームアックスを構えて突進してきた。

(アローモードでは足止め出来ない……ならっ!)

 アーサーはトライ・レジェンズをソードモードに切り替えて迎え撃つ事にした。

 艦砲射撃に巻き込まれない様に飛び交いながら激しく打ち合うカリバーンとリベレスティン。

 戦艦を3隻撃沈したとはいえ、今戦っている場所はファングの勢力下にある。

 それでもカリバーンが包囲されずに済んでいるのは、イーサンのリベレスティンが傍にいるからだ。

 単機でいれば集中砲火を受けるだろう。

(動きを読んで先手を打っているのに全て対応されている。凄まじい反射神経と格闘センスだな。何とか撃墜する方法はあるけど……それも難しいか。仮にリベレスティンを撃墜出来ても周囲の敵に狙い撃ちされる。現状維持で時間を稼ぐしかないか。本当に友軍に期待するしかない状況になったな……)

 アーサーは戦況が変わる迄、イーサンと格闘戦を続ける事にしたーー


 *


「邪魔なんだよ。お前ら!」


 レイモンドのテトラトスは既にE.G.軍の勢力下に単機で突出しており、友軍のアルダーン部隊が包囲している。

 だが、テトラトスは止まらない。

 テトラトスが3本の腕に装備したビームライフルで友軍のアルダーンを撃墜しながら突撃してきている。

 ロングレンジライフルで狙い撃っても当たらない。

 カーライルはアルダーン・カスタムHEの残弾を確認した。

(ミサイルの残弾がないか……あれだけ派手にばら撒いたから仕方がない。フリージアに戻って補給する余裕もないか。流石に気づかれているから狙撃しても当たらない。このまま接近されたらロングレンジライフルは使い物にはならなくなるから武装を切り替えよう)

 カーライルは残弾が無くなったミサイルポットを切り離した。

 そして、腰部からアサルトライフルとマシンガンを取り外し装備した。

 更に背部からバズーカを引き出した。


「アイツは俺が抑える。お前達はアーサーの援護に向かえ!」


 カーライルはフリージア隊のアルダーンのパイロット達に指示を出した。

 レイモンドのテトラトスは手強い。

 部隊の仲間を無駄死にさせたくはない。


「良く逃げなかったなぁ。緑色!」


 テトラトスがビームライフルでアルダーン・カスタムHEを狙い撃つ。

 カーライルはスラスターを全開にして避けた。

(想像以上に避け辛い。エース3機に狙われているような気分だぜ。正直キツイけど、まだ限界ではない。アルダーン・カスタムHEの力を見せてやる!)

 カーライルはバズーカでテトラトスを攻撃した。


「何だその遅い攻撃は! そんな旧式の兵器が通用すると思っているのか!」

「思っているさ! 簡単に当たらないなら削り倒せばいいだけだ!」


 カーライルはバズーカのロケット弾の隙間を埋める様にマシンガンで攻撃した。

 更にバズーカのロケット弾にアサルトライフルで狙いをつけて待機した。

(後少し……引っかかれよレイモンド!)

 テトラトスが器用にバズーカのロケット弾をビームライフルで打ち抜いた。

 ロケット弾の爆発に巻き込まれて、周囲のマシンガンの銃弾が吹き飛んだ。

 爆発によって生まれた安全な空間にテトラトスの姿が現れる。


「それで逃げ場を奪ったつもりか? ロケット弾を打ち抜けば爆風でーー」


 レイモンドがカーライルを馬鹿にしたが最後まで言い切る事は出来なかった。

 テトラトスにアサルトライフルの銃弾がコクピットに直撃したからだ。

 威力が低い通常弾の一撃では撃墜出来ない。

 それでも当てやすさ優先で選んだ武装である。


「銃身が焼き付いてもいい。武装はまだ残ってんだからよ! 今日の俺は大盤振る舞いだぜ!」


 カーライルがアサルトライフルでの攻撃を続ける。

(想定通り! ちっ、撃墜そこなったか。欲を言えば今ので撃墜したかったのだけどな)

 テトラトスは背部から伸びる腕を失い、コクピット周辺の装甲もアサルトライフルの銃弾で凹んでいるが撃墜出来ていなかった。


「コケにしやがって! お前ごときに負けられるか!」

(こけ)色の機体にコケにされたってか?」

「馬鹿にするなああああ!」

「するさ! 戦争で遊んでる幼稚な奴だからさ!」

「死ねえええええ!」


 テトラトスがビームソードを抜いて接近してきた。

 カーライルは銃弾を撃ち切ったアサルトライフルとマシンガンをテトラトスに投げつけた後、ビームソードを抜いた。

 激しく打ち合うアルダーン・カスタムHEとテトラトス。

 格闘戦で劣るカーライルが互角に打ち合えるのは、テトラトスが損傷を受けているからだろう。


「お前を殺して後ろの戦艦もぶっ潰してやる! 視界を染める青に恐怖しろ!」

「幼稚なんだよ! そんなもの程度にビビってたら、最初から戦場にいねぇんだよ!」

「そんなもの程度だと! 俺様は地上で恐れられた死のブルースクリーンだ! お前の様な無名の分からないヤツが調子に乗るな!」

「いつだって命を奪うのは無名の銃弾だ!」

「違う! 命を奪うのは、この俺様! レイモンド・バージェスだ!」

「お前の様な奴がいるから!」


 カーライルはテトラトスが接近したところで、バズーカを至近距離で爆破した。

(ここで確実に始末する! レイモンドの様な奴がいるから戦争犯罪が無くならねぇんだよ!!)


「馬鹿な! 自爆だとおおお!」


 テトラトスが蹴りを放ちアルダーン・カスタムHEから離れた。

 だが、バズーカのロケット弾の爆発はテトラトスの脚部を吹き飛ばしていた。

 対して、アルダーン・カスタムHEは追加装甲として装備していたリアクティブアーマーのお陰で損傷を最小限に抑えていた。


「お前はここで死んでもらう!」

「お前も銀色と同じで殺意高けぇな! だが、ここでお別れだ!!」


 テトラトスが逃げようとする。

 カーライルは武装を確認したが、射撃武器は一つも残っていない。


「待てよ! 待てよレイモンドおおおおお!」


 カーライルはスラスターを全開にしたが追いつけない。

 アルダーン・カスタムHEに搭載されているVS2クラスのG.D.ジェネレイターの出力は、高級機用のVVS2クラスの出力より劣るからだ。

(くそっ、レイモンドを取り逃した上に武装を失ったからアーサーの援護にも向かえない。一度フリージアに戻るか……)

 カーライルは補給の為、戦艦フリージアに撤退する事にした。

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